2018-01-23

修士論文がつらい

修論締切直前の深夜にこんな駄文を書いているのは現実逃避以外の何物でもない.

私が3年間の研究室生活の中で自分自身や周囲の人間を観察していて気づいたことは,「指導教員の言うことを素直に聞く」人間は安定して成果を出しているということだ.

私は物事批判的に捉える傾向があり,他人の言説に対してまず疑ってかかるきらいがある.そしてさらにたちの悪いことに,私は自分のしていることに一度でも疑問を感じてしまうと,その疑問が解決するまで手が止まってしまう悪い癖を持っている.かつてこの性格が原因で4回生とき卒業研究を失敗した経験がある.

学部4回生研究では,指導教員が適切なレベル問題とそれに対するアプローチ提示して,学生はそれを黙々と実践し結果を得る中で,手習いのごとく研究方法論を身につけていくものだと思っている.

当然私にも指導教員から卒業論文テーマが与えられた.しかし私は論文サーベイ研究を進めていく中で,「そもそも問題設定に誤謬があるのではないか?」という疑問を持ってしまったのである.(当時の私が抱いた疑問はどうやら見当ハズレというわけでもなかったらしく,後になって隣接する他分野で私の疑問に答えるようなアプローチ研究されていることを知った)

私は指導教員自分の気づいた問題点について相談したのだが,私のコミュニケーションが拙いことや,指導教員自身がそのテーマに関して専門外であることもあり,その時は指導教員からどうしても納得が得られるアドバイスが得られなかった.そして私が「この研究には価値があるのか?他に良い問題設定はないのだろうか?」と悩んでいる間に,周囲の同期は順調に研究成果のようなものを出しはじめ,私は彼らへの劣等感から研究室に行くのが辛くなって家に引きこもるようになった.最終的には何とか卒論を提出し卒業はできたものの,私の卒業研究は見事に失敗してしまった.

この時の経験反省し,修士2回生とき((修士1回生の間は国外逃亡してた))に取り組んだ新たなテーマでは,私は指導教員の言うことに疑問を抱くことを極力やめて唯々諾々と言われるままの作業をすることにした.すると結果3ヶ月余りで成果のようなものを錬成することに成功し,(レベルは高くないが)国際会議論文投稿することができた.

何のアウトプットも出せないことに比べると「国際会議論文投稿した」というのは紛れもない進捗である指導教員の指示を素直に首肯できず,かといって自分で新たなテーマを打ち立てるほどのサーベイ力も発想力もない私のような人間は,やはり教員の指示に従って黙々と研究を進めるのが正解なのだ.私の失敗は文字通り「下手の考え休むに似たり」だったのだ.

でもその時に出した成果はまさに重箱の隅を突くような,問題設定や手法としての新規性が皆無に等しい研究だった.レベルが低い国際会議から通ったものの,僕が査読者なら間違いなく落としていただろう.この研究でもやはり私は指導教員に与えられた研究テーマ(というよりも問題設定)にずっと納得していなかった.それには私なりの合理的理由があったのだが,今振り返ってもその理由は間違っていなかったと思う.この時,指導教員にきちんと反論し,自分の頭で考え抜いて研究に取り組んでいれば,もっと満足のいく成果が出せたのだろうか?

少なくとも自分研究者に向いていないのは明らかである就職という選択肢を選んで正解であった.

私は自分アウトプット人格を切り離して考えられない人間なので,修論原稿を1字書き進めるたびに自分修士研究の不出来さ,ひいては自分という人間の不出来さを再確認させられ,物凄いストレスを感じてしま・・・

  • ひがみっぽいことダラダラ書いてないで納得いく論文を仕上げて指導教員を「ぐぬぬ」って言わせればいいんじゃね?

  • 研究者だが、修士位の人が行う研究では 仮説に問題があっても、それを仕上げる形までもっていくことが一つの研究プロセスの練習だと思う。 教授ともなれば、研究のプロセス(仮説...

  • http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/guide.html これでも読んでもちつけ

  • ほんま修士だの研究職だのはこういう匂いの文章しか書けへんのか

  • 修士の人間がやればいいことって研究のテーマに対してストーリーを作って, そのストーリーをステップだてて,一つ一つこなして納得できるデータを添えればいいんだと思ってる だか...

  • anond:20180123003712

  • 増田は研究者に向いてなさそう 自分が研究に向いてないっていう趣旨のトピックのはずなのに ところどころで「何事も疑う自分は賢い。周りは頭使わないバカ。」っていう自尊心をアピ...

  • 元の記事を書いたものです. 改めて振り返ると自己愛やら悔しさが綯い交ぜになった ぐちゃぐちゃで見苦しい文章を晒してしまったなと反省しています. 修士研究に関しては「もっと...

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