2020-06-24

絵をかく気力がない

記憶がない頃から絵を描くことが好きで、ずっと絵を描いてきた。

アルバム写真の私はいつも磁石の描いて消せるお絵かきボードに描いた絵を誇らしげにカメラに向けていた。

別に上手くもないし、美術の道に進んだ訳でもないし、同人誌を作るほどの才能もない。

でも小学生の時も、中学生の時も、高校生の時も、社会人になっても、その時々に好きな漫画の絵をかいていた。

私が最後に絵を完成させたのが5月7日

もう1ヶ月以上前になってしまった。

昔ならこんなに絵をかいていないなんて事がなかった。

高校生になって、社会人になって、昔一緒に絵をかいていた友達たちがあまり絵をかかなくなっても、私は変わらずネットでみるファンアートをいくつになったって描き続ける人達のように死ぬまで好きなものをかくんだと思った。

社会人何年目かに、ある歌手グループを好きになって漫画よりもそのグループMVだったり出演してる映画だったり、そっちをチェックする方が漫画を読むより今の自分の中では楽しくなった。

最初はもちろん、好きなメンバーの絵をかいた。

でも上手く書けない。似ない。納得がいかない。

漫画の絵を真似するよりも、人間自分の絵に落とし込む事が難しい。

漫画に比べて周りのファンアートを描く母数もものすごい減った。

絵をかく頻度が下がった。

でも漫画しろ、なんにしろ、絵がとてつもなく上手い人はそもそもの基礎がある。

美術学校予備校に通って、基礎を身につけているから何を描かせても上手い。

漫画だってきっと人物デッサンから始まって、それをイラストに落とし込んで描いている。

から私は美大予備校をやっている絵画教室の、大人向けのカルチャークラブ仕事終わりに通った。

転職に伴う引越しがあって、長く通えなかったけど1年ちょっと通った。

このスクールに通うのは楽しかった。

行けば「お金を払ってテーマを決められて、絵をかかなければいけない時間」があって、先生が指摘してくれた所を直せば自分一人でかくよりうんと見栄えがよくなる。

でも家で絵をかく時間が目に見えて減っていたから、絵をかかない自分を誤魔化すために通っていたような気もする。

もちろんなんの才能もない私は1年ちょっとデッサン教室に月2回とか通ったからと言って抜群に絵が上手くなる事も、基礎をガッチリ身につけることもなかった。

特に何も身につけないまま絵をかかない人間になる。

また新しい絵画教室に通ったり、自ら進んでもっとちゃん知識技術を身につける勉強をすれば楽しく好きなグループ似顔絵を頻繁にかけるようになるのだろうか。

引越しに伴って一人暮らしを始めた私は絵画教室に通う月謝が勿体無いと思い始めている。

このまま絵を描かない方の人間になるのだろうか。

また何かの漫画アニメにはまれば絵を描く人間に私は戻るのだろうか。

なんだか絵を描く気力がないし、何もアイデアが浮かばない私というのは、持っていた何かをひとつ失くしてしまったようで寂しい。

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