数年前、大学を卒業する段になって、長期プランの見通しをあまり真剣に考えることなく就職活動を行い、Japanese Traditional Big Companyに入社した。終身雇用、年功秩序の典型例として例示されることも多い業種である。
もともと「転職したら給料下がるから当分は今の会社で頑張るか・・・。我慢すれば給料も上がっていくだろうし。今の上司が将来の役員や上司になるかもしれないし、文句は言わずやりたくない業務も一応我慢してやっておくか。飲み会やゴルフも面倒だけど行っておくか」みたいな気持ちで1日1日やり過ごしていた。
最近、急激に風向きが変わってきたように感じる。わかってはいたけど、今までの制度はもう無理なんだろう。会社も自覚していて、焦りなのか、最近は目まぐるしく人事制度を改革しようとしている。
制度の見直しとか時代に合わせた活躍の場の創出とかお題目はあるものの、結局はコストカットであり、ふざけたことにシニアの給料を上げ、若手の給料を下がるみたいな奇策も行っている。従順な犬であれば最終的に報われるということか?そんなことよりも働きに見合わない給料をもらっている無能が自動的に排除される仕組みを作ってくれ。もはや優秀な若手はさっさと脱出しろというメッセージとしか思えない。
実際、メールボックスにFarewellメールが届く回数が加速度的に増加している。
自分の部署でもエースが脱出してからおかしくなり始めている。人の補充や、業務の見直しを行わないまま雑に業務が人が引き継がれたが、その一方でサボっている人は罰せられていないので、疲労や絶望感が連鎖してさらに退職等で人数が減少、自然と怪しい人間の比率が濃縮され、社内の治安が急速に悪化している。
「どうせこのまま残っていても給料は下がっていくし、優秀な人は続々脱出しているわけだから、残り続けてハエのように飛び回っている老害勢に囲まれて自分も十分馴染んでしまったらもはや転職も困難。不要な飲み会等のイベントに参加しても会社の外でも通用するようなユニバーサルな人脈が得られるわけではないし、極力回避して家で自己研鑽に励み、やりたくない業務は極力排除、スキルを磨いて早いところ脱出。」みたいに気分に変化してきた。