2022-09-25

賃金が上がらないのはみんな望んだことでしょ?忘れたの?

なぜ日本では賃金が上がらないのか?という話がよく飛び込んでくるんだけど、目にするたびに、お前らバカか?と怒りが湧いてくる。これは国民全体が望んだことだろうが。

田原総一朗ビートたけしが司会やっていた、1990-2000年代政治討論番組で何を言っていたか。見ていた人は思い出そう。

日本人は終身雇用ぬるま湯に浸かっているので、国際競争に勝てない。

日本労働者給料は高すぎてアジア諸国との国際競争に勝てない。

日本物価が高すぎて消費が伸びないし、国際競争に勝てない。

企業が業績悪くなったらリストラは当たり前。

公共事業無駄。徹底的に削減しろ。できないのは土建業利権政治家だから

公務員は多すぎるし、給料も高すぎる。削減できないのは官僚癒着している利権政治家だから

・徹底した経費(主に人件費)削減で安いサービス提供している民間企業は素晴らしい。国や行政も見習うべき。

若者仕事を選り好みにしすぎ。終身雇用なんか当てにならない。これからベンチャー企業時代

以上のように2000年代まで、安定雇用を減らし、賃金を下げる蓋然性が高いことが普通に予想される政策を、みんなして全力で主張しており、その結果が現在わかりやすく出ているだけにすぎない。こういう主張に反対した少数の人たちも、当時は「バカ左翼」「既得権益層」「御用学者」呼ばわりされていたはずだ。当時はテレビ政治に対する影響力が今以上にはるかに強く、こうした声を政治家も無視できなかったし、実際積極的呼応していた。国民も、そうした政治家や政党積極的投票した。


少なくとも40代以上の人は、こういう政治討論番組記憶しているはず。賃金の停滞は、メディア民意政治が一体となって進めてきたことで、その通りのみんなが望んだわかりやすい結果が出ているだけなのに、どうしていまさら「なぜ賃金が上がらないのか」なんて話をしているんだろうか。少なくとも「賃下げの政治」が進められた時代に既に有権者だった人たちは、ちんと記憶してなければダメだろう。

そして現実に、公務員を減らして業務民間派遣企業に売り飛ばすということが行われてきた。郵便局員市役所職員がやってきた業務も、時給800円台のコンビニ店員が行なっている。正規雇用非正規雇用に移し替えているのだから給料が上がらないは当たり前だ。なんだかネットではなんでも消費増税にせいにする馬鹿馬鹿しい議論への支持が高いんだけど、こうした公務員削減と民営化政治が「消費増税の前にやるべきことが」の論理で進められてきたことも都合よく忘れている。

既にメディア発言力を持っていて上述の主張に賛同していた連中については、怒りしかない。竹中平蔵はもちろんだけど、田原総一朗ビートたけしも、テレビに出ていたら速攻で消す。

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