旅人さんが「青い目のやつおるで」って言うたからみんなが自分の目が青いことに気づけたって話やんな。
でも、青い目のやつがおることは旅人に言われんでもみんな知っとったことやん。
せやのに、なんで旅人に言われるまで自分が青い目ちゅうことに誰も気づかんかったんか、不思議やんな。
なんでそんな不思議なことになるんか、おっちゃんが解説するやで〜
A氏「ワイは赤目やろうか青目やろうか。もしワイが赤目やったら……」
て考えるわな。
ここでもし、
オッサン「はぁ? 自分青目やん。なんで自分が赤目やったらとかありえんことを想像するん? アホちゃうん?」
とか言うやつおったら、オッサンの方がアホやってことはみんなええよな?
オッサンは確かにA氏の目の色を知っとるよ。けどA氏はそれを知らんやん。
自分が知っとって相手が知らんことを、相手も知っとるはずやとナチュラルに決めつけるんはアホやで〜
話戻そか。
A氏「もしワイが赤目やったらBはどう考えるやろか。そうやな……」
A氏の脳内のB氏「Aは赤目やんな。ワイが赤目か青目かはわからんけど、もし赤目やったら2人とも赤目やから……」
A氏「せや、Bはこんな風に考えるはずや!」
ここで「A氏の脳内のB氏」なる人物が出てくるのがポイントや。
「A氏の脳内のB氏」≠「実際のB氏」やで。
せやから「『2人とも赤目やから』てなんやねん。自分以外の99人が青目なん知っとるんやから、そんなん考えるBはアホやろ」とか言うオッサンがおったらオッサンの方がアホやで〜。気いつけとき〜。
ほんで、A氏はさらに考えを進めるわけよ。
A氏「ワイの脳内のBの脳内におるCは、このときどう考えるやろか。そうやな……」
A氏の脳内のB氏の脳内のC氏「ほーん。AとBが赤目やから、ワイが赤目か青目かはわからんけど、もし赤目やったら赤目が3人やから……」
ここのポイントは「A氏の脳内のB氏の脳内のC氏」が出てくることや。
もちろん「A氏の脳内のB氏の脳内のC氏」≠「実際のC氏」やし、「A氏の脳内のB氏の脳内のC氏」≠「A氏の脳内のC氏」でもあるから気をつけるんやで〜。
「このC、3人赤目がおるとか有りえんことを考えとるわ……」とかアホなこと思わんようにな。
「実際のC氏」が「赤目が3人やから……」とか考えとったらアホやけど、「A氏の脳内のB氏の脳内のC氏」が合理的に検討する可能性の中には赤目が3人のパターンもあるんやで。
ほんでまあ、あとは似たようなことの繰り返しになるんやけど、そのうちに「A氏の脳内のB氏の脳内のC氏の脳内のD氏の脳内の……氏の脳内のZ氏の脳内の……氏の脳内のΩ氏」まで行き着くわけや。あ、とりあえず便宜上100人目をΩ氏ゆうことにしといたで。
「ワイ以外みんな赤目やな。もしワイが赤目やったらこの村は全員赤目やし、ワイが青目やったらワイ1人が青目や」
もちろん、これは実際とはかけ離れた想像よ? けど、脳内の脳内の……って重ねまくって現実から遠く離れてしもうた想像上の世界におるΩ氏にとっては論理的で合理的な思考なんよ。
せやから「このΩおかしなことを考えとるで。アホや」て思うオッサンがおったらオッサンの方がアホなんやけど、ここまで脳内の脳内の……って入れ子にしまくった論理構造は人間の処理能力を超えとるから、しゃあないで。人類みなアホ、人類みなオッサンや。
もちろん、実際のΩ氏は自分以外の99人が青目なんを知っとるで?
けどな、A氏の脳内のB氏の脳内の……の脳内のΩ氏にとっては「全員赤目」という可能性もあり得るんよ。
どんだけ「実際のΩ氏」にとってあり得ん仮定でも、想像の世界ではそれがあり得てしまうんよ。
その直観と論理が食い違っとる感じが、この問題を分かりにくうさせとるんよ。
さてここで思い出して欲しいんが、旅人のおっさんが言うとったことや。
「この村青い目のやつおるで」て言うとったやんな?
