2017-09-30

LGBT市民権を与えたのは保毛尾田保毛男であるという仮説

保毛尾田保毛男の復活でフジテレビに抗議が殺到しているという。だが、あのテレビキャラクター存在があったからこそ、「ホモ」(現在では適切な言葉はいえないが、あえて書く)やLGBT市民権を得られたという側面も無視してはいけない。

例えばネイティブ・アメリカンを「発見」し、ヨーロッパに伝えたのはコロンブスである。同様に保毛尾田は、まったく理想的ではなく、乱暴な形ではあるがホモテレビで取り上げることにより大衆にその存在を知らしめたのである

確かに保毛尾田が演じたキャラクターホモを嗤うものであり、ネイティブ・アメリカンコロンブスを嫌うように、当事者にとっては全く笑えない話であるしか教科書に載っていなかったLGBTという存在が、まったく理想的ではなく、乱暴な形ではあるが世の中に認知され、たった数年で市民権を得たのである

市民権を得るとは、つまり一般」枠で扱えるようになるという意味だ。今日でも、LGBT素人をどう扱うかは慎重さを要する。街頭インタビューなら「新宿二丁目の声」といった枠を用意すべきだろう。だがタレントならば「オネエ」キャラ確立されており、「お笑い」や「スポーツ選手」などと同じ「一般」枠で扱うことができる。

保毛尾田が市民権を与えたとはいえ、まったく理想的ではなく、乱暴な形だったので保毛尾田さえいなければ世界もっと平和だったと言う人もいるだろう。逆にLGBTもっとアンタッチャブル存在になった可能性もある。たとえば「障害者」は広く社会認知され活躍もしているが、「一般」枠ではない。

同様に市民権を得たのが「オタクであるイメージが最悪だった「宮崎勤」の頃からどういう経緯でここまで来たのかは識者の解説を待ちたいが、「電車男」のようなドラマの影響もあったのだろう。今では「ガンダム芸人」「家電芸人」のようにキャラ確立され、テレビで出るオタク話題に眉をひそめる人はいない。

我々がより深く考えるべきは、なぜ保毛尾田保毛男などというキャラクターが生まれたのかという背景だ。ネット上ではテレビ人間小馬鹿にする風潮があるが、これは大きな間違いで、キー局人間は極めて優秀だ。確実にヒットを飛ばせるような神通力はないが、およそ視聴者が思いつく程度の批判は予見している。

また、スポンサーへの抗議はテーマによっては有効だが、バラエティ場合はそうではない。スポンサーは、決して世間からそう思われないよう気を付けているが、低俗番組を求めている。スポンサーが求めているというのは、つまり消費者が求めているという意味だ。

一方で芸能界芸能関係者の中にLGBTは多い。石橋貴明というタレントの交友範囲を考えれば、LGBTネタにすることに相当な躊躇いがあったもの想像できる。ネタの中でも保毛尾田は、「ホモというのは、あくまで噂」とブレーキを踏んでいる。LGBTと日々接する中で、テレビにおけるLGBT地位、つまり世間におけるLGBT地位を向上させようと、石橋なりに取り組んだ結果なのかもしれない。

もっともこうしてネットが普及したことで、テレビでの地位世間での地位が必ずしも一致しなくなった結果、「復活」に抗議が殺到しているのは時代の変化だろう。

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