2012-01-03

オープンソース活動における燃え尽きの12段階

The burnout cycle (Jono Bacon, Nov 2010) (PDF) の一部より。

1 自分価値証明することに駆られる

燃え尽きの最初の段階としてよく見られるのは、自分価値証明したいという欲求です。

その根幹には、自分仕事が軽んじられているという不安感があります

燃え尽き症候群患者は、自分価値証明するため、より多く働こうとします。

2 頑張る

時間働くことは燃え尽き症候群の初期段階に見られる兆候です。

他人に自分価値を知らせようと思うあまり

自分いかにたくさんの結果を出しているか証明しようとして、

頑張って長く働くこうとします。

夜遅くまで働きつづけることも珍しくなく、

オープンソースソフトウェアの活動の場合はさらにそれが顕著です。

たくさん働けば自分価値もっと分かってもらえるという信念のもと、

午前2時や3時まで働いたりもします。

3 欲求の無視

この段階になると、眠ること、食べること、友達と遊ぶことなどは単なる「娯楽」であり、

仕事への集中を妨げるものとして位置づけるようになります

自分価値証明しようという欲求があまりにも強い状況であり、

より多く働くことが最優先事項になります

誰かに誘われても、断ることに抵抗を感じません。

また、働きつづけることに抵抗を感じなくなります

深夜や早朝に働くことは珍しくなく、

カフェインを多く摂取するため睡眠不足になり、

日中に疲れが残りイライラするようになります

疲れがたまっているために料理不要な雑用と思い、

ジャンクフードなど簡単な食事で済ませるようになります

4 葛藤の置換

この段階では、異変に気づいた身近な友人や家族から大丈夫かと尋ねられるようになります

それでも本人は、自分大丈夫だと固く信じており、

家族や友人の言葉を余計な心配だとみなします。

ただやることが溜まっているだけだと言って、彼らの気遣いを聞き入れません。

5 価値観の修正

この段階では、仕事へのこだわりが強くなることにより、

それまでの価値観において大切にしていた、友人や趣味といったものを脇にのけるようになります

仕事でよい結果を出すことが、成功をはかる唯一の指標になります

積極的に友人から距離を置くようになります

燃え尽き症候群過程において危険なのがこの点です。

人付き合いや家族時間を過ごすことが、もはややりがいのある大切なことではなくなります

むしろそうしたものは、やりがいある仕事へのさまたげになる、と考えるようになります

もっと働かなければならないから、と言い訳するのに抵抗を感じなくなります

いつ尋ねてもダメだと言うので、友人から誘われることもなくなっていきます

6 問題点の発生を否定する

この段階では、不信感、狭量さ、攻撃性が顔を出してきます

同僚がバカでとるに足りないことばかり言うように見え、

どんどん生じてくる問題の原因として、

時間が足りない、同僚が無能だ、仕事の分配が不公平だ、と文句をつけるようになります

睡眠不足により疲れがたまりジャンクフードカフェインのせいでかなり不健康な状態になっています

自分価値証明しなければというプレッシャーのもとで、

自分を情けなく思うと同時に、まわりは自分のつらい状況を理解してくれない、と感じます

他人に向かってわめいたり手をあげたりするようになり、

口喧嘩しかけることが増え、謝罪することに抵抗を感じるようになります

生きることがつらいと感じるようになります

7 引きこもり

他人との接触や人付き合いを最低限に抑え、

許容限度以上の時間仕事に費やします。

燃え尽きが進行していくという感覚をやわらげることが重要になってきます

酒を飲むこと、あるいは薬に頼ってストレスを解消しようとします。

何に頼るかはそれぞれですが、通常よりも深くそにのめり込みはじめ、危険な兆候が出はじめます

8 明らかな行動の変化

友人、家族、同僚からみて明らかにおかし奇行をするようになります

本来のその人でなくなったということが、近しい人の目にはっきりと分かります

身体的に疲れ果て、頭痛、肌荒れ、意欲の低下など健康上の問題が生じます

対人関係にプレッシャーを感じ、とくに深夜、鬱が強くなります

9 人格解離

この段階では、自分にはなんの価値もないと感じるようになり、

自分がかつてやっていたことへの自信を失います

自分人生が、機械的で感情のない歯車連続のように感じられます

自分価値を誇示したいという願いも弱くなり、諦めてもいいかと思うようになります

10 空っぽ感覚

自分空っぽになったという感覚を強く感じるようになります

より頻繁に酒、薬、過食、異常性欲、その他の奇行破壊衝動などに逃げ込むようになります

鬱がさらに進行します。

11 深刻な鬱

この段階では、失望感喪失感、消耗感を感じ、将来を楽観視する理由をほとんど見出せなくなります

12 燃え尽き

この最後の段階では、自殺と逃避への渇望とを感じるようになります

精神と身体が崩壊する寸前であり、医師の介在が必要です。

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