2020-01-09

ファイトクラブを見た。いろいろ突き刺さる所がある映画だ。内容も、画も古臭さを感じさせない。

やはり暴力セックスというものは、いつの時代においても色褪せないテーマなのだろう。

現代北斗の拳を見た時のような、むしろ新しいものを感じる。しか安易陳腐になりがちなテーマでもあるが、

男の性という観点から見た、大量消費社会への批判という切り口で、単純な暴力セックスの話で終わらない事に魅力がある。

「俺たちは広告を見せられて、欲しくないものを買い、買った物に奴隷にさせられる。外に出て闘え」

映画の中のフレーズだ。

20年前の映画だ。正直、『大量消費社会への批判』という切り口は古くさすぎて陳腐でもある。

10年前の受験期の評論でよく見たテーマでもあるが(今でもそうか?)

今の時代は寧ろ、精神的なもののつながりを大切にする社会になってる感じはある。

若者古着屋で服を買い、それぞれのオシャレを楽しみ、車やバイクなんて必要のないものは買わない。

キャンプを好み、自然を愛し、ゲームをするにしても人とのつながりを重視する。平和主義で、アニメドラマ等の芸術を愛し、しかし引きこもらず、

現実にもしっかり還元する。見えるモノより、見えない人とのつながりや精神的成長を大切にする。批判されていたことを着実に解決した、さながら僧侶である

正直言うと、この状態には裏がある。その理由は二つだ。一つ目は、よく言われる「若者は金を持っていない」という事。

そして二つ目は「親が金を持っている」という事である

現代若者の多くは、中流階級に育てられている。金がないと言っても、実家に帰れば飯は食えるし、車も借りる事もできる。

先ほど僧侶と言ったがまさにそうだ。安定した生活基盤を持ちつつ、毎日平穏に生きる事が出来る。

大量消費社会真っただ中の世代は、実家に行っても車はないし、服も無い。兎に角欠乏していた世代だったので、大量消費をせざるを得なかった世代なのだ

若者は金を持ってなく」「親も持ってない」のがデフォルトだった。そこに付け込まれ広告を見せられ、欲しくないものを買っていた。

「俺たちは広告を見せられて、欲しくないものを買い、買ったもの奴隷にさせられる」

これが正しいなら、現代はどうであろうか。幾分親の世代には失礼だし、恵まれているのに傲慢だとは思うが、「買ったもの奴隷にさせられている」のが今の世代だと思う。

親が金を持ち、子供はその手綱の中で夢を追いかけるよう調教されている。親の持つ車の行ける範囲で動き、親の買ってくれたスマホソシャゲをし、インスタをみて、

広告欄の隅っこに表示される大して欲しくないものamazon楽天で買い、

スマホの中で夢を語る、大して面白くないyoutuber動画を見て笑い、アプリを使って出会い結婚する。

世間に出回る映画20,30年前の続編。ポリコレまみれの子供向けに進化して、大して面白くないのに以前買ったからという理由で、有難がって見る。

ネットで見た病名を精神科に買いに行き、医者に言われたように生きる。

現代の闇は、大量消費社会の先にあった「物」への隷属だ。

権力者が語る夢は本物か。本当に自分が欲しいものは何なのか。目の前にあることが本当にやりたいことなのか。

芸術も、人の生き方も、何かの模倣とはよく言われるけれど、本当にそうなのだろうか。

まれる前から自分プログラムされた本能はあるんじゃないか

  • ミリオンダラー・ベイビーを見たわ。 あと少しで女性世界王者のところ、相手の不意打ちで脳天打って寝たきり→死亡

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