庵野監督の言う「物語中にライバルが作戦を邪魔したり、頭の悪い奴が足を引っ張る展開がストレスで苦手」という声に共感や異論/ステロタイプの「うっかり」が嫌なのではという声も
これでサマーウォーズでスパコン冷却用の氷持ってかれるところに軽く触れられてたんだけど、
既に若者の車離れが叫ばれていた00年代後半にRX-7を重用し、
現実よりも増してITに依存したあの世界にあって魅力的な仮想現実システムOZに全く興味を示さない。
(余談だがRX-7は2002年に販売を終了しており、翔太は中古で手に入れたものと思われる。翔太の微妙な古めかしさと懐事情が垣間見れる。)
(スパコンの氷を持ち出したのも仏壇の供え物にするためだった。)
のちに「マイルドヤンキー」などという言葉で電通マンにレッテルを貼られてしまう「田舎の若者」を
ある種忠実になぞっているのがあのキャラ「翔太」じゃないかな。
そしてそれは地方都市に住み、
集団行動が苦手(であるため農耕社会に由来する田舎特有の全体主義には馴染めないだろう)な
極め付けとしてカズマはOZ内のコミュニティで半ば伝説として降臨しており、
暴走するAIを退治することに躍起な男どもと、それを尻目に淡々と催事の準備を遂行する女性陣の対比で成り立つ「サマーウォーズ」において
OZという作品設定そのものを軽視し関わろうとしない翔太は特異な人物の一人。
翔太が氷を持ち出したことでスパコンが熱暴走を起こしため事態は急転直下で窮地に陥り、
皆に責められた彼が頓珍漢な弁明を始め挙句カズマの在り方を否定しまいキレたカズマに殴られる。
この一連の流れは現代的な感覚に則った都市型生活と20世紀から続く田舎のライフスタイルのかち合いであり、
作中では話についていけない若者だと置いていかれている翔太が、健二やカズマに冷や水をぶっかけて反撃してくるシーンじゃないだろうか。
細田守が都市人として持つ自負と「田舎」というものの捉え方が色濃く表れたシーンであり、