大前提として、ESDというグループは、ゆっきーで持っていた。
特典会での列の差を見れば、現場に行ったことのある人間なら異論はないだろう。
他のメンバーが片手や両手で数えられる人数の中、ゆっきーだけ100人、200人と並ぶのだから、人気の差は歴然としている。
現場を知らなくても、ここ最近の仕事量の差を見ればおおよそ見当はつくかと思う。
ESDはゆっきーで持っていた。
無料ライブでからかわれていた時ならまだしも、特に今年の夏以降は現場に来るファンの人数が劇的に増え、そのほとんどすべてがゆっきー目当てだった。
ここからは主観の憶測になるが、メンバーの仲は良かったと思う。
一人だけ人気が突出すると、決まって不仲説が浮上するが、ESDに関してはそういうことはなかったように見えた。
昔、橋本環奈が何度も不仲説を否定していたが、一人だけ人気が出たら必ずそこに不和が生じるとは限らない。
ただそれでも、だからゆっきーにいなくなって欲しいという気持ちより、ファンが増えた現状をチャンスと捉え、単推しから箱推しになってもらおうという気持ちの方が強かったように思える。
まずは知ってもらわなければ話にならない。
ゆっきーの人気が上がったことで、知ってもらう機会が増えたのであれば、それを自ら潰してしまうより、上手く使った方がいいに決まっている。
そのゆっきーが辞めると言い出した。
自分はなにぶん日本の果てに住んでいるので現場には行けなかったが、辞める理由の一つに、「メンバーに甘えすぎていた」などと言ったらしい。
ESDスレッドPart6の340の投稿が、現場の空気を一番的確に表しているのではなかろうか。
ようやくファンが増えて認知度も高まり、良くも悪くもゆっきーに乗っかっていこうと考えていた(予想)矢先に、辞めると言い出した上、その理由は一体何なのか。
もちろん、冷静に考えてゆっきーが辞めるのはわかる。彼女にはもはやESDという小さなグループは足枷でしかなかったと思う。
その辺りのことは12月12日に書いたので、ここでは割愛する。
とにかく、メンバーは「見捨てられた」と思ったに違いない。ゆっきーがいなくなってしまえば、夏から増えたファンが来なくなってしまうのはもちろん、それ以前の集客だって厳しいだろう。
また全員認知可能というファン数からスタートしなくてはいけないのか。残されたメンバーの心境は容易に計り知れる。
詰まるところ、ゆっきーが辞めればESDは瓦解する。これは明白だった。
前述のスレッドでは、新メンバーを募集するとか、前向きな発言もあったが、解散するだろうという意見が大勢を占めていたし、自分もそうなると予想していた。
だからこそ、昨日のゆっきーのブログにある、「グループが活動休止するとは考えていませんでした」の一言が釈然としない。
同893が、
と書いているが、まったく同感である。
自分が辞めればESDは崩壊する。だから残れと言っているわけではなく、当然それはわかった上で辞めるのだと思っていたら、ブログの内容を文字通り受け止めれば、それはまったく予想外の出来事で、驚きに呆然としているように読める。
他のメンバーもやりたいことや夢はもちろん考えていたと思うが、それに一番近いのはゆっきーに乗っかることだった。例えばそれは、『まんなかあいらんど』が最もわかりやすい例だろう。
昨夜も書いたが、ゆっきーがESDを辞めなければ、二人も辞めていなかった。もちろんこれは憶測でしかないし、答えはわからないが、ようやくこれまでの努力が実を結んで、少なくともそれまでよりは色々なことが上手く回り始めたこのタイミングで辞めるのなら、とっくに辞めている。
だから、ゆっきーが書いているほど前向きな退所ではないと思う。ゆっきーは事務所には残っているのだから、留まれば少なからず相乗効果はあるかもしれないが、それを選ばなかったのは絶望とプライドではなかろうか。
普通に考えれば、建前に思える。冒頭で書いた大前提を、ゆっきー本人が気付いていないとは思えないし、さすがにそれを自分で書くのは傲慢なので、さも驚いたふうに書き、辞めていくメンバーにも前向きなエールを送ったように見える。
ただ、前述の「メンバーに甘えすぎていた」発言も含めて、全部純粋にそう思い、本気で素直に言っているのかもしれない。むしろその可能性が高い。
ボクハゴムガスキダ。
この中にある「共に」の2文字を、我々は(と、主語を大きくしていいかはわからないが、きっと我々ドリーマーはみんな)信じている。