2017-11-03

絶縁していた親から電話に出た話

離婚して2年。

この2年間、両親とは絶縁状態だった。

両親とは元々性格価値観が合わず、私の人格形成に大きく影を落とした元凶だ。

離婚する時、こんな時だけ親を頼るのもという葛藤の末、自分の命と精神をまずは守ろうと思い実家へ少しの間避難させてほしいとお願いした。

「いいよ」みたいな軽い返事で拍子抜けしたが、迎えに来た父親

「◯◯君(元夫)がそんなことするとは思えないしどうせお前が悪いに決まっている。お前を引き取ったら夫実家へ示しがつかない。お前はうちに来るな」

と言い出し帰っていった。

その後私は自力で別居のための家を借り、生活のため転職し、離婚した。

家を出た後しばらくは両親から毎日鬼のような回数の電話がかかってきた。

メールも思い出したくないくらい来た。

何もない部屋でスマホの電源を切って一人静かに寝た。

ようやく安心して寝れるようになった。

やっぱり信じられるのは自分しかないと確信した。

友達もだいぶふるいにかけられた。

しばらく経ってから、「あの時は悪かった。悪気はなかったんだ」というメールが両親から届くようになった。

全て無視した。

「一度話がしたい」と言われても特に話すこともないので無視し続けた。

何事もなかったかのように近況を伝えてくる母のメールが怖かった。

「お父さんのことをどうしても止められなくて…」と自分悪くないアピールする母にも心底むかついていた。

親子の縁を切る方法ネットで調べまくった。

メール電話をなぜ着信拒否しなかったかというと、変に警察沙汰にされても面倒だったからだ。

私は今の住所を親族の誰にも伝えてない。

この家が見つかったら、私の安寧が壊れてしまう。

だが私の精神状態は安寧とはいかなかった。

両親を許さな自分を責めたり、または両親と絶縁状態にあることが足枷のように感じた。

社会人であると「正月はご実家に?」とか「ご両親は…」みたいな悪意無き挨拶がマサカリのように頻繁に飛んでくる。

その度に言葉を濁し、嘘をつき、心は沈んでいった。

離婚たことに加えて両親と絶縁状態だなんて、なかなか受け入れてもらえる話ではないし変な親孝行推奨説教みたいなものも聞きたくなかった。

でもこのことは私の、自分自身への自信を確実にすり減らしていった。

自己肯定感を失うと何もかもがうまくいかない。

体重も10kg近く増え、2年間の間に2回転職美容ファッション自分自身への興味は薄れ、不眠と鬱で大量の薬を飲む日々だった。

変化があったのは今の会社入社してから

この会社他人否定する人がいない。

腹の底では何を思ってるかわからないが、少なくとも表には絶対に出さない。

「あの人はああいうところがすごいですよね」という会話が多かった。

最初は上っ面だけで仲間意識が強いやつかと警戒していたが、皆本当に悪意がないと分かった時、自分発言ネガイブすぎて心底反省した。この2年間で誰かを信用すること、尊敬すること、助け合うことを忘れてしまっていた。他人と話し合い価値観の違いも受け入れ、それでも共存していくことの大切さを改めて実感した。

心が少し柔らかくなったような気がした。

そして昨日、父親から電話があった。

3秒ほど悩んだ末に電話に出た。

「元気か?」

最近物騒な事件があるから気をつけて欲しい」

「もう干渉はしない。絶対にしない。だから一度顔を出してくれ」

という内容だった。

所々、嗚咽のようなものが混ざっていた。

私はとりあえず「はい、わかりました」と言って電話を切った。

切りぎわ、「電話に出てくれてありがとうありがとうな…」と聞こえた。

父親干渉しないという言葉は正直なところ全く信用していない。干渉されたくもないけど勝手に悪い者扱いされた怨みは忘れない。会いに行くのも正直嫌だし、これを期にまた鬼電されるのではと怯えてるところもある。

ただほんの少し、自分への自信が回復したのを感じた。

私は両親とはあまり仲良くない、それでもいいのかなと少し思った。

幼少の頃から「味方が欲しい」とずっと思ってきた。それは今でも変わらないけど、またいつか味方になってくれる人に会えるような気がしている。

親に関してはこのまま会わない方がよい気もしているのでゆっくり考える。

この2年間、本当に疲れてしまって、でも少しだけ休憩できそうな感じがしている。

私は自分の力で手に入れたこの安寧の場所で、もう少し充電したいんだ。

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