時代が進むにつれて、オタク的なコンテンツが一般社会で肯定的に扱われることが増えてきている。
往年の電車男、最近では紅白などのNHKや各種民放、芸能人ならGacktにTMRに小林幸子に叶姉妹、萌えマスコットに萌えおこし、最大手なのがクールジャパン。
ああいうのに対して、いい顔をしないオタクもいるじゃないですか。
見ててイタ恥ずかしいからやめろとか、石の裏の虫を太陽にさらすなとか、リア充が流入してほしくないとか。
私としては、その中でも「オタクに媚びやがって」、って反感が強い。
でも考えてみれば、媚びられて何が悪いのか。
あんまりにも持ち上げられるといつかハシゴ外された時がキツい、というリスクはあるものの、ある程度までなら、オタクが世の中に受け入れられて地位が向上するのは、オタクが生きやすくなることに繋がる。
「地位が上がらなくたっていい、そっとしておいてくれれば」なんて言う人もいるけど、その「そっとしておいてもらう」ためにも一定の地位が必要なんだよ。そうじゃないと叩かれる。
たとえビジネスに利用されてるだけだとしても、利用価値があると思われてる方がオタに一定の配慮をしてもらえるようになるわけで、隠遁オタクでも生きやすくなる。(今はまだまだだが今後に期待)
金も回ってきやすくなるしコンテンツも更に充実する。(今はまだまだだが今後に期待)
……っていう、オタクが社会に受け入れられるのは双方にとってwin-winだって理屈はわかるけど、やっぱムカつくんすよ。
なんでかってのを言語化すると、一般社会がオタクに歩み寄ってこようというなら、その前にこれまでオタクを馬鹿にして叩いてきた過去を、非オタ全員がキッチリガッチリ謝罪して清算してほしいわけ。
オタクにも実利があるでしょ、ってんでなあなあで仲直りさせられるのは大変腹が立つ。侮辱の追い打ちだとすら感じる。
人は実利がなけりゃ動かないけれど、実利だけで感情的わだかまりを解決することもできないんだよ。
たとえばなにか事件被害を受けた時に慰謝料払われたとして、「払いたくねえなあ~、しゃあねえなあ、この守銭奴がよ」って態度で払われたら許せないでしょ。
誠心誠意の土下座と共に払えと。加害者全員ゲザれと。その上で払うもん払えと。そしたら和解してもいいよと。
はあ~、でも一般社会が全員でしっかりごめんなさいすることなんて未来永劫ないんだろうなあ~。
「一般社会」というのが捉えどころがないものだってのを差し引いても、大きな集団がみんな謝るなんてありえない。
もしかしたら、オタクバッシング報道をしてきたテレビ局の偉い人、政府や自治体の偉い人、みたいな代表者が反省の弁を述べることはありえなくもない。
でもその周囲とか下部には「上の人は頭下げてるけど自分は悪いと思ってないんで、オタクなんて有害なんで」って雰囲気を出す奴が絶対いるだろう。
そんなんじゃこちとらちっとも許せませんよ。頭下げてる人の隣でお尻ぺんぺんされてるんだから。
だから、今、私のような一般社会からオタクに対する歩み寄りに反感を持ってる人の一定割合は、その悪感情をずっと抱き続けるはずだ。
我々が死に絶えるころには、もうオタクは一般社会に対する恨みなんて持ってないのかもしれないけど。
或いは、若いオタクに一般社会からの迫害の歴史を語り継ぐことで、恨みの遺産を残すことができるかもしれない。
まあとりあえず私は一般社会からもらえるもんはもらうけど謝られない限りは舌打ちをし続けていきます。