TwitterでTLに流れてきたレースの様子の動画が流れてきて、ゴールドシップのごぼう抜きに度肝を抜かれたのがきっかけだった。
はじめての育成は初回のガチャで手に入れたダイワスカーレット。SSRの交換は一目ぼれしたライスシャワー。
ウマ娘を始めて一週間ほど。育て方は正直今でもよくわかっていない。とりあえずたくさん育てて☆3因子なるものを手に入れなければいけないと知った。
いまのところ最高ランクはサクラバクシンオーのBランク。このあいだようやくダイワスカーレットにグランプリを獲らせてあげることができた。
キングヘイロー、アグネスタキオン、ゴールドシップと育てていくと、チームが編成できるようになった。
そして気が付く。ダートレースなるものがあり、芝ではなくダート適正のある娘を育てなければいけない。
そこで手持ちのダートに適正のある子を確認した。桜色の髪と笑顔が可愛らしい、小柄な少女を見つけた。彼女が「ハルウララ」だった。
とりあえずいつも通り育てるかと、お任せで引継ぎ元とサポートを選んで、ハイハイいつものね、とイベントをスキップしつつ育成開始。
まあとりあえずスピード上げとけばなんとかなるっしょ、と軽い気持ちでステータスを上げ、さあいってらっしゃい、とハルウララをメイクデビュー戦に突っ込んだ。
結果、4位だった。
正直に言うとめちゃくちゃびびった。
初回のメイクデビュー戦は、1位しか取れない仕様だと思っていた。今まで誰を育てても1位をとってきていたので、4位という順位に思わずスペキャ顔をした。
まあでもそんなこともあるんだな、調子は普通だったしな、お出かけしてやらんとな、と気持ちを切り替えて、次のレースへ。
どうやら、次はレースではなくファンを集めなくてはいけないとのことだったので、上に出てくるたづなさんのヒントに従って、根性やらパワーやら賢さをトレーニングで上げつつ、ダートレースがあるタイミングを見計らってレースに出馬する。
勝てない。ぜんぜん勝てない。酷い時は7着だった。
どうしても勝てないし、ファンも集まってくれない。
えっこれ積んだ? 育成しっぱいしたんじゃね? どうして?? 一番人気で紹介してもらってるのに何で???
どうすればよかったんだろう、トレーニングもうちょっと詰めたほうがいいのかなと続けるも、
トレーニングには失敗ばかりで練習ベタまで付いて、絶不調まで落ちてしまった。
どうしよう、やばい。
ハルウララに申し訳なさ過ぎて、早く育成を終了して、なかったことにしたい気持ちでいっぱいになった。
初回、出遅れて順位が最下位にまで落ち込んだ。これももうだめだ、と諦めつつも眺めていた。
そうしてレースの中盤。ハルウララが最後尾から追い上げてきた。
はじめてみたゴールドシップのようなごぼう抜きを見せて、レースの終盤。ハルウララが先頭争いに加わっていた。
何が起きたのかわからなかった。いままで4着、7着と低迷していた彼女が、ここにきて1着になろうとしている。
気が付いたら小さなスマホ画面を握り締めて、がんばれと声を掛けていた。
そうすると、実況のお姉さんが「ハルウララがんばれ! 初めての勝利が見えてきた!」とハルウララの応援をはじめてくれた。
それを聞いて、泣きそうになった。私が不甲斐ないトレーナーだったばかりに、ハルウララは1着を獲れていない。
それでも実況のお姉さんはハルウララのことを見守ってくれて、応援までしてくれている。
今まで、ファン数が増えていくのは見えていたけれど、数値もしくは一つのパラメーターという認識でしかなかった。
それでも育てたハルウララにはファンがいて、好成績を残せない現状でもレース場に駆け付けて応援してくれている。
その期待に応えるように、ハルウララのスキルが発動し、加速した。並んでいたところから抜け出した。
そうしてハルウララは1着になった。
その後、ほっと息を吐きながら手を振るハルウララを見守り、詳細を見る。
それから、ライブを見ることにした。曲は何度も聞いて聞きなれた「make debut」だったけれど、
ハルウララがセンターに立って、笑顔で歌を歌っているところを見て、なんだか涙が出てきた。
(ゲームで何言ってるんだって話だけど、本当に涙があふれてきてしまった…)
その後、その1着がバネになったのか、ハルウララは保健室一発で練習下手を克服して、レースで1着を重ねていく。
目標達成は絶望的かと思ったけれど、なんとかマイル距離のレースも入着を重ねてくれた。
しかし、JBCスプリントで1着を獲ることができず、私とその時のハルウララのレースは終わった。
ハルウララの最終ステータスはC+。いったんこのハルウララをダートレースのエースに据えた。
私は競馬については全く詳しくないし、知っている馬と言えば祖母の影響でキタサンブラックくらいだった。
さらに言うとウマ娘を始めてたった一週間程度の私がいうのもおこがましいし、「にわか」と怒られてしまうかもしれないけれど。
ウマ娘、面白い。いちばんの推しがハルウララになった瞬間でした。
同じ時を過ごしたハルウララとまた同じトレーニングの日々をすることはないけれど、
はじめて育成をしたハルウララのことはずっと覚えていたいと思った。