2015-01-23

リタイア忌避で働き続ける日本人男性のお陰で、年金財政はそんなに悪くない

★よく「年金はこのままだと破綻する!!」と恐怖感をあおる報道がなされる。

 或いは、金融機関とか保険会社が、「だから養老保険に入りましょう」とセールストークする。

 でも、年金が「見込より2~3割程度少なくなる」ことはあるかもしれないが、

 「年金が見込みより半額以上減る」ことは現状考えづらい。

 「半額以上減る、破綻する」と不安煽って商売する金融機関雑誌テレビは猛省すべしだと思う。

 彼らのせいで、日本人経済行動が過剰貯蓄になり、さら不安先行心理になって、出生率まで影響しちゃう

★これは私見だが、日本年金財政は、実は雑誌が煽るほどには悪くないんじゃないか、と思う。

 出生率の予想は外し、利回りの予想も大外れなので年金財政悪化方向であるのは事実だが、

 一方で、「70歳近くまで、年金を受け取る側じゃなく、年金を払う側」に回る人も多い。

★実は、65歳以上高齢者の「就業率」国際比較データを見ると、日本は突出して高齢者就業率が高い。

 社会学者は、その理由を「日本年金水準が低いから(現役時代所得代替率が低い)」の一言で説明している。

 実際「年金水準が低いから、仕方なく働かざるを得ない」の理由な人も多いだろうが、

 それだけでこの高就労率を説明できるだろうか?

 「経済的には働く必要もない」のに「リタイアするのが怖い、リタイアすると生きがいが無くなる、自分の居場所として職場が欲しい」

 という「精神理由リタイアしない人」も、日本では結構多いんじゃないかと思う。

★成人になるのに、社会によっては「通過儀礼」を行うケースがある。

 昔の日本元服式、今の成人式、未開部落ではバンジージャンプ韓国では徴兵制

 今の日本では成人式通過儀礼になってない。だから精神的に大人になれない、なりたくない20歳以上」が増えてる。

 ・・・老人も全く同じである

★60~70歳男性にとって、「退職」とは一種の「老人としての通過儀礼」。

 しかし、「自分は老人だと認めたくない、精神永久青年」が増えているため、

 「老人としての通過儀礼であるリタイア」を極力後倒ししようとする日本人男性が多い、それが「60歳代後半の異常な就業率」の正体では?

★ちなみに、日本の平均リタイア年齢が69歳程度なのに対し、フランスは60歳を切っているらしい。

 かの国では、「老人になることを受け入れる」精神風土があるのではないか?

世界23カ国に「シニアの勤労意識調査」を行った結果、

 22か国では「働く必要があると考える年齢」より、「リタイアしたいと思う年齢」を下回ったらしい。

 世界的には、大多数の人は「もっと早くリタイアしたいのに、経済的にやむなく働かざるを得ない」

 唯一日本のみが「働く必要があると考える年齢(60歳)より、もっと長くまで働きたい(62歳)」と回答したらしい。日本人リタイア拒否症状は重症

★また、『職位では特に管理職が、より長く働きたいと考える結果』だったらしい。

 この調査結果は、すなわち、日本人リタイア後倒し現象が、経済的理由に起因するものではないことを裏付けている。

 管理職なら、経済的には『働く必要がない』のに、あえて働いている。

 恐らく、管理職の『まだまだ若いモンには、ウチの会社は任しておけねぇ』という訳判らない『責任感』が、

 リタイア先延ばしにつながっているんだろうなあ。

★これ是非とも、「年収資産」と「いつまで働きたいか?」のクロス統計を見てみたい。

 諸外国だと『年収資産が多いほど、希望リタイア年齢は低い』の相関関係だろうが、

 日本だと『年収資産多寡希望リタイア年齢は無相関』、ないし海外と逆相関の可能性も。

  • http://anond.hatelabo.jp/20150123232043 ★ここで大胆な仮説を書いてみる。  「日本のリタイア年齢の後倒しの背景として、孫が出来る年齢の後倒し、ないし孫無し老人の急増」が関係している...

    • 面白い仮説だとは思う。 ただ、俺は日本人男性のリタイアが遅いのは「会社員生活以外のものを築けなかった人間が、引退して自分には何もないことを知りたくないための逃げ」が主な...

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