詩織「新たな愛を見つけるラブ発見型新感覚ラブリーラジオです」
詩織「いや…… もうね……」
愛海「どうしました? 始まる前の打ち合わせからずっとそんなモドカシイ雰囲気だしてますけど」
詩織「まあ…… 話題的に…… どうかんがえても…… いいわけないのだけれど……
……します」
愛海「おー」
詩織「その…… 私海が好きでしょ……」
愛海「ごめんなさい」
愛海「たいへんですね」
詩織「そうなの。ひとまず途中下車して、ホームの椅子で座っていたのだけれど……」
愛海「こういうときアイドルやってると、辛いですよね。長居すると人の目を集めちゃいますし」
詩織「ええ…… だから早くタクシーでも捕まえようと思ったのに、体が動かなくて……
愛海「すごい偶然ですね」
詩織「そうね…… それで自動販売機でお水を買って来てくれたり、横にいて背中をさすってくれたりして……
すごく助かったの……」
そんなことがあったから、後日事務所で会ったときにお礼を言ったの」
愛海「ここまで体調を崩した詩織さんには悪いですが、不穏な話は一つもないですよ」
詩織「そのときは、彼女も気にしないでみたいなことを言っていたのだけれど……
その、私が軽口で「恋人にあなたみたいな頼れる人が欲しいわ」と言ったのよ。
愛海「別にいいじゃないですか。あたしもそれぐらいよく言いますよ
あわよくばお山を登らせてもらいたいので」
詩織「ところがね……
なんだか、あのユニット……
リーダーの子を巡って残りの四人が恋の鞘当てをしてるらしいのよ……」
詩織「あるのよ…… この業界って意外と異性との繋がりがないし…… なによりその子格好いいし……」
愛海「格好いい系ですかあ」
詩織「それでね…… 私の態度が彼女に媚びてる…… みたいな……」
愛海「これはよくないです! これはよくないです! そういうドロドロよくないです!
詩織「共演はしたことあるけど…… そのユニットではないわ……」
だれかに相談したくなって、そのリーダーの子と一番仲が良い子に相談したのよ……」
愛海「だからそのユニットの中に一番仲が良い子はいないみたいなヒントを出さないでください!」
詩織「そしたら
「え…… 嘘でしょ…… アタシがアイツのことを一番…… おいてかないでよ!」となんか彼女の気持ちを揺れ動かしちゃって……」
愛海「いやいや、いやいや、もう、これ、いやいやいやいや」
詩織「ほんともうね…… 乃々ちゃんといい、幸子ちゃんといい、14歳は女の子ハーレムを築きたがるのかしら……」
愛海「! こ、こらこらこら! こらこららこらこらこらこら! だ、だめでしょ! もう数人しかいないでしょ!」
詩織「声はまだありません」
愛海「声はあるよ! 全員声はあるよ!」
愛海「それで除外される子一人だけだけども! 少しでもヒントを出さないで! 特定されちゃうでしょ!」
愛海「だめに決まってるよお…… もしクールって言ったら一択だし、キュートって言ったら二択だし…… それに柑奈さんと共演の話とかもあるから……」
詩織「そうは言うけどね…… 妹系アイドルに惚れる子って少なそうよ……
少なからず女性はどこか力強さとかに惚れる部分もあるわけで……
だいたいね…… あなたはすぐ肉体関係を結ぼうとするでしょ……」
愛海「いや! ですから! スキンシップ! ラブリーな愛のスキンシップ! 肉体関係とか言わないで!」
愛海「なんだか話飛んでません?」
詩織「とんでないわよ…… なにしろ、その子、そのユニット四人全員をもう抱いたって話だから……」
詩織「嘘よ……」
愛海「え? ……どこまで?」
詩織「そんなドロドロハーレムの五人が今日はゲストに来てくれています」
詩織「嘘よ……」
愛海「もー!」
愛海「というコントにして終わらせようとしてるけど、これ本当の話であっても、嘘の話であっても、しちゃダメだよ!」
詩織「ははは……」
愛海「もう!」