2023-06-12

障害ある子供普通学校普通の学級に行かせるな

障害ある子供の親御さんたち、教育委員会先生たちの薦めを無視して無理矢理普通公立校普通の学級に入れるのはやめろ。

発達障害やら何やらあるが、全国の支援学校支援学級に在籍している知的障害割合が1番多いため、主に知的障害の子供について話す。ただし、他の障害種別でも通用する話ではあると思う。

だいたい、文頭で指摘したような、障害がある子を無理やり他の子と同じ環境に入れたがるような親というのは

自分の子供に障害があることを頭ではわかっていても認めたくない。

特別支援学校(学級)やそこに通う子供、あるいは障害者それ自体に対する強い偏見がある

子供のヤバさ(学力の遅れや集団に馴染めないなど)をきちんと把握できてない

のいずれか、あるいはハイブリッドなのだテレビ等でよく美談のように語られる中では「普通学校で学ぶことの方が様々な経験ができる」みたいな、あたか子供のためを思っているかのような美辞麗句で誤魔化すが、大体はこのどれかに当てはまる。

そもそも普通公立校に通うことが本当に障害ある子供のためになっているのだろうか?中には他の子とお互い刺激しあって力を伸ばす子もいるだろうが、ごくごく一握りだと思う。大半は勉強についていけず、お客さん状態(授業中、発言もできずただ終わりまでぼーっと座ってるだけ)になっているのが関の山だ。仮に学習についていけているとしたら、先生学校の大変な努力配慮の末に辛うじて成り立っているものだろうし、おそらく長くは続かず、学年が上がり内容が難しくなっていくごとに真綿で首を絞められるが如く状況は厳しくなっていく。

そもそも、そのように学習に大変な配慮必要とする子が学級にいることで、先生負担は遥かに増す。私学ならともかく、公立校教員に「一部の子は見捨ててでも授業の進度を優先する」という選択肢はないに等しい。つまり理解に困難を抱える子供への授業作りが主となってしまい、授業内で応用的な内容、ハイレベル適用問題などに取り組むことが難しくなる。また、授業は普通に進めるが、その分ついて来れなかったところは放課後につきっきりで学習するという手もなくはないが、それをするということで先生負担が増えているというのは火を見るより明らか。そして先生負担が増えると困るのは誰か、皺寄せが行くのは誰か。その学級の子である。無理矢理普通級に障害ある子供を入れることにより、巡り巡って自分たちの首を絞めている。自分だけならまだいいが、影響は大なり小なりそのクラスの子供全員に及ぶ。

障害のある子が特別支援学校特別支援学級に入るプロセスのことを「就学相談」や「就学指導」などといった呼び方をする。

おおまかなプロセスとしては

幼児期からの発達の様子を見て、幼稚園保育園などから声がかかる、あるいは小学校入学前にある就学時検診における知能検査などの結果を見て、もしくは小学校中学校在学中に随時学校教育委員会から就学指導を薦められる。

公的機関医療機関などで発達検査を受ける。

③発達検査の結果から教育委員会の人などがその子にあった判定を下す。

④次年度以降、③で出た判定の進路へ進む。

といった流れである。だが、保護者はこのプロセス中いつでもキャンセルができる。保護者が嫌がれば就学指導は中止され、自動的普通公立校普通の学級に行くことになる。また、③で特別支援学校判定が出たとしても「普通公立校支援学級ならギリ許すけど特別支援学校お断り」みたいなパターンもある。というかこのパターンは割とよくある。(普通学校支援学級在籍者のうち、体感1〜2割はそれ)

ここで曲者なのは保護者意向次第でいつでもやめられる」ということ。冒頭で示したように、自分の子障害があると認めたくない人や偏見を持っている人は、そもそも就学指導の話を持ちかけられた時点でブチギレる。プロセスの途中でも、他所から変な知識を入れ知恵されて突然やめたりする。そうなるともうお手上げである。冒頭の黒ポチ3つめのパターンも厄介といえば厄介だが、子供のヤバさに気づいてくれたら考え直してくれることがよくある気がする。(まあ気づくまでに何年もかかって、結果勉強理解は同学年の子より遥かに遅れて取り返しがつかなくなっている事が多いのだが。)

もう一度問うが、無理矢理普通学校普通の学級に行かせることが子供のためになっているのだろうか?

就学指導で「貴方の子特別支援学校判定です」と言われたということは「お前の子バカガイジなんだ」と言われてるように捉えるかもしれないが、そうではない。その子特別支援学校で学ぶことが合っているというだけの話である。それによって何ら人格が貶められることはないし、就学相談に携わる人間は誰もそんなこと思ってない。

環境の面でも大きな違いがある。小学校ではクラスの定員は35人だが、支援学級なら8人、支援学校なら6人であるちょっと考える頭があれば、これだけで雲泥の差とわかるだろう。さらに、支援学校担任が2名になる場合もある。また、学校設備面でも、当然普通学校と比べ遥かに充実している。教員免許特別支援学校用の免許のため、専門的な知識を身につけた教員ばかりなのである。(当たり前だが、普通小学校には小学校教員免許しかない人だって当然いるのだ。)どちらで学ぶことが、子供本人のためになるだろうか、子供本人の成長につながるだろうか。

更に言えば、障害ある子供の将来に関してもやはり特別支援学校にはアドバンテージがある。特別支援学校では「作業学習」という時間があり、職業訓練のような事もする。また、特別支援学校であれば、障害のある人でも就職給料を稼ぐことのできる職場とのコネクションもある。普通校では作業学習時間はないし、就職支援だって特別支援学校専門性には敵わないだろう。

長くツラツラと書いてしまったが、世の保護者に言いたい。自分の子障害があり、特別支援学校特別支援学級で学ぶことを薦められたら、どうかその通りにしてあげてほしい。教育や発達に関してある程度知見を持った人が何人も集まってそういった判断を下しているので、それを無視して無理矢理普通クラスで学ばせることは、本当に子供のためにならない。親のエゴしかない。親のエゴ普通学級に入り、理解が難しい授業を一日6時間聞き続ける生活を何年も強要しないでやってほしい。その結果(必ずしもこうなるというわけではないが、一例として)小5小6や中学生になっても九九の3の段も言えなかったり、小3になってもひらがなの50音が読めないような子を生み出さないでやってほしい。その子たちは、その子たちにあった環境勉強していれば、もっと伸びることができたかもしれないのだ。

親のエゴ普通学校に通わされ、勉強が十分身に付かず年だけくって卒業していく子供のこれから人生における苦労を考えると、気の毒としか言いようがない。

  • 一日中ずっとわけもわからない授業をお経のように聞かされるといっても、授業内容そのものより、同じ地域の子どもたちと一緒に過ごすことこそが大事なんじゃないかな。 普通学級へ...

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