なんでも、過去の名作ラノベを復刊させたり、ラノベ図書館?を作ったりする計画が進んでいるらしい。
まず第一弾として予定されてる作品は、蓬莱学園シリーズ。それから、ザンヤルマ、カイルロッドあたりも視野に入っているようだ。
いずれも現在は絶版で電書化もされておらず、読み直そうと思ってもそこそこ高い中古品を漁るしかないシリーズだ。そういう作品が容易に手に取れるようになり、かつ作者に利益が還元されるようになるのであれば、それは素直に喜ばしい。
特に、未完のシリーズである蓬莱学園は単なる復刊だけではなく、1巻が出たきりで中断されている「革命」の続きも上手くいけば出せるかもしれないそうなので、是非とも成功させてほしい。
ただ、この事業の立ち上げ人?だという人物の発言を見ていて、少し違和感を覚えるところがあった。
twitter.com/nakatsu_s/status/1759434045719560485
ライトノベルが「独自の文学ジャンル」として認められるか否か、みたいなのが関わってくるんでしょうね。売れ数とは違う価値判断基準がないと、文芸は単なる「商品」に堕してしまうので。ライトノベルにも「芸術品としての価値」を認められていく必要があります。
twitter.com/nakatsu_s/status/1759434645471690948
世界のあらゆるコンテンツには、「商品」の側面と「芸術作品」の側面があって、これがバランスが取れていると、大衆文化の寿命である半世紀を超え、文化として生き残っていく。ライトノベルは、やや商品(売れ部数、覇権とかのモノ言い)側面が強すぎるので、芸術的な評価を高めないと残っていかない。
辞書的な意味では当然ラノベも芸術であり文学だけど、ここで言われてるのはもっと日常的な用法としての、いわゆる「芸術」、いわゆる「文学」だと思われる。
うーん……
なんだろう。文化として残るためには芸術・文学でなくてはいけないと言われると、それは本末転倒ではないかと思ってしまう。小説は「文学」ではなくてはいけないという思い込みから自由だったからこそ、ラノベは読者に支持されたのではないか。
こういう姿勢で、たとえば(「芸術」「文学」に位置付けるのは極めて難しそうな)あかほりさとる作品なんかを残すべき文化に含めることができるのだろうか?
(検索してみたところ、あのあかほり作品も現在はセイバーマリオネット以外電書化されてないっぽい。ショッギョムッジョ…)
NPOとして国会議員すら巻き込んで(本人のツイートにそう書いてた)活動していくためには必要な方便なのかもしれない。それでも、本当に主張すべきなのは、(いわゆる)芸術・文学ではなくても文化であるし残す価値がある、ということの方だと思う。
繰り返すが、復刊・図書館計画自体はたいへん意義のあることであり、応援していきたい。それだけに、できれば価値観的にはもう少しだけニュートラル寄りに修正してほしいな、と思う。
(追記)
https://b.hatena.ne.jp/entry/4749545057711008128/comment/otokinoki
「文化として残していく価値はあるの?」というのは、後代にならないとわからないので、まだ50年という若いジャンルでは全部残していくしか無いのよ。
うーん…
誰にとっても、現在の評価を問わず一律に「全部残していく」ことができるならもちろん理想的だが、そちらの発言(「ライトノベルにも「芸術品としての価値」を認められていく必要があります」とか「芸術的な評価を高めないと」とか)を見ていると、むしろその逆の思想のように見えて不安である、という話なんだが……
なんか余計に心配になってきた。
いや普通にあかほりも射程に入ってるだろ 別に作品内容を高尚にすべきとかいう話じゃない まあ高齢オタク特有の価値観の古くささみたいなのはあるが
あかほりさとるって最近なにやってんのかね ラムネとかセイバーマリオネットとか昔はいろいろやってたのにね
漫画原作が多いんじゃないかな。あとちょっと前に時代小説書いたりしてたよ。
あかほりさとるはメディアミックスの作品が多いから復刊難しいと思うよ NHKが権利買い取った「マペット放送局」とかが分かりやすいけど DVD出してくれって言っても、どう権利を整理...
あかほりさとる作品なんかを残すべき文化に含めることができるのか という問いへの答えであって「近々に復刊できるかどうか」の話ではない
いやだから 近々に復刊できるかどうかも何も 復刊難しいと思うよって話だよ
いやだから 復刊難しいかどうかも何も 復刊の話ではないよ
マンガにはあるんだから 赤松に頼んで一緒にやってもらえばいいのに
https://note.com/bard99/n/n7b381e2f8f35 NPOを作ったことで、立命館大学が主催するゲーム保存連絡協議会ともつながるようになり、そこからあっと驚く国会議員陳情にまで至る話になるのですが...
懸念はわかるんだが、あくまで理想を言えば、「あかほりさとるすらも『文学・芸術』と位置付ける」だろう。 高尚さと芸術価値の分離が必要なのであって、高尚な芸術としてラノベ...
価値で考えるってのも理想的ではないと思う。何故ならそれは分からないものだから。文化の価値は後 (それがいつかも分からない) に決まる。 たとえばこういう話がある。江戸時代の庶...
いま現在どれだけ売値が付くかという話じゃないだろ。 そもそもラノベ図書館を作るというのも亡くなったマニアの蔵書7万冊が廃棄されるから何とか保存したいというのが発端で まさ...
そうだな。価値っていう言い方だとそういう話にもなりかねないか? 俺が思っているのは、価値観自体を変更して、お前が残したいと思っているような範囲を「価値がある」に含める...
MF文庫とかはAmazonでKindle版が読めたりする 「オウガにズームup!」もKindle版があるのは驚いた そういう意味で、出版社側は電子書籍などにも積極的だ 蓬莱学園を出してた富士見ファンタジ...
富士見ファンタジア文庫でも 「サクラ大戦」とか「モンコレナイト」とかはKindle版がない これ単に権利関係だよな
「気象精霊記」はレビューの評判良いな 挿絵気にしないならこういう活動もできるって話よね 消されてるけど紹介サンクス 復刊活動は、なにを目指してるんだろうかね どこの権利を整...
90年代からラノベ編集者やってる人でそもそも当時のラノベ文化を残すことへの関心が強いんだよ。 PBMのNPO法人を作ることになったのも遊演体の元社長から直接言われたかららしいんで...
個人的にPBM的な空気感とかはラノベでは消えてると思う 読者参加型の「シスター・プリンセス」とか「聖エルザクルセイダーズ」も 書籍やゲームではあの空気は読み取れない ラノベの...
2000年代の作品と1990年代の作品とでは扱いがぜんぜん違うんだよ
例としては何でもいいけど、たとえば97年発売の「友井町バスターズ」みたいな、シリーズ化もされてないはっきり言ってマイナーな富士見作品ですら電子化されてる(新人賞作品という...
まずはラノベを、海外への輸出品の梱包紙に使うとか、襖の裏張りに使うとか 地道なことからはじめようか
なるほど 聖教新聞をメルカリの緩衝材に使うやで〜
実際の行動として ソノラマ文庫の高千穂遙先生「クラッシャー・ジョウ 連帯惑星ピザンの危機」から2019年までの児童書を含む、おそらく日本最大のライトノベルコレクション とい...
楽しいじゃんそういうの。 人の大事にしているものを否定するのは。
蓬莱学園て中古でも高額なの? うちの本棚にあるんだけど自炊するのにバラバラにしないほうがいい?
初恋がアマゾンで2万だけど 売れない値段だから 実勢価格は分からんな