J( 'ー`)し「ゆうちゃん、ビットコインってなんなん?詐欺が始まってるん?そもそも何が起こってるの?」
彡(゚)(゚)「せやな、ビットコインっていうのはな、お金って言われてるけど決してお金じゃないねん。言うなればシステムそのものなんや」
J( 'ー`)し「???どういうこと?」
彡(゚)(゚)「例えばマッマが持ってる万札あるやろ、それかて一万円って書いてあるだけで、ただの紙やんか。一万円として通用するんは、日本銀行と政府っていうシステムがあるからやろ?」
J( 'ー`)し「そしたらビットコインも、誰かが発行してるものなの?」
彡(゚)(゚)「そうとも言えるし、違うとも言えるな。まずパソコン同士が接続してるのがインターネット、これはわかるやんな?」
J( 'ー`)し「そうね。時々らばQとかで暇つぶししてるわ」
彡(゚)(゚)「ビットコインっていうのは、ただの数字やねん。インターネットで飛び交ってる数字。これが本質や。せやからわからへん人にとっては、ただの数字やな」
J( 'ー`)し「それじゃあヨドバシのポイントとかと同じかしら?あれもヨドバシ以外ではただの数字ね」
彡(゚)(゚)「ええとこついてるけど、ちょっとちゃうな。ヨドバシのポイントは、ヨドバシの本社のデータベースかなんかが管理しとるやろ。ということは、ヨドバシカメラの全店舗が突如核ミサイルで攻撃されたら消えてなくなるっちゅうこっちゃ」
J( 'ー`)し「酷いたとえだけどその通りね。ビットコインは消滅しないの?」
彡(゚)(゚)「ネット上を絶えず流れてるから、そのネットに繋がっている全部をぶっ壊さんと無理やな。全面核戦争になっても、一台か二台は生き残るやろ」
J( 'ー`)し「で、どうやって取引してるの?ビットコインはどこから来るの?」
彡(゚)(゚)「まあマッマ落ち着いてや。そうやな。例えばマッマがワイに五百円お小遣いくれるとするやろ?」
J( 'ー`)し「ゆうちゃんみたいな穀潰しにはビタ一文あげたくないんだけどね」
彡(゚)(゚)「キッツイな……。まあ例えや。五百円くれたら、ゆうに五百円あげましたっていうデータが、全世界に通知されるんや」
J( 'ー`)し「全世界に?」
J( 'ー`)し「ということは、ゆうちゃんが五百円持ってるっていうデータは、全世界の誰でもが知ってるわけね」
彡(゚)(゚)「知ってるっていうか、流れ続けるんや」
J( 'ー`)し「でもただの数字なんでしょう?五百円っていう数字を、ゆうちゃんが千円って書き換えても、パソコン上のデータだから、簡単でしょう?」
彡(゚)(゚)「鋭いなマッマ。せやけど、五百円というデータは、みんなが知ってるんや。ワイが千円って書き換えても、ビットコインに参加しているパソコンの半分以上が、違う、って言うたら、それは認められへんのや」
J( 'ー`)し「それってどういうこと?」
彡(゚)(゚)「つまり、ワイが五百円しか持ってないのを、千円と偽るためには、ビットコインに参加しているパソコンの半分を騙さないといかん、ちゅうわけや。一億人参加してたら、五千万人のパソコンを騙さなアカン。わずか五百円のためにそんなことするのは現実的やないやろ?仮に一億円って書き換えるにしても、ウソはバレバレやんか」
J( 'ー`)し「そうやって不正を防いでいるのね」
彡(゚)(゚)「そういうわけや」
J( 'ー`)し「じゃあ、私がゆうちゃんに五百円あげるとしても、私はどこからその五百円を手に入れるの?現実では私はパートで時給八百円で働いてもらっているけれど、インターネットはゆうちゃんみたいな穀潰しばっかりなんでしょう?」
彡(゚)(゚)「……二つほど方法があるけど、そのうちの簡単な方法はMt.Goxみたいな取引所にいくことやな。マッマがMt.Gox……いやもう潰れてしもたけど、とにかくそういう場所で、一ビットコイン欲しいですって言ったら、だいたい一万円ですとか言われて、現実のお金と交換するんや」
J( 'ー`)し「そうしたらMt.Goxのようなところから、私に一万円分のビットコインが譲渡されたという記録が残るのね」
彡(゚)(゚)「そういうことや。高卒やのに物わかりがええな」
彡(゚)(゚)「ま、まあ、ともかくや、もし一ビットコイン持ってたら、Mt.Goxに行って日本円にしてくださいって言うことも出来る。潰れてしもたけどな」
J( 'ー`)し「その最大の取引所が潰れて、大変なことになっているのね」
彡(゚)(゚)「そういうことやな」
J( 'ー`)し「でも、そうだとしたら、最初のビットコインはどこから出てくるの?例えば私のパートの時給は、スーパーに来たお客さんが、働いたお金で、その大本は会社が借りたお金で……最終的には日本銀行ってことになるんだろうけど、ビットコインは誰が発行してるの?」
彡(゚)(゚)「実はそこがやっかいなんや。ビットコインはそもそも、誰かが発行するもんやない。これが実はさっき言うたビットコインを手に入れる二つ目の方法や」
J( 'ー`)し「どういうこと?」
彡(゚)(゚)「ビットコインでの取引は、全世界に通知するって言うたやろ。でも、そのネットワークをきちんと維持しておかへんと、みんなが興味なくなってパソコンを閉じたら、そもそも流通せえへんわけや」
J( 'ー`)し「そうね。世界のみんながゆうちゃんみたいに仕事に興味なくなったら、全員引きこもってゲームするわね」
彡(゚)(゚)「そこでネットワークを維持してくれる人に、ビットコインをあげるっていうシステムになってるんや」
J( 'ー`)し「働いたらその分報酬がもらえるってこと?」
彡(゚)(゚)「そうや。けど、報酬は誰かからもらえるもんやないんや。働いてたら、沸いてくるんや」
J( 'ー`)し「沸いてくる?ゆうちゃんの部屋のゴミみたいに?」
彡(゚)(゚)「ち、違うわ。ホンマに沸いてくるんや。せやからこの作業のことを、『マイニング』つまり『採掘』って呼ぶんや。金鉱や炭鉱で働いたら、金や石炭が沸いてくるやろ?そういうことや」
J( 'ー`)し「なるほどね。ビットコインは、お金として交換できるだけでなく、頑張ったらもらえるという側面もあるのね。でもそれだと、パソコンを起動してるだけでガッポガッポ稼げないかしら?」
彡(゚)(゚)「そこは競争を取り入れてるんや。早いもん勝ちやねん。今一瞬マッマが思ったようなことは、金が掘り尽くされたカリフォルニアに行くようなもんや」
J( 'ー`)し「……」
彡(゚)(゚)「わ、悪い意味やないで。実際ビットコインを掘るのはどんどん難しくなってるんや。ビットコインそのものの上限も決まってるしな。せやから最近、ビットコインは高騰を続けてたんや」
J( 'ー`)し「パソコンで採掘するのが間に合わないから、現実のお金と交換しようとする人が増えて、ビットコインの希少性が上がったのね」
彡(゚)(゚)「そうなんや。けど、ビットコインそのものは数字やし、誰かが一ビットコインを何ドルと決めることもできへん。先物の数字みたいにして、額だけがつりあがっていってたんや」
J( 'ー`)し「バブルが起きたのね」
彡(゚)(゚)「せや。それで、最近バブルが崩壊し始めてて、ビットコインの価値は下がりつつあった。そこに来て、Mt.Goxが破綻してしもたんや」
J( 'ー`)し「直接の原因はなんなのかしら?」
彡(゚)(゚)「さあ、まだなんともいえへんけど、ビットコインが盗難されたって主張してるな」
J( 'ー`)し「あれ?さっきゆうちゃんは不正をしてもバレるって言ってなかったかしら?」
彡(゚)(゚)「そこがわからん所やな。ビットコインそのものに欠陥があったんか、これから調べられることやろ」
J( 'ー`)し「そう……ところでゆうちゃん、私のクレジットカード使った?」
彡(゚)(゚)「つ、使ってへんで」
J( 'ー`)し「我が家もビットコインみたいに多数決にしようかしら。お父さんを呼んで家族会議ね」
彡(゚)(゚)「待て!マッマ!誤解や!」