Aさんがいまだ、彼に会いたがっていることに、不思議な感じがします。
どうしてこの状況で、まだ会えると考えることができるのか?
なぜ、ふたりきりで会話できると思っているのか?
ふたりで会話をしたとして、どういう落とし所を期待してるのか?
CTOにとっては、不倫が暴露、拡散され、もうキャリア的な状況は終了しているわけです。
ポルノ動画まで公開され、親、同僚、仲間への面目がありません。
キャリアは大きく傷つき、周りからの仕事においての信用も落ち、
友人知人からの擁護でどうにか精神を保っている状況じゃないでしょうか。
これだけネットで広まってしまえば、Aさんとよりを戻す理由はありません。
会う理由もありません。
あるとしたら、死んでほしくないからということだけ。
だからAさんも死ぬことを最後の盾にし、行方をくらましている。
その結果を作ったAさんとの関係はほぼ終わったのです。
理由がありません。
対外的にも「あの女と付き合うのか」「そんなことができるのか」
まわりが止めるでしょう。
そのことからも、Aさんに戻ることは考えられません。
人として、奥さんを何度も裏切ることはできないでしょう。
あとは、これ以上、キャリアを傷つけられず、穏便に終わるのを
期待しているはずです。
AさんにとってはまだCTOと恋愛関係をつなぐという一縷の望みが
あって会いたいと言っているのかもしれないけれど、
CTOにとっては、生活すること、つまりキャリアを潰さないことが
最後の砦であり、これを壊されたくないと思っているはず。
ただし、悪評がついてまわることが予想できるので、
これ以上傷口を広げないために、できるだけ、穏便に済ませたいのです。
CTOにとってはまだ終わりではなく、これ以上生活をめちゃくちゃに
されたくないのです。
なぜこうなったのか? それを示すことは、ボロボロであれ、
判断材料があれば、まだ、「そうだったのか。気持ちはわかる」と
なるからです。
奥さんへの謝罪を書いたのも、その一環です。
保身といえば保身ですが、これはしょうがありません。
生き延びるために身を守ることは、当然のことです。
Aさんのように破滅的な行動はできません。
Aさんにとっては、人生は終わったのかもしれないけれど、
CTOにとってはもう修復が始まっているのです。
ダイアリーの手紙は傍観者も含め、全体に向けられて書かれてたものです。
Aさんへの謝罪文だけではありません。
考えていることでしょう。
痛くも痒くもないようです。
しかしCTOにとっては人生終わったと感じるほどの痛手だったはず。
Aさんにとっては、この不倫暴露騒ぎは、まわりが感じているよりも
懸念されるのは、どうにかCTOと会い、目を潰すなどして、彼の人生を
めちゃくちゃにしようと思っているのではないか、ということです。