この言葉が出てきた瞬間、さっきまで論理の彼方にあった「『A氏の脳内のB氏の脳内の……の脳内のΩ氏』が考える、全員赤目の可能性」が消え失せるわけや。
村人各々が自分の目で見て知っとる「村に青い目のやつがおる」って情報と、旅人が言う「村に青い目のやつがおる」って情報は、ここが違うんや。
なんぼ自分の目で見た情報があっても、「A氏の脳内のB氏の脳内の……の脳内のΩ氏」て具合に仮定に仮定を積み重ねていくと、それぞれのA氏やB氏やΩ氏は自分の目の色を見ていないわけやから、それを1個ずつ重ねていったら「全員の目の色がわからん」のと同じことになるわな。
この仮定の世界は実際の世界とはちゃうんやから、現実で見たみんなの目の色は無意味や。せやから、みんな赤目みたいな実際とかけ離れた極端な可能性も、論理の彼方では成り立つんや。
せやけど、第三者の旅人が保証する「青い目のやつがおる」はちゃう。
これは論理の彼方まで行ってしもうた「A氏の脳内のB氏の脳内の……の脳内のΩ氏」にとっても同じように有効なんや。
やから、旅人のおっさんの発言があって初めて「全員が赤目」という可能性が、脳内の脳内の……っちゅう想像でけへんような世界からも完全に消え去るわけやな。
あとは、まだ「99人赤目で1人が青目」みたいな可能性が、やっぱり脳内の脳内の……の世界にはまだ残っとるんやけど、これは1日経って誰も村から去らんかった時点で消える。
同じように「98人赤目で2人が青目」の可能性は次の日になっても村から人が去らんかったことで消える。
そんで、そのたびに「脳内の脳内の……」の入れ子構造も1つずつ減っていくわけや。
そないしとったら、そのうちに「1人赤目で99人が青目」の可能性だけ残っとるいう日が来る。
その日には論理が入れ子になることものうなっとるから、つまりこれは「自分だけが赤目の可能性」ちゅうことや。
その日が過ぎても村から人が去らんかったら、すなわち自分も青目やっちゅうことやね。急いで引っ越し準備や。
ほんで、翌日みんなでスタコラや。そして誰もいなくなった、やね。
結局この問題がわけわからんのは「脳内の脳内の……」って具合に仮定の話を積み重ねていくと、だんだん現実からは乖離していって「ん、これなんかおかしない?」って脳がエラーを感知してしまうからなんや。
ほんまはエラーやなくて、仮定に仮定を重ねまくった世界やから論理的には成立しとるんやけど、直観的にはそれが納得できへんからわけがわからんくなるんよ。
しかも、旅人の「青い目おるで」は普通に「言われんでも見たらわかること」やから増田みたいな疑問が出るのは当然のことや。
「見たらわかること」は仮定に仮定を積み重ねた世界では消えてしまって、第三者の発言は消えてしまわんのんやけど、これも直観に反するからわけがわからんようになる。
そんなわけわからん問題やけど、こうやって丁寧に解きほぐしたら多少は分かりやすうなるから、おっちゃんの解説で少しでも理解が進んだら幸いやで〜。
ほな!
(追記:今更だけどパズルの原文はこちら→https://io9.gizmodo.com/can-you-solve-the-hardest-logic-puzzle-in-the-world-1642492269) 答えには納得したのだけど、問題文に納得がいっていない。 納得がいかない...
anond:20200131142228 こちらの問題を解説するで〜 (問題と回答は元増田を参照してな) 旅人さんが「青い目のやつおるで」って言うたからみんなが自分の目が青いことに気づけたって話や...
青い目の人は青い目を確認できないと考えるのは論理的かな?
知らんけど、「少なくとも一人青い眼のやつがおる」が100日連続してもずっと一人を指していると確信していたら、100日目で「なんでみんないなくならんのや? …せや!」って思うっ...
というか論理的に考えると「自分以外の99人が同じ色だったら自分も同じ色の可能性がある。誰かが抜けたら自分が犯人ではない」が一日目で、一日目で誰も抜けなかったら「全員同じ色...
これ。 変だなと思う点が、周囲が出てゆかないから自分に違いない、という部分。 ならば周囲はなぜ自分ではないと判断したのか。 もしそこに盲点があるなら皆が同時に出てゆく選択...
よそものは村人じゃないから間違ったことを言う可能性があるという話ちゃうんか…
二人から三人に増やすときがおかしい。 >・村民が三人の場合(村民A,B,C) >一日目A,B,C「なんもわからん」 >二日目A「BとCの目青いし、ワイの目が赤かったら二人の場合と一緒やしBとC...
