2024-01-05

政権交代に向けて(官僚を使いこなす重要さ)

はじめに

岸田政権支持率の下落に歯止めが止まらない。

能登半島地震対応も、その可否はともかく批判材料になっているようだ(個人的には対応問題なさそうだがパフォーマンスが弱いと感じる)。

こうなってくると次の衆院選政権交代が現実味を帯びてくるが、当時政府内の下の方に居た者として、この点だけは改善してほしいところを書いておこうと思う。

社会運動家民主党政権

民主党政権当時、内閣府参与として政権に参画していた、社会運動家湯浅誠さんと言う人がいる。

自身の行っていた取り組みに一区切りがついたということで辞任されたが、その際次のようなインタビューが行われている。

https://web.archive.org/web/20120401011619/http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2012/03/30/20120330dde012040004000c.html

「90年代ホームレス問題に関わっていたころ、社会世論に働きかけて問題解決したいという思いはあったが、その先の永田町霞が関に働きかけるという発想はなかった。こちらが投げ込んだ問題は、ブラックボックスを通して結果だけが返ってくる。『政治家官僚自分利益しか考えていないからどうせまともな結論が出てくるはずがない』と思い込み結論批判しました。しか参与になって初めて、ブラックボックスの内部が複雑な調整の現場であると知ったのです」

 ブラックボックスの内部では、政党政治家、省庁、自治体マスコミなど、あらゆる利害関係が複雑に絡み合い、限られた予算を巡って要求がせめぎ合っていた。しかも、それぞれがそれぞれの立場正当性を持ち、必死に働きかけている。「以前は自分が大切だと思う分野に予算がつかないのは『やる気』の問題だと思っていたが、この状況で自分要求をすべて通すのは不可能に近く、玉虫色でも色がついているだけで御の字、という経験も多くした」

要するにリソースが有限なことや施策を動かすと別の部分に影響が出ることに気づいた」ということだろう。

当時某省庁で課長補佐をしていた俺はこれを読んで激怒した記憶がある。「そんなことにも気づかずに役人にあれこれ指示していたのか」と。

何故か。彼らが政権運営に入ってきた時、東寺民主党政権は、こういった参与がいる場合には、関連施策について参与了解を得ることが必要となっていた。そして彼らは、「リソースが有限なこと」に気づかずに官僚を絞め上げていたからだ。

曰く

言い訳は良いからできる案を考えてきてください」

「たった◯億円の予算くらいなんとでもなるでしょ」

エトセトラエトセトラ

彼らは社会運動家から、自らの関心のある社会問題解決さえすればそれで良いのだろう。ただ、そのやり方を政策パッケージに持ってこようとしていたので現場は大混乱になってしまった。

当然だが、予算を持ってこようとすると他の予算を削る必要がある、あるいは眼前の社会問題解決しようとすると他の社会問題に悪影響である、そんなものゴマンとあり、官僚たちはそのバランスの中で生きているわけだ。

それを引っ掻き回した挙げ句に、「複雑な調整の現場であると知った」と言って去っていった。当時恨んでいた人は多いと思う。

次の政権交代に備えて

経験の者が多数政権に入ってくるであろう。それは当然だ。

だが、そこで民主党政権と同じことを繰り返し、悪夢民主党政権の再来、などと批判を受けることは避けなければなるまい。

そのためには、「何故今そのようになっているか」「何故部下の役人はこの案を提案しているのか」というのを立ち止まって考えてもらいたい。

あとはド素人でもいいけどパワハラは止めてね

まぁゼンブ妄想なんですけどね

  • 東寺いいとこだった?

  • 「以前は自分が大切だと思う分野に予算がつかないのは『やる気』の問題だと思っていたが、」 まさにこれだろうな。湯浅氏は嫌いだが、気付いただけまだましだろうな。 今でもXでフ...

  • >官僚たちはそのバランスの中で生きている いやあ、バランスを、あえてぶっ壊したいから数年の任期で選挙交代する制度があるんでしょ 官僚の役目は長期間専門の仕事に従事すること...

  • 2009と違って参院で野党が過半数取れてないから衆院で自公が過半数われても連立に国民民主とかが加わって終わりやろなあ🙄

  • 反省がないし無理だろ

記事への反応(ブックマークコメント)

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