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2023-01-11

男女共同参画基本計画関係予算の思い出

はじめに

Colabo関係の盛り上がりもあり、男女共同参画関係予算9兆円が多すぎではないかとの指摘があります

これに対し、以下のように反論されています

内閣府男女共同参画局が、この単位独立した予算を計上しているというわけではない。

(略)

拡散している情報について、同局の担当者は、BuzzFeed News取材に「誤解、勘違いされている部分があるかもしれない」と指摘した上で、こう説明した。

「8兆円、9兆円と言われている数字男女共同参画局単体の予算ということではなく、全省庁のいろいろな施策ピックアップして集計しているものになります児童手当や介護など、社会保障のために使われている予算も大きく、防衛予算のようなものとは違う性質です」

https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/about-danjo-yosan

どちらが正しいのでしょうか。

総理府男女共同参画から内閣府男女共同参画局(以下「男女局」)に改組され(確か2000年度かな?)、それから少し立った頃の思い出話を記録しておこうと思います

内閣府との折衝

当時、某中央省庁課長補佐をしていた私に内閣府の男女局からメールが届いた。

曰く、「各省庁にまたがる男女共同参画関係する予算について、当方(男女局側)で取りまとめ、一覧表を作成したので誤り等ないか確認いただきたい。」とのことである

どれどれと思って表を確認したところ、私の担当する○○○費が含まれていた。

私は男女局に「本予算男女共同参画目的としたものではないので表から外していただきたい。」と連絡した。以下やり取りである

男女局「男女共同参画目的としたものではないが、結果的にそれに資すものと考えているので削除はできない。」

現在は「男女共同参画社会形成効果を及ぼす施策事業」と呼称しているようですね。)

当方性別を問わず実施する行政サービスであり、特段男女共同参画に資すとも考えていない。」

男女局「不利な立場に置かれがち・家庭に縛り付けられがちな女性の方が相対的受益する可能性が高いため、男女共同参画資するものである。」

当方「それを言うとほとんど関係の無いものまですべて対象になるではないか妥当とは考えられない。」

男女局「いずれにしても本表の作成責任当局にあり、金額等に誤りの無い場合原案通りとさせていただく(霞が関用語でいう【通告ベース】。)。当然、施策の内容にまで男女局は容喙しない。」

男女局に押しきられた形だが、原局(当方のこと)が反対した理由は、「一旦表に載ってしまうと、今後施策の中で微調整する際に『男女共同参画視点を入れろ!』などと要求される可能性が高い」と感じていたからだ(小役人的なことをいうと、こういったものに取り上げられると単純に業務量が増える可能性が高いです。それが施策の中で役に立つなら歓迎しますが、役に立たないものは嫌ですね。)。

その後の推移

案の定政治家マスコミ活動家等々フェミニズムジェンダー男女共同参画に強い関心のある方々(オブラートからは次のような働きかけがあった。

男女共同参画資する予算と整理されているのだから

・新たな計画策定の際には男女共同参画視点を入れるべきである

・新たな事業実施したり、予算を獲得する際には特に女性視点を重視するべきである

・○○○費は政府によって男女共同参画資すると整理されている以上、これは正当な問題提起である。受け入れられない場合には国会マスコミデモ)で取り上げさせていただく。

内閣府男女局も政府内であり、基本的政府は守ってくれない中でこういった声に抗することは極めて難しい。

本表に取り上げらた他省庁や他部局担当者に聞いたところ、どこも似たり寄ったりで要求を飲まざるを得なくなったところもあるようだった。

まとめ

男女共同参画基本計画関係予算には社会保障関連費用など様々なものが含まれており、9兆円というのは、過大評価であることに間違いありません。

しかし、幅広い予算男女共同参画に関連するとしてを勢力拡大を行ってきたのは他ならぬ男女共同参画に関心のある側ではないかと考えています。(男女局と共謀しているのか、これを奇貨としたのかは分かりません。)

・したがって、それを理由批判されるのもある程度自業自得と言えるのではないでしょうか。

余談

同時期、知人が内閣府男女局でDV対策担当になった際に次のような議論したことを覚えています

私「DV対策根拠法の前文にわざわざ主に女性問題(※1)って書いとるの変(※2)やん。広く一般向けの法律やろ?」

知人「そら議員立法から無茶した(※3)んとちゃう?閣法なら通らんのちゃうかな。法制局通してくれんやろ。」

(※1)

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(いわゆるDV防止法)

前文

(略)

配偶者から暴力被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者暴力を加えることは、個人尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている

(略)

(※2)

女性だけを対象にしている法律ならともかく、男女関係なく対象にしている法律なら書くべきではないのでは、という趣旨です。

例えばサービス受給者女性が多いからと言って介護保険法に「本サービス受給者の多くは女性」とは書かないし、犯罪者・被収容者の多くが男性からといって刑法刑事収容施設法に「被収容者の多くは男性」とは書かないということです。

(※3)

議員立法も閣法も効果はもちろん同じですが、立法技術的に役人の受け止め方は異なります

議員立法議員提出法案

国会議員が各議院法制局の補佐のもとで法案を作り、国会に提出する方式

技術的には、既存法律との整合性比較重要視されず、原則として内閣法制局審査での先例とされない

議員が主導するものもあれば、様々な理由政治的技術的等)で閣法とできなかったものもある

閣法(内閣提出法案

○各省庁で原案を作り、内閣法制局審査閣議決定を経て国会に提出する方式

技術的には厳密に審査されるため内閣法制局審査での先例となる

○各省庁で原案を作るといっても各省庁のみで独自立案することはまずなく、様々な政治家団体等の働きかけによるものが多い

おわりに

まぁ全部妄想なんですけどね

 
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