また出版社の連載コンペに落ちました。
連載コンペに出すには、具体的に何をしなければいけないかというと、まずは漫画を描かないといけません。
紙やお絵かきソフトを使って、お話を描くのです。ページ数はそのコンペや漫画の内容によって様々。
例えば16Pを3本、48枚。42Pを2本、84枚。
お話が出来たら、次は絵です。
稀に、「ネームの方が良かったな」という悲劇を避けるために、編集部の人達は絵をきちんと見ます。お話がいくら面白くても、絵が手抜きはいけません。勿論、付加価値の付いてる漫画家達は別です。
ということは、信頼もありません。
編集者はきちんと「この漫画は売り物になるのか」という目線で見ます。
そんなわけで、先程の48枚・または84枚に本番さながらの絵を描きます。
連載となると、どんなキャラが出てくるか、どんな展開になるか、わからないのでキャラのプロフィールも必要です。
これで完成です。
制作期間は様々ですが、だいたい最低でも2ヶ月は欲しいところです。
さてここで、冒頭に戻ります。
48枚が紙切れになってしまいました。絵もまだまだ研究しないといけないみたいです。
研究には模写が1番。自分の絵柄に近い漫画家の本を貯金で何冊か買います。
一応経費扱いにはなると思うのですが、帰ってくるのは来年です。
仕事から帰ってきてから模写する体力があるわけもなく、休日に一気に研究に入ります。
研究してるときにふと、自分がなにをしているのかわからなくなります。自分の漫画に金銭的な価値がないことがわかってしまったせいかもしれません。
こんな時、漫画の主人公なら「売れて見返してやる!」と言うのでしょう。僕もいつも結果的にはそう思います。
そうだ。その漫画を清書してコミティアやTwitterなどに載せるのもありですね。研究をしつつ、漫画を清書して、働く。時間が足りません。
うまく時間を使えない自分もどんどん嫌になってしまいます。目標に沿って、練習するつもりで少しずつ原稿を進めます。
担当さんから催促が来ました。次の連載コンペに挑むために新しいお話を1から考えないといけません。
献本というのは、デビューしたところの雑誌が毎月届くことです。
あー。新連載が何本か始まってますね。自分よりも前にデビューした人です。
『漫画は競争じゃない』という言葉を聞いたことがあります。競争してるわけではないけど、周回遅れは実感します。
才能、運、時間の使い方。メンタルなのか、技術なのかはわかりません。 でも、どこかが劣っているのは確かです。自分に突破できないものを突破してるのは事実ですから。
もう1人の新連載の人は、コミティアからの引き抜きです。この人に関してはスカウトなので、持ち込み投稿した人間と処遇が違うのは当たり前なので特に何も思いません。
絵も技術も即戦力になる人たちを選んでいるわけなので、お話の面は悩んだりするそうですが、基本的には、星3というわけですね。実装された時に最強。
僕は星1くらいですかね。2くらい欲しいところだけど、1ヶ月も、作画で躓いて代原の直しをしてる姿を見るとそう判断を下さざるを得ません。
そういえば、デビューしたての頃や持ち込み時代は自分を星1と評価したことはありませんでした。
それは多分僕たちが見ている漫画を描いてる人達のことを星3だと思っていたから。
そしてそこの世界には、星3しかいないとも思っていたからでした。