M2M、IoT、クラウド、エッジコンピュータ、AI、DXなど、それなりの年月をかけてデジタル化に投資されてきた。
ネットニュースを追いかけていると、デジタル化で何でも解決ができそう、という期待を持って語られているが、個人的には疑問がある。
理由1:半導体微細化の進歩が緩やかになり、価格が下がることはなくなった。
理由2:デジタル化によるサーバー代・アプリ開発代など固定費増を持続的にペイ出来るだけの仕事は多くない。既に乾いた雑巾を絞る状態から、更にコスト削減は難しい。
理由4:データの移動だけで解決出来ることは既にやり尽くされている。物の移動が絡まないと解決しないことが多い。モーター制御技術発達が必要だが頭打ち
理由1について。
全ての半導体が1桁nmの先端プロセスが必要なわけではないが、古いプロセスは工場の減価償却が終わっているものは、これ以上価格を下げるのは難しい。
平常化しても緩やかなインフレ状態で、安いから買い放題とはならないはずだ。
理由2について。
BtoCで価格が安いものが目立つので、その感覚でコスト削減しようとするとBtoBでコスト増。
人件費削減で導入し、その後、固定費増に耐えかねて事業自体をクローズ。
個人の利便性を上げる方法はアイデアで溢れるが、売上増など全体のパイ拡大には繋がらず。
中間マージンを取っている既得権益を壊した後は、デジタル業界に置き換わるだけ。
理由3について。
製品発売後のセキュリティサポートをするために、ずっと稼ぎ続けないといけない。
そんなことが出来る企業は限られている。
テレビのようにAndroid搭載したがために、すぐ重くなり使い物にならなくなるといったことは、色んな所で起こっている。
1つの事業が駄目でも他の事業で稼げているようなコングロマリット企業は多くない。
理由4について。
データサイエンス、機械学習、AIなど、データで稼ごうという動きはずっと続いている。
だがデータをバカみたいな量必要で、コンピュータも大量に必要で、電気代も膨大にかかる。
(GoogleとかAWSなどクラウド業界が有利な状況を作り出している。1人の天才に覆されないためにも必要なわけだが・・・)
AIで絵がかけるようになって話題になっているが、じゃあ出てきた絵にお金を払おうとはならない。
他の物についても、データ分析で売上が上がるなんてのは、そうそうない。
通信が十分に普及している現代、生産性を上げるには物の移動をどうにかするしかない。