2022-03-06

フリーゲーム制作者の自分インディーゲーム開発に移らない理由

フリーゲーム制作からインディーゲーム開発に移って良かったこと・辛かったこ

https://note.com/achamoth_haru/n/nf7ea4f647f11

フリーゲームからインディーへの転向例はけっこう珍しいのでこの方のことは積極的応援したい。


さて、私自身は20年以上フリーゲームを作っている人なのだが、上記記事に触発されたので

ここでは私がインディーに移らない理由を、私自身の頭の整理のためにチラシの裏に書き留めておきたい。



自分の作りたいもの市場ニーズが大きく乖離している

端的に言って私はすでに時代遅れ人間であり、私が作りたいものと今の市場ニーズが大きく乖離していることは自覚している。

大昔に私の作品フリーとはいえ数十万件ダウンロードされるヒットを飛ばしたことはあるが、

それは当時の需要と偶然噛み合った幸運に過ぎず、最初から狙ってそうしたわけではない。

私が活躍していた時代と今の時代の状況はあまりにも異なる。


それでも私は、誰にも届かなくていいか自分の作りたいものを作りたいのだ。

インディーに出すならば、ニーズ分析して売れるような作品を作っていくということになるが、

それを突き詰めると私が作りたい作品と大きくかけ離れるので、私がそれをやる意味がないのである

ならば、ダウンロードされなくてもダメージのないフリーで作っていたほうがいいという話になる。



自分ひとりで作れる範囲のものしか作りたくない

ここ4~5年ほどのインディーゲーム界のレベルアップはすさまじく、

グラフィックにせよ音楽にせよ、私の拙い腕では到底太刀打ちできない次元に達している。


その世界太刀打ちできる作品を作るならば、もう私一人の力ではどうにもならないので

素材を専門家外注するなり、サークルを作るなりして他人の力を借りるしかない。

しか他人の力を借りれば借りるほど、その作品は私の作品ではなくなってしまう。

部分的には汎用のアセットも使えなくはないが、それだけで納得の行く作品は作れない。

私はたとえ拙くてもいいので、グラフィック音楽もすべてを自分で作りたいのだ。


それに趣味世界煩雑人間関係に悩まされたくないというのものある。

他人の力を借りるなら、どうしても煩雑な調整事が発生するし、金銭のやり取りもあるだろう。

そんな面倒な調整事に力を使うのは仕事だけで十分であり、楽しい趣味時間にまでそれを持ち込みたくない。


結果、私は私ひとりの力で作れる作品しか作ることができない。

私ひとりの力ではインディー世界太刀打ちできないので、フリーで出せばいいやという話になる。



ゲーム制作人生を賭けるつもりがない

収益化を見据えてインディーゲーム開発に本腰を入れて取り組むなら、人生を賭けた大勝負になる。

今の仕事は辞めるか、あるいは辞めなくても副業といえるほどの時間をかけて取り組む必要があるだろう。


しかし私には子供もいるし、ローンもあるし、人生リソースの大半は本業子育てに割かざるをえない。

私はすでに人生の守りに入っており、博打を打てるような若さではないし、子供人生を掛け金にして博打をするわけにはいかない。

仕事をやめてインディーゲーム開発に転向した人を何人か見てきたが、私にそんな冒険はもうできない。

それでも勝算があるなら冒険してもいいかもしれないが、

売れないと分かっているのに冒険に出かけるのはただの無謀である


結局、私のような立場制作者には、フリーゲーム世界の緩さがちょうどいいのだ。

人生を賭ける必要がなく、負けても大したペナルティがなく、本業を圧迫せず、家庭生活ともなんとか両立できる。

インディー世界に足を踏み込むには、私には守るべきものが多くなりすぎた。



さてここまで私がインディーゲーム開発に移らない理由を述べてきたが、

インディーゲーム開発に足を踏み入れる条件が整っている人には、ぜひ積極的に足を踏み入れるのを後押ししたい。

私自身は、華やかなインディーゲーム界の裏側で今日も細々と誰にも届かない作品を作っていこう。

  • そもそもフリゲーってインディーゲーの下位集合じゃねえか

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