ひとつひとつは大したことではないけれど、積み上げると大したものになるような小さなEvilの氾濫がすごい。
先日スマホを変えたら、解約時の一時金として色んな費目でちょこちょこと計上され、それらの金額は事前に説明あったかと聞くと、「約款に書いてあるでしょ」と、とりつくしまもなさげ。
さらに
「2年縛りで割引してたんだから解約するなら解約月は割引がありません」
と言われ解約料に数千円の上乗せ。
「いや解約月も2年内に入ってるわけだし、日割りできないって言うから結局解約月も満額払うのに、それで割り引かれないって理屈に合わなくない?」
と言うと、またもや
「約款に書いてあるので」
「それ私に言われてもしょうがないんで、もういいですか?」
と言うばかりで聞く耳持たず、早く説明を終えて電話を切らせろの圧がすごかった。
結局押し問答しても何も変わりそうにないので諦めて受け入れた結果、妻との2回線分で解約時の一時金が万の位に乗ってしまった。
「{親キャリア}に移行するならそれ全部チャラでいいんですけど、{親キャリア}にしません?」
と言われて某犬のキャリアを進められたけどこんな対応されてその上でこんな会社と契約したいわけがない。
そして乗り換え先のキャリアでは手続きの最中ずっと様々な付帯サービスをあの手この手で進められる。
「iPadを契約してくれれば初期費用&月額を割引できます。そのうえ端末の割賦の頭金をカットします。月額料金は少し上がりますが、iPadが手に入ると考えれば長い目で見たらプラスですよ」
と執拗に食い下がり、契約を終えるのに4時間以上かかった。しかも契約する部屋は地下で窓一つ無い状況で、そこで数時間説明を聞き続けると、冷静な判断力が段々削られていくのがわかって、最後のほうはもう損得あまり考えず、とにかくノーとちゃんということに終始してしまった。これ、年配の方が一人とかで来てたらたぶん途中で折れて、ああもういいから全部つけてさっさと終わってくれって言うと思う。
しかも上記の例で出たiPadはその数日後に新作が発表された。これ契約してたらなんか寂しい感じなってたと思う。
いくつかのサービスは契約時に初月無料ですぐに解約していいからと言われておとなしくそのままにして、後日ネットから解約しようとしたところ解約の手順のUIがおそろしく分かりづらかった。
その無料サービスを解約することで他のサービスも同時に解約してしまうような誤解を招く書き方になっていたり、同時契約した他のサービスの割引がなくなるように誤解させるものとなっていたり(結局それらは関連しあわず、普通に進めるとそのサービスだけちゃんと解約できる)なんとか少しでも解約をさせない、または遅らせる仕組みになっている。
そういう例としてもうひとつ。
僕は少し前まで某巨大IT企業に潜り込んで働いてたんだけど、そこでマネタイズの基本となっていたのは以下の二点だった。
・寝かせ
・レ点
寝かせとは、月額契約をさせた上でそれをユーザーから忘れてもらえるように仕向け、いかに月額料金を払っていることを悟られずにうまくお金を巻き上げ続けるか、という概念。
レ点とは本来チェックボックスに入れるチェックのことで、転じてなにかの契約の決定ボタン付近に別の契約にデフォルトチェックを入れて用意しておいて、一緒に契約させてしまう手法。いかにユーザーに意識させずに契約させるかを重要視する概念。(今は直接的にはできなくなってるけど、それでもある程度それに近いUI設計をさせられる)
要は両方共、契約してもらうけどあまり使わず意識させず、お金だけを巻き上げ続けるにはどうしたらよいかを重視しており、某社の花形ではないサービスの企画職たちの間には、そのノウハウがどろどろと渦巻いている。
某社ほどになると月額百円程度でも積もり積もれば莫大な売上になるので、企画職はどれだけよいサービスを作るかよりも、上記2点をどれだけうまくやるかのほうに注力することが多い。そのあたりを上手くやれる人がいい企画の人、という評価が一般的だった。
って感じでこういうのもう枚挙にいとまがない感じだけど、要はいかに小金の口数を多くして「このくらいならいいか」の母数を増やすかしか考えてないビジネスがすごく増えた。それも大手になればなるほどそればっかり一生懸命やってる印象が強い。
G社のDon't be evilという社是は有名だけど、G社自体微妙に守れてない感じになってきて、世の中汚れてんなあと思う。
そればっかりじゃないと思いたいんだけど、でもそれが現実なのかな。
Sはevilね。
でもキモくて金のないおっさんを年齢差別や容姿差別により雇用から排除し被雇用者の地位を守っている日本社会は特にEvilとして問題視しないんですよねわかります
G社が変わってきてしまった、と、辞めるエンジニアが増えているという記事を先日ちょうど見たばかり。 「寝かせ」「レ点」ね。