2018-10-26

デリヘル嬢と客との間に、恋愛は成立し得るのか?

客と付き合うとか、ないわー

デリヘル嬢の先輩と雑談していると、何かのきっかけで、客との交際の話になった。

先輩は、そんな言い方で、客との交際を強く否定していた。

その後、いつのまにか、先輩は、お店に顔を見せなくなった。

給料のことでオーナーと衝突したとか、男性従業員と付き合い始めて辞めさせられたとか、色んな噂が流れたが、真相は分からないままだった。

願わくば、何が真相だろうと、幸運ラック)に満ちた人生を送ってほしい。

私がそのお客さんに初めて会ったのは、先輩がいなくなった頃のことだった。

ヒゲがよく似合う、爽やかで優しい顔。

デリヘルを利用するのは初めてらしく、とても緊張していた。

今にも顔から火が出そうで、こっちまでドキドキしてしまう。

多くの他のお客さんと同じく、私よりは年上だったけど、不安でぎこちない様子は、どこか可愛くもあった。

いつも以上に気を使って、サービスをした。

これは、オーナー受け売りだけど、デリヘル嬢の仕事は、将棋に似ている。

攻めるべき時があれば、受けに徹するべき時もある。

同じ相手だとしても、ただひとつとして同じ対局はない。

結果も大切だが、そこに至るプロセス相手へのリスペクト重要である

私は、将棋に疎いので、オーナーの話はよく分からないけど、そんな感じだ。

そのお客さんとは、良い「対局」ができたと思う。

お客さんは、比較的早く、たっした。

どうやら、バックを気に入ってもらえたらしい。

お客さんは、それ以来、定期的に私を呼んでくれるようになった。

モノ扱いされることも多いけれど、そのお客さんは、そんなことは絶対しなかった。

いつだって、私のことを褒めてくれて、私の話をじっくりと聞いてくれる。

聞き上手なので、ついつい色んな話をしてしまう。

普段なら、絶対しないような話だ。

さらず、地道に、自営業の店を自転車操業で切り盛りしていたお母さんのこと。

つやめいた近所のお姉さんに憧れて、目を輝かせていた幼い頃のこと。

手っ取り早く、いじめや当てこすりを避けようと、クラスメイト距離を置きがちだった中高時代

リア充友達の、下半身事情が派手なのに憧れ、空回りしていた大学時代

キドキしながらお店に体験入店して、いつのまにか擦れてしまった、近頃のこと。

お客さんの話も、たくさん聞いた。

営業職のタマゴだった頃からベテランになるまでの話。

今ハマってるというヤクザゲームの話。

そして、コイの話。

いつしか、私は、そのお客さんに会うのが楽しみになっていった。

プライベートでも連絡を取りたかったけれど、連絡先の交換はお店のルール違反だ。

私は、呼んでもらえるのをただ待つことしかできなかった。

首を長くして待ってるのが私の方なのは、なんだか普通とは正反対で、不思議な気がした。

そんな日常がずっと続けば良かったのだが、そうもいかなかった。

あるトラブルで、私は、お店を辞めることになったのだ。

例のお客さんに会うのはこれが最後になるだろうという日。

お店を辞めることを、お客さんに伝えた。

みるみる悲しそうな顔になっていった。

そんな顔を見たのは初めてだった。

その瞳が潤んでいるのを見ていると、私まで悲しくなってしまう。

これまでの色々な思い出が、頭をよぎった。

このお客さんと、もう二度と会えないなんて……。

前日までは、覚悟を決めていたはずなのに、顔を見ると、心が揺らいだ。

私は、つい、こう言ってしまった。

連絡先、交換しようよ、と。

勢いで、食事にも誘ってしまう。

ありがとう、と言いながら泣きじゃくるお客さんを見て、胸が締め付けられるような感じがした。

デリヘル嬢と客との間に、恋愛は成立し得るか?

それが、女性同士の場合はどうか?

デリヘル嬢が、「飛車竜王」に勤める自動車で、客がドラゴン場合はどうか?

私はまだ、この問いに対して、答えることができない。

私はまだ、彼女に対するこの感情に、名前を付けられていないのだから

  • 口ヒゲって

  • ごめんなさい。なんか意味が分からなかった

  • こういうのね、勉強になる 地味に気になってたんだよ 性産業の女性は、もし客を好きになってしまったらどうするんだろうって

  • デリヘル嬢の友達、歴代の彼氏はお店の元お客さんだったわ。 細かいこと気にしない気にしない。

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