私の仕事柄(開業カウンセラー)、巷のカウンセラーのWebサイトを見ることが多い。
(もちろん、これだけですべての日本の開業カウンセラーを網羅できているとは思ってはいない。)
ただ、(少なくとも)Web上でどのようなコンテンツを展開してクライエントを集客しているかは
参考にしようと思っていた。
そうやって約2年ほどウオッチしていたのだが、
開業カウンセラーがブログなどで投稿する内容というのがおおよそ以下の通りだと知った。
今日はこんなことがあってハッピー、こんなことで幸せ感じました、といった幸せ報告
ちょっと悲しいことがありましたというしんみり報告
有名な誰々さんと一緒ですという報告
売れっ子カウンセラーへのやっかみはないようにしたいが主観的な話なのでそれは除外するのは難しいことを
承知の上で書いてみた。
カウンセラーがハッピーです、しんみりしてます、誰かと一緒です
と報告している記事を見て、苦しみを抱えている人は何かしらの利益を享受するのだろうか。
私はそうは思えない。
ハッピーですと言われても、「あっそう、よかったね」
しんみりしてますと言われても、「そんなこと言われても」
誰かと一緒ですと言われても、「だから何?」
という反応になるのではないだろうか?
2:セミナー
全国的にカウンセリング料金は平均して7千円(1時間)くらいらしいが、
仮にセミナー参加費を5千円にして、10人集めて2時間セミナーをすると、
2時間で5万円の売りになる。
カウンセリングだと2時間1万4千円なので、4倍近く効率よく売上が上がる。
もっとも、会場費や広告費などの経費を引くと利益はもっと下がるだろうが。
また、セミナー自体がカウンセリングへの誘導にもなっているのだと思っている。
「こんな素敵な先生なら話を聞いてもらえそう」
という心理に持っていくことがもしかしたら一番の目的かもしれない。
もし仮にそうだとしたら、セミナーに参加している人たちは、
貴重なお金を払って広告を見に行っているようなものではないだろうか。
人が何にお金を使おうが勝手ではあるが、それはあくまで主体的判断があっての話であり、
心理に関わるものがお金を使わせるように働きかけることはいかがなものだろうか。
私は以前とある自称売れっ子カウンセラーにメールをしたことがある。
『〜したら幸せになれる』と断言されてましたがどのような根拠があるのでしょうか」
それに対する返信はこうだった。
「私のクライエントさんのうち5名くらいの方が私の意見に『そうだそうだ』と言っておられたからです」
5名…。
もしかしたらその断言が書いてあるブログを見て、実際にやってみて幸せになれた人がいるかもしれない。
しかし、見方を変えると5名しか共感していないのに、その根拠を示さず、幸福論を掲げていることになる。
とある悩みを持っている人が売れっ子カウンセラーのブログに行き着く。
(大抵こういうカウンセラーはSEOがされてて上位表示されやすい)
幸せになる方法をやってみたけれど、幸せを感じられない私はもう幸せにはなれない。』
このように感じる人がいてもおかしくはない。
でも、このように感じる人がいても売れっ子カウンセラーは何も変わらない。
何故ならそういう人がいるということを知り得ないから。
カウンセラーという言葉から、「話を聞いて悩みを解決してくれる人」という
イメージがあると思う。
さらにそこから「悩み解決=人生の達人」的なイメージにまで広げていっているカウンセラーがいるように思えてならない。
私はカウンセラーはクライエントとともに悩みを共有し、クライエントが悩みを乗り越える、受け入れる、自立できる、
わかるわ カウンセラーも芸能人なんかと同じで ウェブで自分語りなんてしちゃったらありがたみなくなると思うんだよな