自分も一話からリアルタイムで読んでいる。最新話である10話も読んだ。
一話当時、ツイッターで大きく話題になっていたことから読み始めたが、個人的に特に興味を惹かれたのはそのタイトルだった。
原罪とは原初の罪だ、聖書にあるアダムとイブが最初に犯した罪のこと。
食べてはいけないと言われていた知恵の実を蛇(もしくは大天使ルシファー)にそそのかされたイブが食べ、イブもまたアダムをそそのかし食べさせた。
これについて神は二人に問うたが、イブは「蛇が自分を騙して食べさせたのだ」と言い、アダムは「イブが自分を騙して食べさせたのだ」と言い、互いに自らの落ち度ではないと主張した。
神はそれに怒り、二人はエデンの園から追放され、以降イブの子孫である女は子を産む苦しみを、アダムの子孫は土に還る苦しみ、つまり死を与えららえた。
アダムとイブの子孫である人間は皆この原罪を背負って生まれてくるというもの。
(ここまでそれっぽく言っておいてなんだが別に自分はキリスト教を専攻していたとかではなく、漫画の延長で聖書をちょろっと読んだ程度のオタクなので何か違ったら本当にすまん)
そんな感じの認識をしている”原罪”という言葉がタイトルに入っていて、しかもその原罪をなんかかわいらしいキャラクターが持っているらしい。人間じゃないのに。
そりゃもうめちゃくちゃ気になった。「タコピーの原罪とは何なのだろう」と気になった。
1話~2話の段階では『無知である』ということが罪なのかと思った。
しずかちゃんがいじめられていることにも気づかず、無邪気に彼女へ一方的な施しを試みては拒絶される。
「パパはいない」という言葉を直球で受け取り、血の色も初めて見るらしい。
しずかちゃんが死んだその後タコピーは『自殺』を学んでいる。つまりこの世界でしずかちゃん以外から学ぶ手段があるハズなのだ。
でも多くを知ろうとしていない、それがタコピーの罪なのかと思っていた。
しかしその考えは4話から変わる、そうまりなちゃん殺害事件だ。
”殺人”、これは無知は罪であるとかそういうふわっとした概念ではなく、れっきとした罪だ。
聖書では最初に殺人を犯したのはアダムとイブの子供であるカインとされている。
被害者はカインの弟であるアベル。動機は嫉妬であるといえるだろう。
まりなちゃんを殺した時もおそらく殺意というものはなかったのだろう、ただ勇気を出した結果としてまりなちゃんが死んだだけだ。ここがカインの殺人とは違う点だろう。
殺人がない星で育ったからか、7話に至るまでタコピーは事の重大さをあまり理解していない。しずかちゃんや東くんと楽しく過ごせてニコニコしている。
7話にてまりなちゃん母の言葉を聞き、タコピーははじめて懺悔する。
そしてこれからのことを考え始める。このままでは良くないのではないかと、これは一話から一貫しているがタコピーの倫理観は殺人や自殺がない星育ちだった割にかなりちゃんとしている。
ここから10話までは東くんがメインの話が続くため、タコピーの罪について考える余地はあまりなかった。
実はここまで前置きである。
個人的にツイッターのタコピーの最新話(10話)への反応を見て思ったのだ。
「主犯はタコピー一匹」「タコピーがはじめた物語だろ責任とれ」
好きな女の子を守るためにあの時とった行動はそこまで責められることなのだろうか。
タコピーは確かに無知であった、人が傷つけば血がでることも、殴れば死にそれを殺人と表現することも知らなかった。
解釈の一つとして、原罪とは人に罪を擦り付ける行為…つまり責任転嫁だと云うこともできるが、タコピーは誰かに罪を擦り付けたりはしていない。
無知であることは…知恵の実を食べていなかったアダムとイブのことを考えるなら、それも原罪とはいえない気がしている。
この漫画は短期集中連載であるため、あと数話で完結することだろう。
その数話の中でタコピーの原罪が何であるのか明かされることはあるのだろうか。
しずかちゃんの自殺は、まりなちゃんのいじめから、まりなちゃんのいじめは、まりなちゃんの母親から。
そしてまりなちゃんの母親はしずかちゃんの母親から、しずかちゃんの母親は…まだ推測の域を出ないがもしかすると彼女もそういう性格になってしまったキッカケがあるのかもしれない。
こういった原因の連鎖を辿った果てにあるのが原罪ということなのだろうか。
一部の考察では、タコピーはもうハッピー星というエデンの園を追放された後であり既に原罪を持っている状態なのでは、というのも見かけた。
確かにハッピーフルーツの味を知っているあたりかなりそれっぽくは感じる。
だとするならタコピーは原罪だけでなくカインの罪もなぞっていることになる、すごい生物だ。
その考察が正しいのかどうか、今後明かされることがあるのだろうか。
今週の更新も楽しみだッピねぇ~