多くのエンタメ物語は、クライマックスとして何らかの問題を解決しなきゃいけないわけだよね。
問題っていうのは「解放軍を弾圧しようとする黒い枢機卿を倒す」でもいいし「柱の男を倒す」でもいいし「村の意見を一本にまとめる」でも「幼なじみのあの子に告白して成功させる」でもいい。
んでもって、昭和40年位までは(特に漫画の世界では)、「主人公が気合を出せば解決しても良かった」んだよ。つまり、問題原因が読者から見ても悪である場合、「くそがー!ぶったおすうう!!」で解決しても、読者はスカッと爽やかに納得してた。
そのころは「どういう理屈で勝てたのか?」は重視されなかった。というか「正義は勝つ」というのが背景の理屈として機能してた。
しかしそれ以降価値観が多様化するに従って「どっちも正義」みたいなのが出てくるのと並列で、「なんで弱い側が気合だけで勝ってるの?」という疑問が生まれてきた。読者から見て「ああ、主人公はAという具体的な理由があったから勝ったんだな」っていうのが必要になってきた。そうじゃないと説得力がなくなってきた。
そこで価値を再発見されたのが「すごい血筋」で、この作法の時代は長く続いた。たとえばドラゴンボールの悟空は「サイヤ人という血筋」だから強い。NARUTOも落ちこぼれという設定だけど、実は火影の血筋だ。もちろんかれらは修行(=努力)もするんだけど、その血筋が「勝つ理由、強い理由」の説明になってる。でもやはりこれもある種のストレスはある。読者はだって、選ばれた血筋じゃないので、「天才はいいよなあ」みたいなしらけを呼ぶ可能性はあるから。
そういう系統の物語に一石を投じることになるのが、頭脳バトル系の作品で、この系統の作品は、問題解決のための過程を具体的に、ある程度理詰めで説明していく。問題にぶち当たった主人公は、そこで問題について考え、何らかの作戦を実行し、「その作戦が図にあたった」から勝利する。ジョジョなんかはこの系譜。もちろん勇気みたいな内面も重要なんだけど、「その問題がなぜ脅威か」「なぜ恐ろしく無敵に見えるか」が語られて「その問題の性質」「意外な弱点」「スカッとする対応作戦」と話が進行していく。その具体的な筋道に読者は深く納得できるし、この手法ならば、血筋なんていう不平等に頼らないでも物語構築ができる。
すげー長くなった、だるい、ごめんなさい。セプク。
んで、最終段落なんだが、結論から言うと「異世界に飛ばされて現代知識で問題解決」はこの「頭脳バトル系」の系譜なんだよ。何が素晴らしいって「起きる問題」も「(頭脳的な)解決方法」も地球の中世からルネサンスの歴史上実際起きたことなので、作者が緻密に作りこまなくても、そこそこ説得力があるエピソードが山のようにあるってこと。元ネタが借りてこられるんだよ。ゆゆっ。そういうわけで、「異世界に飛ばされて現代知識で問題解決」は安心感のあるテンプレになったんだよ。
小説家になろうを知って、これは良い時間つぶしになると 喜んであれこれ読むようになったのだが、 どうにも微妙な気持ちになるものがある おそらく今までも散々言われていると思う...
多くのエンタメ物語は、クライマックスとして何らかの問題を解決しなきゃいけないわけだよね。 問題っていうのは「解放軍を弾圧しようとする黒い枢機卿を倒す」でもいいし「柱の男...
その説明でいくとジョジョは「血筋」「気合」「頭脳」が全て入っているけど、その中では頭脳がいちばん軽視されているような…
そういうのは「ファンタジーに現代知識を持ち込んだらどうなるか?」というシミュレーション的なところが面白いわけだから。
SFが科学知識でそれをやるのと比べると格段に劣ってるよな しかも最近のはファンタジー世界構築すらせずにパロディのパロディのパロディくらいの勢いだからな
過去で俺つええ系は好きだJINとか王家の紋章みたいな ファンタジー世界でそういうのってドリフターズしか知らんが面白いし 書く人が下手だから鼻につくんじゃね
書き手の技量によるところも大きいとは思うけど、むしろ「このぐらいだったら自分でもできそう」感がないと読んでて気持ちよくない層向けとか。 どこかのWeb小説サイトで書いてた友...
超嘘だな。現代知識系には「転生前は学者だったから現代知識をたくさん持ってます」とか「転生後にめちゃくちゃ努力しました」とか普通にあるし。 そもそも何の知識もない平凡な人...
普通にあるし、ってあるだろうけど、何で嘘ってことになるの? 作品はある、文句をつけてくる人がいる、両方矛盾なく成り立つでしょ。
おまえの主張は「そうやって文句をつけてくる人がいるから、現代知識系は『このぐらいだったら自分でもできそう』感がないと読んでて気持ちよくない層向けのジャンルだ」というも...
「そうやって文句をつけてくる人がいるから、現代知識系は『このぐらいだったら自分でもできそう』感がないと読んでて気持ちよくない層向けのジャンルだ 書いてないよ。
そうか。
血筋の力で俺TUEEにウンザリしたからああいう風になってんの。 冒険野郎マクガイバーとか皆川漫画とか、「物理面・装備面・体格・人員といった分かりやすい強みをもつ敵に対し、それ...
http://anond.hatelabo.jp/20160114100606 たとえば、高度に分業化がすすんだ現代において、出先の自動車修理工場でどのくらいの修理ができるだろうか。 ふとした事から中世に迷い込んだ主人公...
先人の知識だろうと、何らかの理由で自分のものとして獲得したものってのが限定的でいいんじゃないの。よくわからんけど 血筋のチカラってほぼ無制限だし
異世界転生ものって前世、タイムスリップ、召喚ものなんかの流れの中に出てきたものだろうけど、転生ものは因縁を断ち切るとか元の世界に帰るとかそういう根本設定に目的がない特...