2018-04-02

30代ニートの話

 

 まずはじめに言うと私はアスペルガーでもないし、発達障害でもない。数回検査をして、違うと診断が出ている。

 小さい頃から太っていて、カンが強く、思い込みは激しく、怒りっぽい。友達は少なかった。中学は半分不登校だった。高校ランクが低いところをだましだまし通っていた。ニート引きこもり、の前座としてはよくある話だ。

 20代はずっとフリーターだった。10~15万円の給料をもらって、実家からでないまま遊んだり、勉強もすこしはしただろうか。一年まればいい方で、数ヶ月でクビになった。クビを宣告される前は私も体調を崩すようになっているので、ショックはあったけれどもう通わなくていいのだと思うとほっとしていた。そして何ヶ月かニートになり、また金がなくなると働き始める。その繰り返しだった。職場では、遅刻とまではいかないが、いつもギリギリに到着していた。同僚との仲も徐々に悪くなっていった。それでも大きく態度に出さなかったのはとてもありがたかった。もしかしたら鈍感すぎて、いじめには気がつかなかっただけかもしれない。

 そんな中、20代後半になって唯一長く務まるバイト出会った。数年続いた。給料もまぁ、仕事時間を考えればそこそこ貰えた。趣味や、ツイッターでできた友達遊んだり、楽しかった。それでもこの仕事も突然ダメになった。体を壊したのだ。

 原因が分からずに、病院に行った。いくつも病院を回って、どうやらこの症状はメンタルから来ているらしい、とわかった。意味がわからなかった。この仕事ストレスを感じることは他の仕事に比べればほとんどなかった。

 仕事は体力仕事なので、体が動かなかったら働けない。けれど仕事は溜まっていて、人が足りなかった。出られないか?と何度も言われた。私も、行ったところで仕事にならないのを認めなくなくて仕事に行った。仕事は終わるはずもない。誰かに肩代わりしてもらうしかなかった。そんなことをズルズルとやって、結局数ヵ月後に退職した。

 

 なおしたかった。働きたいと思っていた。しかし、それが何年も続くとどうだろう、私の中にあった怒り、欲求は薄れて、ただのボンクラが出来上がってしまった。もともとボンクラだったのかもしれないが、それが輪にかけてボンクラだ。

 動けないならネット仕事をすればいいのに、と思ってサイト登録してもみたが、結局ダメだった。趣味仕事にしてみたら?ダメだった。

トライアンドエラーを繰り返すうちに、どんどんと自分ダメものなんだなぁと自覚させられる。自分自分に期待をして、頑張ってみないか?と思うのももう嫌になってしまった。

 それでも不幸なのだろうか、と思ってもそうではない。通院の結果少しずつ動くことはできている。趣味の友人とネット上で楽しく交流させていただいている。両親はいるし、持ち家もパソコンスマホもある。月に少しおこずかい(30代が!ここは笑うところだ)を頂いている。

 大変あまっちょろいと本当の不幸の方にお詫びする。私は、ただ障害を負っただけのクズなのだ。辛いことも、未来のことも何一つ考えない。今が楽しければそれでいいとバイオリンを弾き鳴らすキリギリスなのだ

 …本当は、未来のことを考えないこともない。でもわからない。時折、家族と喋る。これから何をすればいいと思う?どうすれば?そんなことを言われても、何をすればいいかなんて全く考えが浮かばない。本当に、何一つ、わからない。

 小説だったらこういうとき主人公は血のにじむような努力や優秀な頭脳を使って困難を打ち負かしていくんだろう。素晴らしいハッピーエンド。私はどちらもすることができない。私のような人間物語には登場しない。

 夏にバイオリンを弾くキリギリスは、冬には寒さで死んでいく。私の家も決して裕福ではない。両親からは、私たちが働いているうちは援助もできるが、定年になったら無理だ。と言われている。定年まではあと数年だ。きっと私の夏もあと数年なのだろう。願わくば冬の辛さを味わうのは、少しだけがいいと祈らずにいられない。

 

  • キリギリスほど今を楽しんでもいないように見える くよくよするキリギリスとか、一番損なパターンじゃないか

  • まずデブやめろよ

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