2019-10-05

大臣事務次官の会話

大臣二酸化炭素火力発電の削減を決定した。後は頼んだぞ」

事務次官「えっ、どうやるんですか?」

大臣「それを考えるのが官僚仕事だろうが。安心しろ、具体的な目標方法には言及しなかったからよ。あのババアセリフに合わせてセクシー方法でやると、大衆受けすることを言ってごまかしてやったぜ」

事務次官「勘弁してくださいよ。大臣のお父様は原発廃炉を目指すと発言されたのですよ。火力も原子力も無しに、どうやって電力を賄うんですか」

大臣「親父は関係ねぇよ。地盤看板を俺に引き継いでからもう10年以上たってんだ。親父の政治運動は老後の道楽としてやってるだけで、その戯言政府政党関係ねーよ」

事務次官「では、原発推進すると?昨今の風潮だとそれも難しいかと」

大臣「んなもんどっちでもいいけどよ、俺は30年後も議員を続けるつもりだってことを忘れんじゃねえぞ。削減ができなかったら、将来俺が嘘つき呼ばわりされちまうから気をつけろよ」

事務次官ぐぬぬーっ。私は東大法学部卒業上級国家公務員甲種試験合格して花形大蔵省ではなく弱小省庁に入庁してここまで組織を大きくして事務次官にまで上り詰めたのですよ。あと数年を平穏無事に過ごすだけで最高の形で天下りができるはずだったのに、なんでこのタイミング二酸化炭素火力発電の削減という無茶ぶりをされなければならないのですかっ」

大臣「うるせえ!てめえのキャリアなんざ知ったことか。組織の拡大と出世にかまけていて、肝心の環境対策をしなかったことのツケが回ってきただけのことだろ。お前自らの選択でここに入ったんだからそれくらい責任もってやれよ」

事務次官「し、しかし…」

大臣「それによぉ、お前はお勉強が得意で自分で将来を決めることができだんだからよかったじゃねえか。俺の人生には選択余地なんてなかったぞ。兄貴芸能界に行くと宣言してよぉ、親父が長男世襲をしないと世間アピールした瞬間から俺の運命は決められていたんだぜ。それに、俺が世襲であると同時にブレーンも世襲なんだよ。親父の選挙対策本部長をやっていたTさんはマジもんの武闘派でよぉ、昔は今と違って衆議院選挙中選挙区制だったから同じ政党同士でも争ってたんだけどよ、Tさんは対立候補への嫌がらせ棺桶墓石を送り付けたっていう伝説を持っているんだぜ。ピザ寿司宅配じゃなくて棺桶墓石だぜ。そんなTさんも実子に世襲したんだからよ、俺は世襲しないってわけにはいかなかったんだよ」

事務次官「は、はぁ…」

大臣「とにかく、二酸化炭素火力発電の削減!頼んだからな!」

事務次官「はっはい!」

大臣「まったく。客寄せパンダも楽じゃねえぜ」

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん