2021-01-14

法的にみるツイッター社がトランプアカウント永久BANしたこと妥当

ワイは法律関係の職につくnot弁護士やが、司法試験受験していた経験をもとに解説していくで。

まず誤解が多いんやが、憲法は国と国民の間を規律するものであり、私人間(法人を含む)に直接適用されることはないんや。

じゃあ憲法の効力は私人同士の問題に一切影響を及ばさないかというと、そんなことはない。

具体的には、民法90条公序良俗に反する行為無効)や、民法709条不法行為責任)を介して、間接的に効力を及ぼすんや。

具体例を出そうか。

たとえば中学校でビラを配っている生徒がいて、そいつを退学にしたとしても、それが直接憲法違反(21条1項)ということにはならない。

あくまで、退学を定める校則が、生徒の表現の自由侵害するものだとして、民法90条違反して無効、とされる。あるいは、校則自体無効とならないとしても(公序良俗違反無効というのはハードルが高い)、校長の下した退学処分一般的校長に与えられた裁量を逸脱するものとして、民法709条違反になり、損害賠償等を支払わせる判決が下ることになる。

この判断には、学校側が保有する教育内容を自由に決定する権利だとか、校内秩序を保つために生徒たちの活動規制する権利だとかも当然考慮される。また、未成年であれば後見的な見地からの制約にも服するだろう。これらを比較考量したうえで、生徒側の表現の自由が勝つと判断された結果なんだ。

では、ツイッター社の件はどうだろう。利用規約や、それに基づくアカウント停止処分民法90条や709条違反していないだろうか。

まず、トランプ側の権利は、表現の自由だ。しかし、表現の自由は無制約ではない。

一方でツイッター社は営業自由(22条)がある。これに基づき利用規約を設定し、違反した者については退会処分アカウント停止をする権利がある。しかし、これは経済的権利であり、一度傷つけられると民主政過程回復困難な表現の自由に比べて、保護必要性が薄い権利といわれている。

そうすると表現の自由営業自由としてトランプが勝ちそう(事実メルケル等の言説はこのあたりが拠り所と思われる)だ。

しかし、考えてみるとトランプアメリカ大統領であり、そもそも意見の発信力が強い。むしろ彼は私人というより、実質は公権力だ。

また、SNSサービスツイッターだけではない。ツイッターが嫌ならFacebookでも、バイドゥでも、mixiでも使えば情報の発信はできる。もちろんツイッターに比べると情報拡散力は弱いかもしれないが、少なくとも公共意見を発するツールツイッターだけではない。

そうすると、本件で侵害された表現の自由の救済必要性はあまり高くはなく、利用規約民法90条に反しておらず、また今回のアカウント停止処分トランプによる暴動扇動等の客観的根拠に基づくものであり、民法709条不法行為に該当するものとはいえない。

よって、今回ツイッター社の処分は、トランプに対して何ら責任を負うものではない。

こんな感じかな。

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