2024-05-29

虎に翼43回 父親のやったことの何がダメなのか

この回で、寅子の父親(直言)が告白した色々に娘の寅子が「は?」って顔して、最後はいい話で終わった。

直言がやったことの何がダメかわからない人もいそうだけど、パターナリズムからです。

パターナリズムとは、

権威ある人間の考え、行動が第三者のために決定し、その結果第三者アドバンテージを得るかもしれないが、人生自己決定責任を持てなくなる”

であり、親から子、帝国から植民地などへ主になされるもの

日本語では家父長制と訳されることが多いが、日本旧来の家制度を軸にした家父長制とは意味が異なる。

同じくペイトリアーキも家父長制と訳されるけど、こちらは、

「最年長の男性家族の長である社会。または、彼ら自身利益のために能力権力行使する男性によってコントロールされた社会ケンブリッジ辞書)」

なのでまた違う。

家父長制だから父親の行いというわけではなく、構造なので当然のように女性もその構造内で権力をふるいます

姑や中高年女性が、若い女性や息子の妻に「男性優位家父長制のわからせ」するのが家父長制構造です。


話を戻して、寅子の父親が「娘のために」いい結婚相手勝手に決めたり、配偶者の死を隠すのは、

娘の自己決定権を侵害し、人権を軽視し、所有物として扱う、してはならない行為

それが、「娘を可愛がってくれるいいお父さん、いつも優しい、味方の、弱いところもあるお父さんが良かれとおもってやってしまった、本人も反省している」であっても

ダメものダメで、

「お父さんだけが私の味方だった。ありがとうしかしそれはそれ、これはこれ。私に対する侮辱であり許せない。よくしてくれたことのバーターにはならない。これからの私にも娘の代にも誰にも絶対させない」というジャッジ批判必要だ。

日本ではお気持ち人情構造邪悪グロスで許して安いいい話にしてしまいがちで、NHKもそういう価値観迎合しているのだろうけど、

ダメものダメとやりすぎなくらいしっかり指摘していかねばならない。

NHKにそういうレベルバカにされているから、ああい報道をされているわけだし。

男性の弱さ愚かさゆえに女性子ども人権が踏まれるのを許していてはダメで、

社会構造的に男性権力勾配の上にいるので、愚かで弱いことはそれだけで悪なんですよ。

優三さんという「都合のいい男」の使い方にも問題がある。

必要なのは「何でも許して受け入れて応援してくれる都合のいい階級の低い優しい男(女)」ではなく、

都合が悪くても思考して個として敬意をもって互いに対話交渉ができる人間同士の関係から

弱さ愚かさを謝罪するのなら、責任を取ってさっさと妻や娘の無料衣食住マネジメントでもするべきで

「お父さん」の座でヨイショされながら謝っていい話にするのは全くもって違う。

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