2013-06-24

鳥人間コンテストは選ばれた人のものになる

鳥人間コンテストを提訴「落下の衝撃で動けない身体に…」 (女性自身) - Yahoo!ニュース

鳥人間コンテストの事故について、鳥人間の立場から考える - Togetter

ふとこの記事に思う所があったので書いてみるよ。

先に結論を書いておくと、

'選ばれた人のためのスポーツになるしかいかもね'

と僕は思ってる。

その結論に至った

という 3点について書くよ。

1 点目

提訴したのは妥当な判断だと思う。いろんな事が明らかになるだろうし、パイロットが100%悪いという判決にも無いらないと思う。現時点でどういう条件(示談条件とか、パイロット希望すること)があるのか明らかでないので、他のやりかたがあったかどうかはわからないけれども。

公の場で一定見解が示されるのも良いことだ。ただ、これで人力飛行機大会がずっとなくなる。ということだと、人力飛行機業界は衰退するだろうね。

2点目

さて、読売テレビがわるいのだ。棄権を許さないルールとか許せん。というのは、確かに正しそう。

でも、いま読売テレビが取れるオプションというのは、大会実施放棄しかない。

いろいろ、安全対策したって、けが人が出る時はでるし、お金はかかるばっかりだ。

そもそも、この大会お金にならないので、2009年に中止されてる。(Wikipediaみてね)

TVがやらなきゃ、大会が開けない状況ってのが、多分業界にとっては一番嬉しくないところだ。

TV局がやらせないように恫喝してるみたいな話もあったけれど、実際は

という、もろもろの、面倒くさい手続きと、お金の用意をTV局以外が出来ないからだよね。

だれかが、それを全部やって黒字にできるなら TV局を外して、もっと安全で、競技性が透明な大会をやればいい。

TV主導でやると、どうしても演出優先になるから

選手権大会をうたってるけど、予選も開けないから、よく飛ぶ機体ばっかりじゃなくて面白い機体が選ばれる。そして、大会に出たいけど実績不足&おもしろさ不足で出場できたないチームも全国にはあるんだよ。

そういう意味であんまり競技性が透明な大会ではないんだ。

でも、面倒くさい手続きとお金の用意が出来る人が、TV局以外にいないんだよね。

あと、TVに映して貰える最大のメリットって、鳥人間に参加したいという人を確実に作ってくれる事。

あの機体つくるのって、数ヶ月にわたって黙々と部品を作って組み立てる超地味な作業なんだぜ。

それを楽しい誘惑ばかりの大学生に強制できるのって、あのTVからくる憧れの部分も強いんだ。

数十人のチームメンバーを、延々と地味な作業に当たらせて、そして結構お金も払わせて、それでもなお、飛行機を作りたい!と思わせるには、甲子園みたいな場所必要なんだよ。

お金と人脈と運営能力のある自立した運営委員会と、演出を強要しないTV局が組めるといいんだけどね。

でもそれってF1以上に、人気のあるスポーツってことかも知れないよね...

3 点目

あんまり大学先生を責めると、大学チームはなくなっていくよ。

今回の事故チームは国立大学のチーム。顧問教授など教員だろう。理系大学教員てのは、ものすごい忙しくて、プラーベートなんか無いくらい、人生研究にささげてる人が多い。

そんな中で、顧問を引き受けるというのは、本当にリスクしか無い。とくに、こういう事故のある競技だと。

本業ブラック企業並に忙しいので、"そんなに人力飛行機サークル監視をしてこなかった"という、顧問言い訳けは、みっともないけど事実だと思う。ようは名前貸しなんだから

ちゃんと管理してれば良かったのだ。と第三者の我々は簡単にいう。じゃあ、ちゃんと材料破壊検査してね、大会と同じ条件で一回飛ばしてね。とか指示したことろで、大学生お金ないし、技量もないからきっとできないよ。(近いことの出来てるチームはあるよ。歴史お金の有るところね。)

先生人間から、苦労して作ってる飛行機は飛ばせてあげたいし、かといって、適当なことして責任を取らされるのは本当につらいし、選べる選択肢の少ない中で苦渋の判断をしてる可能性は高い。

お金も、技量も無い学生に、命に関わるような事をさせるのをやめろ。と言うのがある意味ただしいのかも。

でも、そうすると良いOB(技術指導してくれて、金払いも良い)が居ない大学新規参入はすごく難しい。

一方、私立大学が、大学コマーシャル目当てで、そういう環境を作ることは可能かもしれない。

4 じゃあどうすればよいの

事故の起きない乗り物っていうのは、本質的存在しない。旅客機もたまに落ちるし、地上はしってる鉄道だってたまに死ぬでしょ。だからパイロットには死ぬかもしれんけど行ってきて、と依頼しなきゃいけない。

そんなことをきちんと言えるリーダーは少ないし、大学生若いパイロットがその言葉意味をちゃんと理解して、本当に正しい判断をするのも、とてもむずかしいことだ。

でも、事故確率を下げることは出来る。

とかね。

たぶん今よりとてもお金がかかるし、TV局は手を引きたがる。

それでも、出来る人だけが、やればいいんじゃないかな。

TV放送がなくなれば、人は来なくなるし、そうすると競技人口も減るだろうけど。

地道にちゃんと運営できたら、TV局もどこか着くかもしれないし、そうしたら人口も増える。

でも、きっと新規チームの参入は困難を極めたままになるだろう。

'安全'な道を選ぶと、こういう選ばれた人だけが遊べるスポーツになる。航空スポーツてそういうものかも知れないけどね。

いまみたいに、学生希望すれば近くの大学or自分の入れる大学にチームがあって飛行機が作れるっていう環境はなくなる。その環境維持のために、たまに人が怪我したり死んだりするのを、現代社会は許せないだろう。

そういえば

後遺症が残ったパイロットさんの blog を読んだら、とても丁寧に今回の件を考えていて応援したくなった。

上にかいた事とは関係なく、大学先生や先輩の対応がひどそう。裁判で明らかになると良いですね。

色々言う人も居るだろうけれど頑張って欲しい。

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