増田トラバーの方々とかぬかしてるけど、長文でマウンティングかましてるのは全部俺だぞ。
それはいいとして、元増田の疑問や問題意識にはあまり響いてないようなので、少し切り口を変える。
【伝統】
様々な試論はあるが俺個人の考えでは、いくつかの文化が政治的経済的な諸々の要因と分かち難いレベルで結びつき、民族という単位でまとめあげられたものが伝統と呼ばれるものの正体なのだと思っている。
便利だから続けているライフハックの類は習慣と呼ばれるが、こちらには民族的な色彩はない。
伝統はそうではない。伝統は自らの民族を語る上で欠かせない要素であり、我々を我々たらしめるものだ。
そして我々と彼らを分け隔て、区別する為のものでもある...というのがギリシャ時代からの人々の認識だ。
しかし、伝統とは漠然と存在するものではない。あくまで異文化と接触して、彼我の違いを知り、
その違いこそが我らの唯一無二の価値だと見出すことなしには伝統という名を冠す事ができない。
だから、常に伝統は危機に晒されている。文化は戦争だ。負けたら我が民族の権威が失墜する。
そんな政治的経済的文化的な理由で弄ばれてきたのが伝統の正体なんですよというのが輪島さん達の考え。
そこまでは元増田も正確に読み取ってるなと思ってる。
「伝統は良くも悪くも我々の根幹に関わるものである」というある種の信念ではないかい?
というのも、実際にそういう人達にスポイルされた悲しい伝統というものが古今東西あって、
その問題提起が例の本だったと思うんだよな。
バルトークという作曲家がいるのだが、彼は作曲家であると同時に民俗音楽研究家でもあった。
今にも失われそうな子守唄、労働歌、踊り、気晴らしの遊びや口説き歌など膨大な歌と音楽や舞踊を採譜した。
それらの蒐集とそれぞれの作品の分析を通じて、民族の音楽とは何ぞやというテーマを深く掘り下げ、
彼らという民族を民族たらしめるものを特定し、伝統という名のバトンの受け渡しの大きなうねりに作曲家として、愛国者として身を投じようとした。
バルトークの作品群の中でも編曲作品は明らかにこうした政治的意図を持っている。
しかし、彼の音楽研究は結局の所、労作であるハンガリー民謡を読めば分かる通り、うまくいかなかった。
暗雲立ち込める祖国の中で閉塞感を感じ、積極的に行ってきた民謡の蒐集からもやがて興味を失い、
音楽的ひきこもりといえるような苦悩を臆面もなく吐くようになってしまう。
追い討ちをかけるように、愛国者バルトークはハンガリーウヨからもルーマニアサヨからも批判される事態に陥る。
横だけど、面白かった。こんな文章を増田で読めるのは嬉しい。 全レスは追っていないんだけど、元増田の とはいっても正直なところ、西洋音楽を基にした音楽を、日本的なものと...
増田の方です。なかなか分かりづらい文章だと我ながら思ったけど、読んでくれてありがとう。 そして元増田もこんな俺に付き合ってくれて嬉しいなと思っている。 これは、近代的自...
横増田です。レスありがとう。 正直な考えを教えてもらえて感謝している。 まだうまく咀嚼しきれていないから、もう少し読んでみて、可能なら返信をしてみる。
横増田です。 遅くなったけど、返信をさせてもらう。 全体的に「学者」の葛藤が全く見えていなかった。 正直、「学者」は、哲学や科学(限界があることを含みつつ)という、ある...
元増田です。 正直、自分の中には横増田のような問題意識はほとんどないというか、そういう解釈は想定外でした。 今になって思えば、ナショナリストを自称したのは良くなかったと...
元増田です。 読んでくれてありがとうございます。ここまでレスが付くのは想定外でした。おかげで自分が言いたいことがわかってきたような気がします。 せっかくなので、演歌批判と...