2021-01-28

コロナの影響で成人式が中止、延期になったという話をよく耳にしました。

 成人式というのは一生の中で一度しかない大切な式典です。本人はともかくその親御さんたちも、自分の愛する子供が晴れて成人となる日に、これまでの成長を噛み締め、凛々しいスーツ姿や華麗な振袖姿に、目に涙を浮かべるでしょう。

 成人式に限らず、去年、今年はコロナによって多くのイベント行事が中止になりました。その中には再開催可能イベントもありますが、成人式のようなイベントは、その年に参加するから意味を持ちますたまたまコロナという不運に見舞われ、普通なら開催するはずだった行事に参加できない人たちのために、なにかできないだろうかという想いから、今回「バーチャル成人式」を開催いたしました。

緊張感をバーチャル

 バーチャル空間でのイベントの多くは、エンターテイメント性が高く、またお祭りのようなもののため、楽しいが緊張感のないものになることが多いです。

 成人式は、区長様の挨拶からまり、緊張感のある中、式典が進んでいきますバーチャル空間におけるイベント醍醐味は、バーチャルならではの「はちゃめちゃ感」が割合として大きくしめますが、そのはちゃめちゃ感を残しつつ、同時に、緊張感のあるイベントが開けないか、ということを考え進めておりました。

 法律ルールのないバーチャル空間からこそ、緊張感をあえて作る。

 バーチャル成人式は、主催者WekENDの挨拶に始まり来賓者の祝辞バーチャル新成人言葉など、それぞれが真面目なスピーチを壇上で決められた時間の中行い、無秩序さの中に規律というものを組み込んだ新しいイベントとして成功いたしました。また、司会進行に声優を起用したこと効果的でした。趣味で開いてるイベントとしてではなく、プロがしっかり準備して運営したイベントとして、参加者の態度が他のイベントと比べより真面目だった点も、我々バーチャル成人式の特徴と言えるでしょう。

 全員がそれぞれ好きなアバターで、自由に離着席もできれば、飽きたらログアウトできてしま空間で、スピーチの間は誰1人として会話をせずに、登壇者に耳を傾け、「起立、礼、着席」もバーチャル空間で行う。最後までログアウトする人は、1人もいませんでした。

 ルールのない自由空間に、あえて制限をかけ緊張感を作ることで、イベント全体を引き締め、より強力に参加者記憶に残るイベントとして理想バーチャル成人式主催できました。

 式が終わったあとの交流会では、

「このような取り組みは素晴らしいと思います

 という声も聞くことができ、バーチャル成人式を開いた意義を再確認できたことも印象的です。

 終わったあとの雑談会は、2時間以上も続き、それだけ初対面の人たちが、他の人たちと障壁なくコミュニケーションが取れる理由として、共通の貴重な体験をしたということが挙げられるでしょう。イベント体験を踏まえ、

「私も、こういうことしてみたいんですよね」

 という意見を救いあげることができ、今後WekENDはよりクリエーターにとっての場の提供としても機能していきそうです。

バーチャルで作る新しい生活の形

 バーチャル成人式を行った理由は、成人式に参加できなかった人たちのためのだけでなく、社会に対してもメッセージを発信するところにもありますバーチャルリアル対立して存在するものではなく、バーチャル世界は、「リアル」の世界として存在しているということ。その中で、バーチャル空間リアル空間拡張している感覚に近いです。VRAR的概念とも言い換えれるでしょう。

 リアルで行えないことを今回のようにバーチャルで行い、それをリアル体験として強力に記憶に残るものにする。またバーチャルで作り出せない熱狂リアルバーチャル拡張する。そのように「リアル」と「バーチャル」が別のものではなく、隣り合わせたものとして存在しているんだ、ということをもっと世に、社会に示していくその一歩として、バーチャル成人式は大きな足跡を残したと思います

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