文部科学省の統計によると、私の地元の大学進学率は近隣市の1/4〜1/2程度で10%台半ば。県下でも最低水準とのことで、それをもって子育てに向かないやら教育行政に問題があるやらと語る人がいる。
しかしながら、私の地元や近隣市は、人口面でも面積面でも小規模〜中規模程度だ。市境を一つや二つまたいだ程度でそこまで学力に差がつくわけがない。肌感覚的な面でも、中学の同級生で大学に進んだのが5人に1人未満とは思いづらい。
ということでSNS等で貼られていた画像をもとに、ソースと思われる文部科学省の学校基本調査「卒業後の状況調査票(高等学校 全日制・定時制) 市町村別状況別卒業者数」(以下「件の統計」)を確認した。数字は件の画像と一致しており、確かに私の地元の大学進学率は低い数字であった。
ところが、よく見ると分母に当たる高校卒業者の数が、市内の中学3年生の人数の1/3程度しかない。年によって学年の人数に違いはあるが、丙午でもない限り1/3にまで減ることはまずないだろう。また、大体の人は高校に進学する上、中退がいても数が知れている。
そこでさらに調査方法を確認したところ、各学校が回答し、それを学校所在地の市町村が取りまとめる方式と判明した。
ところで私の地元は人口面でも面積面でも小規模で、高校は1校、名前を書けば受かると言われているようなものしかない。その高校の生徒数、進路実績を見たところ、件の統計と数字が一致した。
つまり、各市町村の括りで出る数字は、正確には各市町村に立地する学校の数字の集合体であるようだ。件の統計において、高校が立地していない市町村に全く数字が記載されていないことも傍証となろう。
かくして私の地元は名前を書けば受かる高校の進路状況をもって、大学進学率が低く教育水準が低いと世の人に判断される状況になっているわけだ。
なお、先述の事情から、私の地元の中学生は大学進学意思がある人はもちろん、そうでない人も大体市外の高校に進学する。
小中学生であれば、私立等を除き基本的に居住する市町村の学校に通うため、市町村単位での集計はそれなりに参考になるかもしれない。
しかし、高校生にもなると通学範囲はぐんと広がり、通う市町村と住む市町村が一致しないことも増える。この状況下で、立地する高校の数字をもって市町村の数字かのように公表するのはいささか問題があるのではなかろうか。政令市や中核市、施行時特例市くらいの規模ならいざしらず、相互に人が行き来する中小規模の市町村においてその影響は大きい。
世間一般では学力水準は居住地選択において重要なファクターのようで、住宅関係や生活ガイド的なメディアでも指標として用いられているようだ。
だが、先述のとおり、こと高卒生の進路に関してはその公表の仕方に疑義がある。文科省も件の統計が世間でどう使用されているかを考慮の上、表現に気を遣って欲しいものだ。
それはそうと、大学進学率を気にする教育熱心であろう層が、件の統計について違和感を持たず鵜呑みにしてしまうことを考えると、何か皮肉めいたものは感じる。
進学校の無い街では、誰も大学に進学しないアホばかりの街扱いされるのは・・・哀しすぎるな。
実業高校しかない市町村もあるだろうし 誰でも入れる地元の普通科高校より隣の市の県立中高一貫校に高校から通いたい人もいるだろう
市区町村別の大学進学率って数字公表しているの? 文科省のサイトでは見つけられなかった。 https://www.mext.go.jp/content/1413715_014.pdf では 大学進学時の都道府県別流入・流出者数(h28)が出て...
はろ〜!ぺこら、ぺこ!今日は、文部科学省の統計について、ちょっと大事なお話があるぺこよ。 ぺこらの地元では、大学に行く人の割合が低いって言われてるぺこ。でも、それって...
統計なんてそんなもん。もっと注目度の高い賃金統計である毎月勤労統計でさえ、すごい癖がある統計なのに上っ面の数字だけをテレビが報道してその数字だけがXで踊ったりしている。
教育熱心な層はその統計が学校の所在地によるものであってその自治体の住民の学力を示さないことは当たり前にわかってるので 学校選びの参考にはしても居住地選択の参考にするわけ...
それはそうと、大学進学率を気にする教育熱心であろう層が、件の統計について違和感を持たず鵜呑みにしてしまうことを考えると、何か皮肉めいたものは感じる。 これ、すごくいい...
東京だけど確かに高校の時は違う区の学校に電車に乗って通っていたもんなあ。地元の区の高校がダメとかじゃなくて、この高校に行きたかったパターンだけど。統計の出し方としては...