2018-06-17

外来が遅いといわれお悩みの先生方、また、病院での待ち時間イライラされている患者さん方へ

 当方キャリア12年の内科医なのですが、久々に大学に戻され非常勤含めさまざまな外来風景を拝見する機会に恵まれました。

そこで、外来診療についていろいろ考えることがありまして、思いつくままに書きなぐらせていただきます

 外来といえば先生方には何が起こるかわからない地雷原ですし、患者さん方から言えばよくわからない理由で延々と待たされストレスをためる要因なのではと思います

外来のすすむスピード先生によって異なりますし、早いからといって患者さん一人に対する時間が少ないか満足度が低いわけでもなく、

逆に遅いからといってじっくり診てもらえて満足度が高いのかというとそうでもありません。

まり

#1 外来スピードも早く、満足度も高い外来

#2 外来スピードは早いが、満足度は低い外来

#3 外来スピードは遅いが、満足度は高い外来

#4 外来スピードは遅いし、満足度も低い外来

分別されると思うのですがこれは明らかに外来担当する先生能力依存するものです。

診療には様々な待ち時間が発生します。患者さん方は経験したことがあると思いますのでお分かりでしょうが

病院受診したところで、まずどの科にいけばいいのか、決まったとしてそこに受診できるかどうか(時間制限など)

受診が決まったとして、そこにいたるまでのカルテ作成も含めての手続き、やっとその科にたどり着いたところで

予約の合間を縫って診療となると、診察室にたどり着くまでで莫大な時間を費やします。

やっと診察室にはいったところで、この科ではないということで一気に振り出しに戻るなんていうパターンもあります

いざ診療に取り掛かるといっても、検査必要だったとしたら、検査室にいって血液をとったりレントゲンをとったりその結果待ちだったり

そのつど待ち時間がかかってしまます

 そんな現状ですが#1に分類される先生方はこの待ち時間をうまく利用していると思います

どういうことかといいます外来をみるときには、まず予診票というものを書くと思うのですが

それらが診察室に上がってきた時点で、ある程度大まかに鑑別をして検査から帰宅(もしくは入院)までのいくつかのパターンを想定してしまっているのですね。

そこから逆算して、必須検査はこれこれ、なのでその待ち時間はこれぐらいなので先に採血をするとしてその前に簡単な診察だけしてしまおうとか

優先順位をつけてマルチタスク仕事を流していきます。そしてコメディカルを遊ばせることなく適切にリソースを使っていきます

もちろん限界はあるのですが、それをすることによってたとえばカルテ記入にしてもメモ手書きで残してあとでお診察が終わった後に入力するなど

患者さん方に見えない形で、タスク時間的に分散しています

これをするためには、最初の鑑別が適切でないといけないというので大変だし、結局患者さん方の見えない時間タスクを移動しているだけというところでは

あるのですが、結果として外来が早く、患者満足度も高いということになるのだと思います

 一方で#3ですがこのパターン先生もたくさんいらっしゃいます

とてもやさしく、親身に話を聞いたりされているのですが、このパターン先生ありがちなのが、一つの時間しか動いていないというケースです。

どんなに外来が混もうが、患者さんが待とうが、自分の決めた工程で、一つ一つに全力を傾け、ちゃんと診察して問診して、検査をオーダーし、その結果を

そのつど詳細にカルテ記載して次の患者を呼ぶときには前の患者カルテも完成しているという状態になります

目の前の患者さんには全力を傾けているので、患者満足度は高く、信頼されるのですが、結果コメディカルの待ち時間と実働時間が減り、イライラ残業代

産み出すことになりがちです。

#2、#4は単なる力量不足です。#2は必要なことまでしてないのでいつかは医療事故を生むもとになりますし、#4は頻度の低い鑑別まで拾い上げて、自己満足のために

いろいろ検査までして結局結論が出せないという結果になりがちです。とはいえ#1は#2へ、#3は#4にクラスチェンジしてしまうことがありますので注意が必要です。

患者さん方として気になるのはいかに#1を探すかということですが、これはコメディカルが一番よく知ってますので、知り合いに看護師さんとか技師さんがいたら

是非、お勧め先生を聞いてみてください。

自分はどれだといわれれば#1をめざしていますが#3になってるのかなぁと自省しながらこれから勉強していくつもりです。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん