2020-07-15

同人誌古本屋に売られていて筆を折った

自分同人誌古本屋(駿●屋やま●だらけ、らし●ばんとか)に売られていて、ついに筆を折った。

もうかれこれ5年程同人活動をしている。

この5年間で1年に3〜4冊ペースでイベントにあわせ同人誌を出して来た。ありがたいことに徐々にたくさんの人に手に取ってもらえるようになり、同人誌を読んでもらったり、本の感想をもらったりするのがとても嬉しかった。


自分自身が地方に住んでいることもあり、先述した古本屋出会うこともなく、欲しい同人誌は会場か作者指定通販でのみの購入だった。奥付部分に「転売転載禁止」と書いてある本がほとんどで、その通りにすることがマナーであると思い(法的拘束力の有無にかかわらず)守ってきた。


自分同人活動をするようになって、徐々に回数を重ねるごとにフォロワーが増え、頒布物を手に取ってくれる人が増えた。自分自身も奥付に「転売転載禁止」の文言を入れた。(本当はもっと長い)




●1度目の発見

同人活動を始めて、一年くらい経った時に初めて自分の本が売られていることを知った。某古本屋サイト自分作品のページがあった。ご丁寧に買取価格まで書いてあった。

なんとも言えない嫌な気持ちになった。

初めて描いた本だったのもあって、当初は「自分の本が心の深くまで響かなかったのかな」とか「構成も絵も何もかもが下手だもんな」とか、そう思ってなんとか自分を納得させた。「一生懸命、描いた本だったのにな」と、もう必要のないもののように扱われているような気がして、ぐるぐると私の頭の中を巡った。




●2度目の発見

同人活動を始めて3年目。フォロワーAと通話中にたまたまAが「自分の本が売られている」という話をし始めた。Aにとって初めてのことだったらしく、すごく微妙空気が流れた。

Aは「まだ在庫もある上に自分頒布額よりも高く売られている」と言っていた。「どうして売るんだろうね…」としばらく落ち込んだ後、Aはすぐに自分の本のページを削除してもらえないか古本屋に問い合わせた。

1ヶ月後くらいに古本屋から連絡が来た。

結果はNOだった。譲渡権の消尽というものがあり、購入者自由処分する権利があるらしい。(間違ってたらすみません)

Aは「法的拘束力がないのだったら、手に取ってくれた方の良識を信じるしかないのかな」と納得はしていないものの、それ以上の抗議はしなかった。

しかしそれ以来、Aは本を出すことは無くなり絵を描く頻度も極端に減った。

自分たちの努力の塊が、時には赤字を切って作った同人誌が、場合によっては自分達の頒布額よりも高い値段で他人生活費の足しに、等の理由で売られているのかと思うと急に創作意欲が湧いても本にする気力は起きなくなってしまったらしい。

それ以来Aは、身内だけの鍵垢で絵を描いては投下するようになった。




●3回目の発見、筆を折る

5年間ずっと同じジャンルにハマっていたのもあり、自分でも集大成と言えるような本ができた。

今できる最高の同人誌だと自分でも納得できるし、どこに出しても恥ずかしくないと思えた。

原稿途中は初めて挑むページ数にへこたれそうになったけれど、それでも通話アプリを駆使して仲間と励まし合い創作に励んだ。

当日は調子に乗ってちょっと厚いペーパー本なんか作っちゃって、フォロワー同士の差し入れほとんど栄養ドリンクホットアイマスクだった。

過去最高の出来の同人誌は、ありがたいことに本当にたくさんの人の手に取ってもらえた。

まだまだ描きたいものもたくさんあるから次のイベントを参加する意向も伝えたりした。


その後、本が売られた。

なんとも言えない感情だった。

今回の奥付には「処分の際は転売はしないで」とお気持ちだけ添えた。

しかし売られていた。

もう何も湧かなかった。

通話アプリを通してフォロワー自分同人誌が売られていたことを伝えた。

その通話アプリは繋がっていれば自由に出入りできる部屋というのがあり、通話アプリで繋がった絵描きや字書きではない人も入ってこれた。

しばらく話していると、1人の方が入室して事の顛末を聞き「●●だったらわたしもよく売りに行きますよ〜」と言った。

理由を聞くと、処分するのには手間がかかるが売れば多少なりともお金になるからと答えた。

ついでに「まあ、値段つかない本もありますけれど(笑)まとめて10円とかもあるんですよ。」とも。

その後通話は終わり、途中入室した方の言葉が気になった。(途中入室した方は字書きでも絵描きでもない)

多分これが素直な反応なんだろうな、とも思った。

同時に創作している人全てを馬鹿にしているようにも感じた。私たちの出している同人誌印税が入るわけでもないし(当たり前だけれど)、収支がトントンになるように、時には交通費宿泊費諸々含めて赤字になってしまうけれど、手に取ってもらいやすいようにと価格設定をしているのに。

(値段を上げたら叩かれているひともこれまで見てきた)

創作していない人からすれば同人誌は会場や通販で買い、売ればキャッシュバックされるもの

そう思った途端に「もういいや」という気持ちになりアカウントを消した。

幸い創作者同士が集まっている鍵垢があったので、たまにそこに絵をあげるくらいになった。




多分もう2度と同人誌は出さない。

感想をもらうことも、手を取ってもらうことも、もちろん原稿の途中だって本当に楽しかったし、嬉しかった。

これからは、一緒に楽しんで絵を描いて、字を書いてくれる人と心穏やかに楽しみたいと思う。

  • ゴミと一緒に捨てるのはいいけど他の欲しい人に届くように手放すのはダメってどういう心理

  • 転売っていうとオクとかメルカリとかで高額販売するイメージだったわ 中古同人買い取りの店とは別でさ そこで売る時って基本持ち込んだ人が現地で買った買値より店での売値の方が安...

    • むしろ自分の出した同人誌だと、部数多くないから処分して貴重な1部を世界から消してしまうのなら市場に回してほしいって思ってしまうな・・・ その上で、高額転売の対象になると...

  • うんこピラミッドパワー    💩   💩💩💩 💩💩💩💩💩

  • 他人に売ったりあげたりしたものの扱いについて文句言う人ってさ 他人の所有権ってもんを考えてないよね 他人の所有物まで自分の思い通りしないと気が済まないって病気だよ

  • 最初に答え出てるじゃん。本を売ること自体に法的な拘束力がないんだろ? なら、誰かしら売るに決まってるじゃん。 コロナの自粛のお願いで都民全員が自粛しているか? むしろ買っ...

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