2018-07-04

しつけなのか虐待なのか

わたし簡単に言えば塾講師をしている。

ある中学1年の男子生徒のことが気になっている。

彼は父親の異なる5人兄弟長男で、末っ子が生まれたばかり。現在父親が何人目かは不明。家庭環境が少し複雑なようだ。

彼は時々、家で揉めたと目を泣き腫らして塾に来たり、家の手伝いが大変だ、部活や家の手伝いで疲れて勉強してられないというようなことを言っている。小6からみている生徒だが中学に入ってからさら情緒不安定な様子だ。

今日の別れ際にも

「家ではどのくらい勉強してる?」と声をかけたところ「家の手伝いが大変でそれどころじゃないって感じで時間がないんです。この間なんて1週間ご飯抜きだったんですよ」と言い残して去ろうとしたので呼び止めて詳しい話を聞いた。

短くまとめると「家の手伝いをしないからという理由で1週間ご飯抜きにされ給食のみで過ごした。(買い食いなし)周りにはバレないようお弁当持参の時は作ってくれた。今は大丈夫。」とのことだった。

気になったことは色々あったが、本人も目に涙を浮かべて話しづらそうにしていたので、その場ではあまり深くは突っ込めず

「そうか、そんなにお手伝い大変なんだ。ご飯抜きは辛かったね。お家の人少し厳しいのかな。家で勉強できる環境じゃないなら、学校で短い時間教科書見直したりしても予習復習の効果があるから学校にいる時間や塾にいる間の時間有効活用しよう」と言い今日は彼の背中を見送った。

から家の手伝いが大変で勉強できないって話はちらほら聞いていて、宿題しなかった言い訳で大げさに言っているのかなーと思っていた節もあったのだが、今回のエピソードを聞いて彼のことが殊更心配になってきた。

いくらしつけといっても1週間ご飯抜きというのはやりすぎではないのか?「給食だけで過ごした」が言葉どおりだとすると、買い食いも自炊禁止されていたということだ。

早朝から部活、授業を受けまた部活、その後塾にまで来ている多忙かつ成長期の中学男子に対して、これは相当重い罰だと思う。

この重い罰を受ける理由が「家の手伝いをしなかったから」であることもいまいち理解できない。

まず、弟たちの世話など、母親長男である彼に頼ることはあるだろうと想像していたけど、それができなかったとして、重い罰を受けなければならないほど、家事育児は彼が負わなきゃいけない義務ないし責任なのか?

本来それは母親父親仕事であり、中1長男サポートしてくれて助かる、くらいの話なのではないのか。「手伝わなかったか厳罰」というのは違うと思う。

次に「家で勉強するような感じじゃない」という本人の言葉本来中学生になったばかりの長男勉強家族サポートを受けてもいいようなものなのに、勉学をおろそかにさせてまで求められる「家の手伝い」とは一体どんなものなのか。多感な時期の長男を優先しようとかサポートしようという気持ちはなく、とにかく家が大変だから手伝いなさいというのは彼をないがしろにしていることなのではと思ってしまう。

もちろん、生徒本人が悪気なくとも事実を都合よく曲げてこちらに伝えている可能性もあるため、今回の彼の話だけで過剰に反応するのはよくない。ただ、今回のエピソードがほぼ申告通りなのだとしたら、それはもうしつけの域を超えていると私は思う。

実際に私は母親に2回ほど会ったことがあるが、ざっくばらんとして明るく、子どもに関心がある方だと印象に残っていたから、このエピソードには正直驚いた。

今回たまたまこのような極端なことになったのか、今までにもよくあることなのか、兄弟間で扱いに格差があったりしないか、更に詳しく聞いてみないと虐待かまではわからない。

今後は彼をよく観察しながら、家のことも聞ける範囲で聴き、様子を見ていかなければなと思った。

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