少なくともこの改正では今までより発信者を特定できる手続きが簡単になるというだけで、今まで開示が認められなかったような誹謗中傷でも開示されるようになるということではない。
これまではめんどくさいからdisられても泣き寝入りしてたけど、多少めんどくさくなくなるので頑張って開示請求してみようという人は増えるかもしれない。
ちなみに侮辱罪の厳罰化も、罰の最高限度が高くなるだけであって罰を受ける基準が低くなるのではない。
今まで問題なかった侮辱に罰が課されるようになるというのではなく、侮辱によって与えられるダメージが昔より大きくなったからそれに見合う罰を設計しましょうという話かと思う。
コンテンツプロバイダには発信者の意見を照会する義務があるので反論機会はある。照会に対して反論すれば、裁判所はそれを加味して審理することにはなってる。
例外として、発信者に連絡が取れない場合は照会義務がないというか照会できないので、登録不要の匿名サービスに書き捨てたり、登録に捨てアドとか使うほうがむしろリスクがある。
新設手続きについてはまだこれからなので裁判所での審理の基準は未知数だけど、現行の仮処分ぐらいの温度感で開示認容されるんじゃないかな。
たとえば、最近だとはあちゅうさんが訴訟に負けてるのが話題になってるけど、訴訟ができてるということは発信者情報開示までは認められてるということだし、開示まではけっこうゆるい。でも、開示が認められたからといって訴訟に勝つとは限らない。
コンテンツプロバイダのポリシーによるし、もしかしたら命令が出ても抗告するプロバイダもあるかもしれないけど、はてなは命令に従うよって告知してる。他のとこはそういうの公開してないのかな。
やるなら訴えられても勝つぐらいの覚悟きめてやれ
喧嘩作法みたいのはできるだろうし「僕ちゃんは他人の悪口をいくらでも言うけど、叱られたら泣いちゃうぞー!表現の自由の侵害だー!」みたいな甘えたガキは生き残れなくなってくるんだろうな
はあちゅうさんの開示請求も100%開示されてるわけではないけど、打率5割っていったらまあそこそこだね。
コンテンツプロバイダの立場で考えてみると、仮処分だの訴訟だのになったら自社ユーザーのために裁判所に出頭しないといけないけど、弁護士に委任する(最低報酬でもふたケタ万円かかる)か、社長自ら出頭するかでないと対応できないんだよ。他人の悪口を投稿するようなユーザーをそこまで金や労力使って守る筋合いもないし、呼び出しを無視して開示命令待ちって戦略取ってるコンテンツプロバイダもあるんじゃないかと思ってるんだけどどうなんだろ。たまにtwitter相手の訴訟が高裁まで行ってるのが報道されたりするから金がある大手は頑張ってるのかもしれないけど、そのへんの実態あんまり公開情報なくてわからないよね。