痴漢関連の記事を見てうっかりフラッシュバックして涙が止まらなくなったので吐きに来た。
大丈夫なつもりでも駄目なもんだと実感した。経験のある人にはフラッシュバックを引き起こすかもしれないので、以下の内容は読まないように気をつけて。
初めてディズニーランドに行った日のことだったからとても鮮明に記憶している。
電車に乗っていた。朝で混雑していて、乗り換え駅で家族の後を追って電車を降りようとした時、後ろから尻を鷲掴みにされた。
お出かけだからって真新しいジーパン履いてて、かなりの力で掴まれた尻に当たる布地が硬かったことまで20年以上経った今も覚えている。
頭が真っ白になっている間に何度か揉まれた。振り向いたのはホームに降りてからで、その時には降りてくる多数の客に紛れて犯人が誰だったかなんて分からなかった。
親を追いかけて必死で走って行って、その後はもうひたすら怖くて乗り換えた電車では親の脚にしがみついていた。
折角のディズニーランドなのに、到着前に電車酔いして吐いた話は家族の笑い話になってるけど、気分が悪くなったのは電車酔いのせいだけじゃなかった。
友達にいくら誘われても断り続けてたけど、車で連れてってもらったら思ったより平気だった。
道を歩いてて後ろから来た男に抱きつかれたことも、露出されたことも、本屋で立ち読みしてて尻を触られたことも、電車の中で何度となく遭遇した痴漢も、その他いろいろも記憶として存在してるけど、鮮明過ぎてキツイのは上に書いた人生初めての痴漢と、二十代になってからのものだ。
大学生の頃、自転車で帰宅途中、自宅まであと一分の所で後ろから来た原チャの男(フルフェイスだったので確信はないが、そう思っている)が強引に寄せてきて、私は自転車にまたがったまま道脇の家の壁に押し付けられる形になった。腿を掴まれ、さすられ、股間をまさぐられた。
やめてくださいと声は上げた。聞いてる人はいなかった。
腕を精一杯突いたが離れてくれず、壁と自転車の間に挟まれた片足が痛かった。
しばらく触られたが、もう一度やめてくださいと声をあげて手を押しのけ、肩のあたりを押すとやっと離れた。
走り去る原チャのナンバープレートは上からガムテープが貼られていて番号が見えなかった。車体の色や何か文字が書いてあるのを必死に見ようとした。
家に駆け込み、玄関先で泣きじゃくって怖かったと訴えると事態を把握した家族が警察を呼んでくれた。
警察は割とすぐに来てくれて、どこでどうされたとかの話をした。家の目と鼻の先での事だったので、声出した?家族呼ぶとかした?と聞かれた。
声は出したが、数件先の自宅に届くような大声ではなかったと言うと、それじゃ駄目だと言われた。
中年の男性警官と二人きりでパトカーの中で質問されることが怖くて仕方なかった。
警官は二人いて、一人はパトカーで私と話をして、もう一人は外で写真を撮っていた。二人ともパトカーに居たらもっと怖かったか、それとも逆に安心できたかはわからない。
まず最初に本当にそういう被害にあったのね?という確認から始まり、嘘ついてると思われてるのかと愕然としながら、覚えてる限りのことを喋った。
原チャの特徴や相手の服装、ナンバーを隠していたことも言った。
他に目撃者いないのにナンバーわかんないんじゃ捕まえらんないよと即座に言われた。
そのあたりでまた泣き出してしまって、とても迷惑そうな顔をされ、泣きながら謝り続けた。
パトカーを降りてもう一度現場を確認しながら警官はまた捕まらないだろうねと言った。
駄目ですかと尋ねると、物を盗まれたわけじゃないのと、ナンバーわかんないんじゃまず無理だからと返された。
無力感と絶望感で警察なんか呼ぶんじゃなかった恥かいただけだったと後悔に襲われて、警官が帰った後で母に抱きついてまた泣いた。父はひったくりじゃなくて良かった、犬に噛まれたと思って忘れなさいと言っていた。
たぶん私は軽い男性不信になったのだと思う。
後ろから近づいてくる気配が異常に怖くて足音が聞こえたりエンジン音がすると何度も振り返ってしまう。あと、昔から仲良くしている男友達以外の男性と二人きりで密閉空間に居るのが耐えられなくなってしまった。
エレベーターで知らない男性と二人きりになると威圧感のようなものを感じて息が止まってしまう。高層階に行くときだと酸欠になる。
不思議なことに男性が複数人いる場合はさほど気にならない。電車も普通に乗れる。
確かに書類上の被害は何も無いに等しいんだろうけど、数年経ったいまも涙が出てくる程度には辛い。
このトラウマを面と向かって話すことができ、聞いて理解してくれる男性なんているのかなと思う。
いてほしいし、そういう人と会えればと思うけど、匿名で書くのにもフェイク入れないと怖くて書けないし、べそべそ泣いてるしで、難しいだろうなあ。