「青が一人以上いる」ことが確定していないと「二人のときどちらかが赤ならもう片方は青」という最小の推論が成り立たない。 一日ごとにこの最小の推論を繰り返していくことで100日...
よそ者が来る前から1人どころか自分以外の村民99人が青い目をしているのが確定しているよね?
そいつから見たときはな。 「仮に自分が赤だったときにそれを他人から見たら」を繰り返して行き着くのが「片方が赤ならもう片方は青」なんだよ。
そのコメントで納得しかけたんだけど、整理してたらやっぱりわからなくなってきた。 村民が2人の場合はそれで良いけど、自分の目が赤かろうとよそ者が見たのが100人の青い目の村民か...
100人の村人がいる。 仮に1さん〜100さんとする。 1さんから見て他の99人全員が青であるとする。 そこで1さんはこう考えるだろう。 「自分がもし赤ならば、2さんからは98人が青で1さんだ...
100さんは1~99さん全員の目を見ることができるんだからそもそもあなたの想定してる状況は問題文の状況とは別物だよ 村人は全員「自分以外の99人は青い目であることを知ってる」 でも...
凄い丁寧にわかりやすく書いてくれてありがとう。でもまだ理解できない。 「自分がもし赤ならば、2さんからは98人が青で1さんだけが赤という状況に見えるはずだ。 ここまではわか...
人数を減らすか。 村人が三人で、自分から見て他の二人が青だったとき。 もし自分が赤なら、他の二人には「赤と青」が見えているはず。 赤と青が見えている人は「もし自分が赤なら...
重箱の隅をつつくクソリプで申し訳ないけど、この問題文だと「よそ者は村人ではないので嘘をついている可能性があるから村人が自分の目が青色だと確信することはない」になりそう ...
答えに変化はないけど、村民3人以上の場合において1日目に推理をしないのはおかしいから修正してみた。 また、目の色の組み合わせ全パターンも網羅した。 ・村民が3人の場合(村民A,B,...
ぐえー、わからんンゴ。 モンティ・ホール問題とか、死刑囚のパラドックスみたいな、意識を素通りしてる差や矛盾が何かがあるんだろうけど掴めない。 3人の場合で自分はそれを知...
蒙が啓かれた 納得したよ拍手
anond:20200131142228 に追記してみたんだがどうだろう
なんて言えばいいんだろう よそ者の言葉は「パズルの開始の合図」だったんだよね もちろん村人は村に少なくとも98人の青い目の人間がいるって誰もが知ってたんだけど それ以上のこと...
それっぽく言ってるようで何も意味わかってなさそう
「二人なら成立するのがわかるけど100人だとわからない」って人は、問題を一人ずつ増やしていって何人目からわからなくなるのか興味ある
これ、論理的には98日目までのすべての脳内他人は自動的に否定されるから 実際にはAがこの考えを持ち出した時点で、何人いようが関係なく人数分の日数滞在が確定する 最後の日に...
元増田が疑問に思った理由とは違ったみたいだけど、 でも、よそ者の「少なくともこの中に一人青い目の人がいる」が起点になるのが納得できていない。 について、しばらく考えてよ...
よそ者からの言葉は必要。(村民だけでは、お隣さんが青い目だろうが赤い目だろうが自分の目の色に関係はなく、いつまで経っても自分の目の色は分からないままであるため。) 仮に...
村人は全員目が青いので目の色は青いものだと思っているだろうに赤い目という存在をどこで知りどう認識され何故全員青の目の中に赤の目がいると思うようになったか深層的に洗脳さ...
旅人の与えた情報は、 「青目が1人以上いること」 だけではないよ。 「村人全員が「青目が1人以上いること」を知っていること」 も与えているよ。さらに言えば、 「村人全員が「村...
分かったけど文章にするのきつい ・全員の認知が「少なくとも2人青目が居る、少なくとも3人青目が居る」とアップデートされていく ・アップデートされる理由は「全員が去らない」...
よそ者の情報は本質的には村人が知っている情報じゃなくて村人の知らない情報なんだけど感覚的に村人が知ってる情報のように感じてしまう 村人たちが持っている情報を整理すると A...
ワイがよそ者やったら「全員青い目やろ」って言うけどな
自分以外全員青い目の中で「少なくともこの中に一人青い目の人がいる」なんていうトンチンカンな発言を信じさせるよそ者は何者なんだよ。
村民はCPU、よそ者はプログラマだったって事?
背が高いとか低いとか、帽子のパズルだとなんとなく分かる気になるけど。 長いね...。問題も、答えも...。