こんなご時世にも関わらず黄金週間の開放感を煮詰めた方ばかりが私達のお客様だ。特に今日はいつにも増して顧客の民度がヤバかった。
普段は愚痴はこぼすと増える気がするし、そもそもこぼす程の語彙が浮かばないお気楽脳の自分だが、今日は周囲の相槌もそこそこに捲したててしまった。
慣れない事をして余計に疲れた。
乗換案内に使うターミナルの駅ビルが軒並み閉まっているのが堪える。
飲み食いしてストレス解消しようにもその調達手段が消去法でコンビニになるのが目に見えていて萎える。
自分が客側になってみて思うに、この時期かつこの時間帯にドンキに来ているのは元々頭がユルいか結果として頭がユルくなっている奴しかいない。
不要不急のドンキの、それもコスプレコーナーの奥のほうに向かいながら沸いて出た思いを反芻する。
よく分からんメーカーのよく考えると安くもないマスク買うより、TENGAの女版のバイブ買った方が良くない?
数年前まだ大手を振ってそのコーナーに入れなかった頃(つまり通常数年で収めない程度に前なのだが)
そのコーナーにかかっていた気がした暖簾はそこにはなかった。
代わりに領域内にいる男性数名が女性のパッケージの恐らくアレを吟味していたりするのがちゃんと見える。
アダルトグッズ専門店もないわけではない首都圏においても、通販が栄華を誇る令和にあっても、やっぱりドンキなのだ。
だから私も途中でマスク売ってたドラッグストアを素通りしてドンキにやって来た。
しばらく近辺のコーナーから領域を思春期の如く凝視し、他の客がカップル1組だけになったのを見計らって潜入した。
女が興味あったって。
おかしな事じゃないよなあ。
irohaに拘りはなかったがそれ以外を吟味する心の余裕もなかった。
ぱっと見でそこ以外に女性用グッズのありそうな場所が分からなかったのだ。
片手に収まるモデルの、推しを思い出さない色味を選んでさくっと退出した。
退出してすぐに(ここまで来てこんなちっちゃいし突っ込めないのでいいのかよ!!!)というセルフツッコミの波に襲われてしまったので、
ちまいローターを片手で隠しながらフロアを1周してから再度潜入し、棒状で推しを思い出さない色味のものに持ち替えて純正品?のローションも手にとった。
片手でそれぞれ隠せる大きさでもなくなったし、隠す意味もなかった。
このチョコ菓子でも入っていそうなパッケージからそれを想起する方が悪い。
レジがワンオペになったのを見計らって、電子マネーでさくっと買って店を出た。
腕と名声があれば20代女性の日常もの小説の1章くらいにはなれたんじゃないかと胸がすく心地だった。
私には腕も名声もないし、当然彼氏もいなければこの手の話が気軽に出来るような交友関係はリアルにもオンラインにもないので、ここに落ち着く程度の存在なわけだが。