2021-07-02

初心者から中級者になるためのプログラミングのコツ

変数や構文などのプログラミングの基礎は覚えた人向けに、ソースコードを書くときのコツを紹介していきます。どれも今日から実践できるものばかりです。他のプログラマと差をつけることができる技術ですので、ぜひ意識するようにして下さい。良い子はまねしないで下さい。

変数名は短く

プログラムで使う変数名は可能な限り短くしましょう。

理想は、aやxなどの一文字です。ただし、これだけだと26文字しか使えないので、a1, a2, ...のように連番でグルーピングすると良いです。

また、変数宣言使用箇所が離れた場合に、変数の型がすぐに分かるように、たとえばint型であればi1, i2, ...、string型であればs1, s2, ...のように命名すると、読む人に親切で自分ミスしにくくなります

変数名を長くするのは、以下のデメリットがあるため、絶対にやめましょう。


なるべく関数を作らない

多くのプログラミング言語には、クラス関数といった機能がありますが、これらは基本的ライブラリ提供者などが使う想定の機能であり、一般プログラマが使うのは好ましくありません。したがって、クラス関数はなるべく使わないようにして下さい。

関数を作ると、以下のデメリットがあります

不要関数を作らないためのテクニックには、以下のようなものがあります

まず、関数引数に「フラグ」を渡し、関数内部で処理を切り替えれば、1つの関数複数の処理をすることができます

function f(i) {
  switch(i) {
    case 1:
      // i = 1のときの処理
      break;
    case 2:
      // i = 2のときの処理
      break;
    case 3:
      // i = 3のときの処理
      break;
    // ...
  }
}

この方法は、以下に述べる「変数寿命を伸ばす」効果もあります。つまり、この関数内で宣言された変数は、すべての処理で共通して使用することができます

クラス不要関数を作らないようにするには、「継承」を用います複数クラスで用いる関数定義したクラスを1つ作っておき、そのクラス継承すれば、新しいクラス関数定義する必要はありません。

理想的には、プログラム内のすべての関数を同一のクラス定義し、それを継承するべきです。そのようなクラスは俗に「神」と呼ばれ、その利便性からプログラマからはこの上なく尊ばれています

class God {
  f1() {
    // 関数1
  }
  
  f2() {
    // 関数2
  }
  // ...
}

class C1 extends God {
  // 何も書かなくても上の関数が使える!
}

class C2 extends God {
  // 何も書かなくても上の関数が使える!
}
// ...

変数寿命を長くする

変数宣言する場所によって、ソースコードのどの範囲から参照できるかが決まっています。この範囲が広いことを、「変数寿命が長い」と言います

たとえば、以下のコードのaは、関数定義の外側からは参照することができません。

function f() {
  var a = 1;
  return a;
}

一方、以下のコードのaは関数の内外どちらからでも参照することができます

var a = 1;

function f() {
  a = 2;
  return a;
}

変数寿命を長くするのは、プログラマの腕の見せ所です。

せっかく作った変数がすぐに死んでしまうのは、非常にもったいないです。ソースコードの表面には現れませんが、変数を作ったり捨てたりするのには、計算コストがかかります。したがって、寿命の短い変数を作りすぎてしまうと、プログラムが遅くなってしまます

また、変数寿命が長いということは、変数をたくさん作らなくても、1つの変数を色々なところで利用できるということであり、とても便利です。たとえば、上記の前者のコードでは、関数の外部からaの値を参照したくなっても、参照することができません。後者のように書いておけば、プログラムのどの箇所からでも、aの値を参照したり、更新することができます。したがって、変数寿命を長くするとプログラムを変更しやすくなります。つまり保守性が上がります

例外を潰す

例外とは、プログラムが予期しない処理をしようとした場合に、プログラムの実行を停止し、呼び出し元にエラーを通知する機能です。たとえば、「test.txt」というファイルを開こうとしても、そのファイル存在しない場合は、例外となります

例外が発生すると、プログラムが停止してしまうため、非常に困ります。したがって、プログラマ例外をきちんと処理しなければなりません。

ほとんどのプログラミング言語には、例外処理のための機構があります。たとえば、以下のような構文です。

try {
  // 例外が発生し得る処理
  // ex. ファイルを開く
}
catch (e) {
  // 例外が発生したときに、実行する処理
}

例外への対処は実はとても簡単です。是非ここで覚えて下さい。上記のような機構のある言語であれば、catch節の中身を何も書かなければ、例外が発生しても、何事もなくプログラム動作を続けます

try {
  // 例外が発生し得る処理
}
catch () {}

全ての例外を潰せば、決して不慮の動作で停止することのないプログラムを作ることができます。ですから例外が発生し得るコードは、積極的上記try-catch構文を用いて、例外を潰すようにしましょう。

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