2020-02-19

DDLCをプレイした

数年前に話題になったDoki Doki Literature Club!(DDLC)を今更ながらプレイした.と言っても最後までクリアしたわけではないが.

から物語の結末を知らないし,このゲーム批評をあーだこーだ書こうという気も毛頭ない.

では何故こんなところにこんな駄文を書き連ねようと思ったか,それは今になってこのゲームに触れたこと,途中でプレイを諦めてしまたことにも関係がある.

まあ,一言で言ってしまえば自分心理的状態気持ちの整理である

普段は長文を書く習慣も無けりゃ読書もロクにしないことに加え,自分感情を外に向けるといったことが出来なかった人間が整った文章を組み立てられるとは到底思えないが,どうしても書き留めて吐き出さないといけない気がしたのでこの場を借りることにする.

このゲーム話題になった当時,自分鬱状態にあった.正確には医者にかかり鬱と診断されたのは2018年くらいのことなので,当時は自分が鬱だという認識は無かったが,振り返ってみればかなり酷い生活を送っていたと思う.それでも,精神状態が良くはないという自覚はあったようで,SNSの評判やnot suitable for those who are easily disturbedの注意書きを見てプレイはしなかった.

そして現在.未だに服薬中ではあるが一時より処方量も減り,身の回り不安要素も軽減されて気分も上向きになり趣味勉強に関わらず色んなことをやりたいなあと思っていたこともあって,思い出したようにDDLCをダウンロードした.正直,グロテスク表現は好きではないがそれほど苦手というわけでも無かった(前情報がその程度の認識だった――これは大きな誤りだったが)ので,どんなもんかと軽い気持ちで起動した.

そこから普通ギャルゲとなんら変わりなく読み進めていた.完全に自分の好みでナツキルートにするような形で進めたが,作中で文化祭が近くなってきた頃,主人公の幼馴染であるサヨリの様子がおかしくなる.これも,主人公のことが好きな気持ちを抑えきれずに他のヒロイン嫉妬してしまうよくある構図かなと軽く構えていた.が,主人公サヨリの部屋を訪ねるシーン.彼女の部屋のインテリアは数年間ずっと同じまま.そこは酷く散らかっている(これはこの場面以前にも語られていた.)何かを隠し通そうとする言動.そして,朝起きられずによく遅刻をする,明るく元気に振る舞っているのは主人公の前だけ,という彼女の質や今までの言葉脳裏に駆け巡ったとき,次のテキスト彼女が何を告げようとしているのかがハッと思い浮かんだ.鬱だった.まさに僕自身がそうではなかったか自分繋ぎ止めていたものが意中の異性ではなくとあるコンテンツであったという違いはあれど,自分がこの世に必要とされていないのではないか,何も出来ず生きているだけで周りに迷惑を掛けている自分果たして価値があるのか,といった地獄のような疎外感(という表現が適切なのか分からない.僕はこの鬱屈として捻じ曲がった気分を表せる言葉を知らない)の中でもなんとか生を見出す理由になるものがどれだけかけがえなかったか.それがあるから頑張ろうと出来たことって沢山あったのではなかったか.そして自分不安定なことを周りに悟られぬよう,自分自分を騙し通すことの苦しみはどれほどのものだったか.どうしてもサヨリ自分を重ねてしまい,この辺りからゲームどころではなくなった.

幸いにも僕の場合はそれが自分の元から逃げ去っていくようなことは無く,いつでも逃避の先になってくれたし荒んだ気持ちを多少なりとも癒やしてくれた.安っぽい言葉ではあるが本当に心の支えとなるものであった.それは今も変わらない.しか彼女はどうか.彼女主人公自身幸福に拘っていたが,実際のところはいつまでも自分の隣に居て欲しかっただろう.求めたら求めた分だけ応えてくれる存在でいて欲しかっただろう.そして何より,信頼していた人から理解してあげたいという上辺だけの言葉は一層胸を深く抉っただろう.壊してしまったと言っていい.比喩ではなく本当に命よりも大切な存在を失ったとき,心の弱った人の行く末は.

そして一番ショックだったのが,他の誰でもない自分がこの選択の手助けをしてしまったということ.作中では,他人趣味馬鹿にするな,嫌な気持ちや恥ずかしい気持ち他人と共有する,といったような他人尊重し合うことの大切さが説かれていたのではなかったか.それでも僕は自分のためだけに好みの子と恋仲になるための選択を重ねていた.もう少し思いを巡らせて別の選択が出来たのではないかと思ってしまう.

ノベルゲームなんて筋は決まっているし,(分岐を抜きにすると)そこにプレイヤーの意思が介入することは無い.よって誰が見ても自分のこの思考は頭がおかしいんじゃないかと思うだろうし,自分でもそう思っている.恐らくゲームに向いていないんだろう.

から,DDLCというゲーム登場人物として生み出された以上,サヨリというキャラクター運命は決まってしまっている.どうあがいても避けられない結末がある.僕にも,他の誰かにもどうすることも出来ない.

この文章も,このどうしようもない罪悪感を打ち消すために書いているのかもしれない.それもまた自己中心的であるが.

とは言っても流石にゲーム現実区別がつかないほどアレではないので,この体験をきっちりと消化出来れば良いなと思っている.他人に寄り添える人間でありたい.

何より,この一連の過程迷惑を掛けている人が居ないのが幸いである.いや,こんな怪文書不特定多数に発信している時点で迷惑まりないな.

以上.

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