2018-10-09

萌え絵についての、まだオタクが見るし描くしという頃の記憶

萌え絵について考えた時、うる星やつら存在は大きい。

うる星やつらキャラデザは、萌えという記号が満載だ。

虎柄ビキニ鬼、パッツンセーラー服白衣保健女医、フリフリ女子……などなど。

ただ、高橋留美子の絵が「萌え絵」かというと、わりと微妙エリアになる。

とちらかというと絵柄は水木しげるのとなりにある気もする。

そこに描かれた絵は確かに萌え」の記号なのだが、絵柄として「萌え」かというと微妙である

朝起きたら、「高橋留美子みたいな絵柄になっていたらいいな」とアニメオタクが思うかというと

微妙だ。

当時のオタクアニメ)は「好きな絵柄」という自意識が強くあって

特にA先生とB先生を合わせて2で割ったような絵柄になりたい」みたいなのが良くあった。

同人誌自己紹介で、あちこちで見られた自意識

美樹本晴彦とか良く名前があがっていた。

それは、これまでにない新しい絵柄というものが、ティーンエイジャーの心をむんずと掴んだのだ。

その意味でいうと高橋留美子の絵は、ティーンエイジャーにとっては新しいものではなかった。

ただ、うる星やつらで見つかった、オタク好みの絵の流れというのもある。

森山ゆうじプロジェクトA子とか土器手司のダーティーペアとかへ繋がるあのへんのアニメ絵の流れ。


エロゲーでいうと、ELFのあのへんの作品と繋がる。

「野々村病院の人々」とか「河原崎家の一族」とか。

ちゃんと動かせるアニメっぽいデッサン力のある身体

そこに、PC98の肌色塗りテクニックDNAが入っている。

描く人が憧れる要素がある。


一方、萌え絵少女漫画からというのもがある。

かつて少年漫画の絵はGペンの太い線。一方少女漫画丸ペンの細い線だった。

そういう守るべきルールがあると子供は思っていた時代があった。

この細い丸ペンによる線。

ここの身体感覚がわかるだろうか?

丸ペンは繊細な人間しか描けない!」と、実際に紙にペンで描いてみようとした男子は思うものだった。

絵柄自体に繊細な少女身体を感じる。

壊れやす砂糖菓子のような絵。アニメセル画塗りに対し、淡い水彩が似合う。

終末の過ごし方」とか多少それっぽい。

この2つのDNAが、混ざり合って、オタクが憧れる絵柄は色々変わっていく。

デッサンポンコツだが、雰囲気カラー処理などこだわる部分が魅力的な絵が多く出てきた気がする。

雫とか。

そういう時代を経て、経て、経て、今はとにかくみんな上手い。

断絶の壁がある気がする。

受け手意識が変わっている気がする。

PCフォトショからSAIの塗りを経て、経て、経て、2018年だしな。


まだオタクアニメを見て感動して、自分でも(アマチュアとして)模写するのが普通だった頃の記憶

ちなみに、オタクはがきイラストを送る先の最高峰ファンロードだった。あそこはレベルが違った。

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