2011-07-26

生の実感

今日、親から連絡が入った。もう限界らしい。

内容は聞いてないが、間違い無いだろう。父と母から連絡が入っているのだから間違いない。

しかし、仕事は決まらない。

大学を辞めた。

借金けが残った。

価値がない。

最善手が死ぬことだというのは明明白白だ。

しか死ねない。

が、家は出るべきだ。

ホームレス

日本においては日陰にいて人目についてはならない存在であり、新たな被差別部落民だ。

僕はそうなる。


思えば、受け身ばかりの人生だった。

何も創造的なことができず、インプットができてもアウトプットは乏しく、応用が利かず、不器用で、屑だった。

MARCH未満大東亜帝国以上の大学に進学したものの、就活に負けて意欲が減退し、卒論も書く手が止まりそれから一年天井を見ていた。

改善されるわけがなく、声とも似つかぬ音波で大学中退する旨を教授に申告する。教授は僕に期待していたのか、それともただの世辞なのか、今でもよく分からない。

よく褒められた。嬉しかった。でも、一度期待に応えることができなかったそれだけで息苦しくなり、死にたくなる。

もう教授最後の会話すら覚えていない。たった半年前なのに。


しかしたら、祖母に何かあったのかもしれない。

足を骨折してリハビリしていると聞く。震災以降、里帰りさえしていない。ましてや、祖母に顔を見せることなど、しようはずもない。

老齢の人が骨折すると、認知症を起こしがちらしい。

しかしたら、もしかするのかもしれない。

少し、胸が透く。

不快だ。祖母に何かあったと決め付けることで、自分を免責しようとしている。

ここまで堕落たか

ともあれ、頭の隅には入れておいていいだろう。


どのみち、屑なのだ。

出せる卒論も出さず、5年を無為に過ごした人間に、社会参与する資格はない。

企業人間だって、そんなクズを雇いたいとは思うわけがないだろう。

救いがたい。

免許も持っていない。癲癇なのだからこれはいいことだとは思っているが。

思っているが、それは重荷でしかない。

資格もない、取る気もしない、価値もない、生み出す気もない。


仕事に貴賎はないという。しかし、貴賎はないというが、あるだろう。

選り好みしてられる環境ではないし、選り好みしたっていいという意見もわかるが、許さないだろう、すべてが。

理想論が叶うなら、こんなところに身を窶してなどいない。

選別される覚悟で、選別しなければならない。

たとえ、ナチズムと言われようと。

しかし、私には選別する権限も、地位もない。

私は常に選別される。

私は選別された結果に、身をまかせるしかない。

それが、今の結果としての環境

あらゆる汚泥隠蔽し、露出を拒むその環境

その汚泥に埋伏するのが、私の結果。


埋もれる前に、生きた証を残せはしまいか

何も殺人をしようというわけではない。

しかし、私が生きていたという厳然たる事実を、残せはしまいか

石に名を刻むか。電磁位相投影させるか。

何か、ポジティブに、何かを残して笑って死ねる、そんな場はないか

しかし、一度踏み違えてはならない。

見方次第で、それは殺人と地続きだ。

モラルで留めよ。理性で留めよ。道徳は思想遺産。


親と連絡がつかない。

電話をかけても、連絡がつかない。

消える。親とのつながりから、私の記憶から世界から、私が消える。

虫っ子ひとつをたやすく殺す人間が、死に際に卑しく這いずり回る。

お前は蟻だ。

小学校の帰り道、何度踏みつけても死なずに逃げまわり、つま先に力を入れて踏めば軽く死ぬと学び、私が踏みつぶしてきた蟻だ。

お前は私だ、例外はない。


迷惑にかからず死ぬすべはない。すべては連鎖の只中に。

それは生きろという意味ではない。俺の見えないところで死ね、という率直な表現である

すなわち、死にたいならば、ホームレスのように死なねばならぬ。

鉄塊に投身などあってはならない。

そのような死の露出、生の証拠など、残してはならない。

酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出すよう、連続的に、無自覚かつ無意識に為されなければならない。

それが生死の狭間にあるべき姿なのだ。

死を知覚させてはならない。視圏に死を漂わせてはならない。


私は死ぬ。

お前も死ぬ。

苦しみ、安らかに、消え去よ。

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