2015-04-08

サイペの感想

2015年版の演出家はあまりきじゃないのだが、メインビジュアルが好みだったのと、バンドメンバーも好みの布陣だったので観劇

初演再演は未見。当時のキャストスタッフPVのみ確認しており、その他は前知識ゼロの状態。

初演制作会社の傾向から厨二病物語だろうと予測はしていたが、想定した以上に20世紀厨二病が炸裂していた。

古き良き時代文化だとは思うんだが、いかんせん若くてお綺麗過ぎるキャストが演じているから、ダサさが魅力的に見えず残念臭ばかり残った。

いろいろ無理がある…観ていてキツイな、と思うシーンのオンパレードであった。

役者の実力が無い訳ではなく、戯曲絶望的につまらないのでもなく、演出家らによる適切な調整が行われなかったためではないかと、この不完全燃焼感を分析する。

例えば、主人公が小柄でヒロインとの身長差があまり無いのに、主人公衣装が薄く細身のシルエットで、ヒロイン衣装が厚く重心も重そうで髪もロングヘアだと、パワーバランスが悪過ぎやしないか?

ショートカットのサバサバしたヒロインにするとか、主人公双子のようなビジュアルにするとかすれば、主人公ヒロインへの執着にもまた違った色合いが出て面白いかと思うのだ。

ショートカットヒロインもっと増えるべき)

兄貴分と主人公が並ぶと、仲間・親友という印象よりもそこそこ年の離れた兄弟に見えてしまい、ラストどんでん返しが不憫でならなかった。ここもパワーバランスが悪過ぎると思った。

少しでも、2人が対等に見えるシーンであるとか、思い出語り以外の・現在進行形で絆が見えるシーンがあれば、まだどんでん返しに感じるところもあっただろうに。

何より、主人公世界を救うという流れが、全然ピンとこないのが台無しだった。

それは設定説明がファンタジー過ぎて問題と解決方法に実感が湧かなかったこともあるし、キャラクター・各陣営目的がとっ散らかっていたことが原因だと思う。

特にバンドの野外ライブへかける想いが全然伝わってこなかった。

ダブルブッキングは不味いことだと思うが、野外ライブバンドにとってただの日常出来事ではないのか? 特別意味価値があったのか?

いや、特別意味を持たせて、仲間や日常を選ぶか、惚れた女と世界を救うという甘美な響きを取るか、葛藤するシーンを解りやすく描くべきだったと思うんだ。

だって他のシーンがあんなに昭和厨二病炸裂してるんだぜ? トンマナ揃えろよ!

細身で薄着の男性陣と、肉感的でボリュームのある衣装女性陣、というアンバランスさも、問題トンマナ揃ってないってことだ。

気持ちとしては、古典を観たような気分である

また先の未来で上演されることがあるなら、今度は面白演出された作品になっていてほしいものだ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん