2015-06-29

コシが強くなめらかな

最近セブンイレブンに行くと苛ついてしょうがないので、ちょっと長文ですが喋らせてください。FBに書こうと思ったんですが、そんな内容でもないし。

何が問題なのかというとあのPB商品パッケージ文言です。アレを見ていると自分言語感覚破壊されていくような印象を受けるのです。

例えば、何でもいいんですけれど、他と比較するためにパスタしましょう。

http://www.sej.co.jp/products/pasta.html

牛肉の旨みたっぷりミートソース

牛肉を高温でしっかり焼くことで肉の香りを引き出し、肉汁も残さずソースに入れて煮込んだ、うま味とコクが味わえるミートソーススパゲティです。ランチなどにいかがですか?

・具たっぷりジューシーナポリタン

ケチャップをしっかり炒めた後、焼いた玉ねぎを加えたソースで麺を和えた、ジューシーな味わいのナポリタンです。

あさりの旨み広がるボンゴレスパゲティ

ふっくらとした食感のあさりを使ったボンゴレスパゲティです。生のあさりから抽出しただしを使うことで、素材のうま味とコクを引き出しました。

高温でしっかり焼くというのは具体的に何なのか。ケチャップをしっかり炒めているから何なのか。あさりの旨みが広がらなかったらどうしてくれるんだ。具体的な言及は極力避けて、徹底して主観的検証しようがない表現だけで字数を稼ぐ工夫がなされているわけですが、わたしは困惑せずには居られない。かつて一部で話題になった、「コシが強くなめらかなひやむぎ」「なめらかでコシが強いそうめん」も完全にこのたぐいの話。別にパスタパッケージ反証可能性要求するつもりはないですけれど、わたしはこれが嫌なのでセブンイレブンには行きたくない

良い例だと言いたいわけではないですが、セブン対照的なのは無印良品ですね。セブンのほうが後発なので、多分に無印のことは研究したのでしょうけれど。

http://www.muji.net/store/cmdty/section/S10807

・素材を生かしたパスタソース 国産牛と黒豚ボロネーゼ

国産牛と黒豚の旨みを生かし、イタリア産完熟トマトと炒め玉ねぎを加えて煮込みました。肉の旨みをシンプルに味わえるソースです。

・素材を生かしたパスタソース 兵庫県産バジルジェノベーゼ

兵庫県産バジルの風味を生かしたソースです。2種類のチーズや松の実、カシューナッツのコクを加え、バジルの風味を引き立てました。

・素材を生かしたパスタソース うにクリーム

新鮮なうにの風味を生かした濃厚なソースです。生クリームを加えたなめらかでコクのある味わいです。

うにクリームは正直セブンと大差ないですが、それ以外の2つのように(ほとんど無駄に思えるくらい)客観的表現を多用するのが、無印良品の特徴だと思います。実際には本当にバジル兵庫県産なのかどうかを検証するような暇なやつもいないでしょうし、無印をおいているコンビニではTポイント攻撃が待ち受けているわけですが。

こんな下らないことに違和感を持つひとは多くないようで、検索してみてもむしろナイスネーミングセンスみたいなことを言う人のほうが多いようです。実際セブン&アイものすごく儲かっているわけだからその原動力たるPB商品ケチつけても正当な反論がビシッと返ってくるのでしょう。要するに客に約束することを極力減らすことによって、実装を組み替える自由を確保して、最終的にコストを下げるという作戦だとは思うのですが。

ただ、こんなつまらない文章で埋めなければならないほどパッケージが殺風景なのであれば、パッケージを多言語にするほうがよっぽどいいとわたしは思うのです。せめて飲み物パッケージには英語くらいつけてやれと。

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