2018-07-28

無自覚差別への無自覚

LGBTに「生産性がない」といった発言で、衆院議員杉田水脈氏が厳しい批判を浴びている。

Twitterでは彼女が出演した保守番組での差別的発言が多数リツイートされ、

自民党本部前では辞職を求める抗議活動が行われたようだ。

LGBTに留まらず、多くの人々が彼女発言に対しておかしさを感じているようである

抗議:杉田議員辞職を 自民党前、LGBTなど5000人 - 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20180728/k00/00m/040/076000c



私は同性愛であるので、彼女差別発言無理解さには辟易せざるを得ない。

SNSや街頭で声を挙げる人々の気持ちも痛いほどわかる。

ただ、ここでは敢えて杉田議員個人に関する言及は避けたい。

しろ私が言及したいのは、この日本という国を構成している「私たち」についてである

私がこの杉田議員ニュースを目にしたとき、正直「ああ、またか」という感想が一番だった。

こういった政治家差別発言の類は年に1度くらいは必ず見かけるので、

ゲイというセクシャリティを持って二十年以上生きている私にとっては、

怒ることより「この人はかわいそうな人だなあ」と諦めることのほうが楽なのである

からこそ、今回のようにLGBTに限らず多くの人々が批判している状況を見て、

不適切ながら「何をいまさら...」と思ってしまう私がいる。

例えば石原都知事が、LGBTに対して同じような不適切発言をしていたことは、

一体どれだけの人々が記憶しているのだろうか?

政治の場に限らずとも、学校職場で、同様な発言はなかったのだろうか?

「お前ホモかよ(笑)」のようなネタとして消費される差別的発言は?

私にとってそういった居心地の悪い空気人生のどの場面にも当たり前にあったので、

今の世論に対して「むしろ何故今まで気が付かなかったのか?」と滑稽にさえ思うのである

メディアSNSLGBTが取り上げられる機会が増えなければ、

今回批判を行っている人々も依然として差別を行っていたのではないか

私のように擦れてしまった人間は、LGBT理解に奔走する人々にとってある意味都合が悪いかもしれない。

しかしもしあなたが今回のように、ある種の「正義」に目覚め、差別を行う人に鉄槌を下そうとするのならば、

私たちは誰しも、無自覚に人を傷つけ差別せずには生きられない生き物だということを今一度自覚してほしい。

人を糾弾することは簡単である

特に杉田議員のように「国を背負う」という役割を持つ人を糾弾することはより一層簡単だろう。

しかし残念ながら、国を動かすのは政治家であっても国を構成し形作っているのは、あなたである

政治家だけ差別に敏感でいれば、あなた差別無頓着でいていいわけなどないのである

あなた杉田議員に怒りを表すずっと前から、私は初めは同じように怒り、そして諦めた。

あなたLGBT問題について知識を得るずっと前から、私は知識のない人から傷つけられた。

あなたは私が苦しんでいたことに気づいていただろうか?

あなたあなた無自覚に人を傷つけ、差別していたことを自覚しているだろうか?

あなた」には当然私も含まれていて、私も無自覚に人を傷つけてきた。

からこそ私たちはもう一度、自分無自覚差別への無自覚さについて考えるべきだと思う。

  • あなたが諦めている間にも、諦めずに踏ん張ってきた人たちだっているんです それだけです

  • 時代が変わったのに変化を嫌悪すると老害だぞホモジジイ

    • 紡ぐべき言葉を見つけられないからと言って安易な罵倒でごまかそうとするな。

  • LGBTに「生産性がない」といった発言 あなたは今回問題となった杉田水脈氏の文章を読んでみましたか? 文章の一部分を取り上げて批判することはあまり意味のない行為ですよ。 杉...

    • 細かい定義論争に持ち込んであやふやに分解させようとする意図が見え見えバレバレだわな

  • 航空自衛隊の将軍がミンス小西議員を「おめえ気持ちわりいんだよおお!国民の敵だあ!」と怒鳴って自衛隊ぜんたいがビビらせてやったぞイエーイ!と盛り上がるように  LGBTも差別者...

  • 黙れクズ

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